
群馬県川場村の土田酒造さんとほぼ日が
タッグを組んで、
日本酒「尾瀬の木道」をますます広げるべく
オリジナルラベルの180ml缶を作りました。
これまでは、この売上の一部が、
尾瀬国立公園の広大な湿原に長くのびる木道の
修繕費用として寄付されることや、
土田酒造さんが、添加物に頼らない製法で
日本酒の伝統を守りながらも、
あたらしいチャレンジを続けていることなど、
背景や機能を伝えてきましたが、
じつは、一番大切なことを
あまり伝えられていないことに気づきました。
それは、尾瀬の木道が、背景はさておき、
シンプルに「とってもおいしい」ということ。
そこで、ほぼ日乗組員のとくにお酒が好きな3人が集まり、
そのおいしさと、いっそう楽しく味わうヒントを
あれやこれやと話しました。

ほぼ日GO!とは、
ほぼ日が、日本全国の地域の方々と
幅広くて自由なコンテンツを作り、
更新していく場所です。
https://www.1101.com/
-

▲写真左から、ほぼ日の裕、五藤、さなみ。全員お酒好き。
- ──
- まず、3人はそれぞれ、
どんなふうに日本酒を楽しんでるか、教えてもらえますか?
- 五藤
- うちの近所に老舗の酒屋さんがあるんですよ。
そこで、その日食べる予定のものに合わせて、
選んでもらい、基本的には一升瓶で買ってます。
- ──
- 一升瓶! すごい。それぐらい飲まないと、
本当の味はわからない、ってことですか?
- 五藤
- いやいや、量が足りないだけです(笑)。

- ──
- 一人目から、すごい。裕さんも、
日本酒を家でもよく飲むんですよね?
- 裕
- 僕は、四合瓶(720ml)でいろんな種類を試したいので、
時間ができるといろんな酒屋さんに行ってます。
家に日本酒用の冷蔵庫があって、50本ぐらい入るので、
そこから今日はこれにしよう、と選ぶ感じです。
月に15本ぐらい買ってるかな。
- ──
- お二人とも、しっかり日本酒を楽しんでますね!
さなみちゃんはどうですか?
- さなみ
- わたしは普段からいろんな種類のお酒を飲むので、
日本酒が登場するシーンは二人より少ないんですけど、
好きですね。
たとえば、新潟の緑川酒造が好きなんですけど、
去年旅行したときに、
地元じゃないとなかなか買えないシェリー樽で
熟成させたものがあると聞いて、買ってきました。
- ──
- 旅先で必ずお酒をチェックしてますよね!
- さなみ
- はい、旅先で飲んで、持って帰ってきてからも、
ちびちび楽しんでます。
- ──
- そんな御三方ですが、
今回「尾瀬とほぼ日」プロジェクトでコラボした、
群馬県・川場村の土田酒造さんは、
もともと知ってましたか?
- さなみ
- エチケットがおしゃれで、目に留まりやすいよね。
わたしは仕事で赤城へよく行くので、
高崎駅のお店でも目にしていました。
- 裕
- 僕は、先駆けていろんなおもしろいチャレンジを
している酒造さんとして、
酒屋さんで教えてもらったのが出会いだったと思います。
- 五藤
- お米をほとんど削らないで作ったり、
規格外のお米を使ったり。そういう試みに、
世の中も目が行き始めてるよね。
SDGsへの意識もあるし、猛暑とか大雨とか、
気候変動でお米の収穫量が減っているので、
量を確保するために、必要なことだったりもして。
- ──
- 従来の日本酒ってお米の表面をたくさん削って、
すっきりした味を作るのが主流だったんですよね。
でも、あえて削らないことでお米を無駄にせず、
しかも収穫量が不安定ななかでも、
限られたお米を有効活用できるというメリットが
あるってことですね。で、飲んでみると、おいしい。
- 五藤
- しっかりとお米を削ることで雑味や酸味がとりのぞかれて、
すっきりときれいな味になって、
それがここしばらくのトレンドだったけど、
最近はその雑味といわれる部分も
作り手の腕でおいしく仕上げられるよね、
という動きもあって。
- 裕
- 土田酒造さんが得意としている
「生酛(きもと)造り」は、その最たるものですよね。
- ──
- 生酛(きもと)造りは、
江戸時代から続いている仕込み方ですよね。
土田酒造さんは、そんな伝統を大切にしながら、
あたらしい技術と職人さんたちの腕で、
深い味わいを生み出されているのが、
とっても魅力的だなと思ってました。
(土田酒造の6代目の土田祐士さんと
尾瀬の歩荷でもある蔵人の渡部努さんに
お話を伺ったインタビューはこちらから)
- さなみ
- うん、おもしろい。それに、土田酒造さんのお酒は、
どの種類もそれぞれぜんぜん違うし、
飲むたびにあたらしい発見があるよね。
- ──
- では、さっそく「尾瀬の木道」、試してみてください〜!
今年から土田酒造さんは「尾瀬の木道」のラインを
すべて1合缶で販売されてるんですが、
このデザインは、ほぼ日だけのオリジナルです。


- さなみ
- かわいいね。
荷物を運ぶ歩荷さんが描かれているのもいい感じ。

- ──
- 売上の一部は、土田酒造さんから群馬県に寄付され、
尾瀬の木道の修繕に使われる予定です。
そして、このデザインは、1,000本限定なんです。
- 五藤
- 限定っていわれると、
日本酒好きはつい気になっちゃうよね。
- ──
- 缶の素材感は、どうですか?
- 五藤
- アルミ缶のボトルって、カップに注ぎやすいね。
- 裕
- たしかに。ひとり一本手元にあって、
みんな自分でやろう、みたいな
手酌で気を使わない感じもいいですね。

- さなみ
- うん、いいサイズ感。このまま飲むんじゃなくて、
おちょこについで飲むのがいいな。
家だったらワイングラスで飲むかも。
- ──
- ではでは、乾杯を。

- さなみ
- ちょっとシュワシュワっとしてるんだね。おもしろい。
- 五藤
- 飲み口はクリアだけどちょっと甘めだね。
- 裕
- 甘さと、とろみもありますね。
- ──
- ひと口目からいろんな感想が出てきますね。
今回は、常温で飲んでもらってますが、
温度はどうですか?
- 五藤
- とろみや甘みは常温の方が感じられるかもしれないね。
だけど、飲み口がクリアだから、冷やしてもいけそう。

- さなみ
- シュワッと感が、冷やすとより引き立ちそう。
暑い日は、しっかり冷やしてもいいかもね。
- 裕
- (パッケージの商品表示を見て)
あ、そんなに磨いてないんですね。
- ──
- 「精米歩合」ですね、70%です。
- 裕
- だからですね、お米のうま味があって、
しっかりとした味わいだし、
適度な酸味や複雑な味わいがのこってますよね。
しかも、アルコール度数は13%なんですね。
だから、飲みやすいんだ。

- さなみ
- 一般的な日本酒より、すこし低いんだね。
ぺろって飲んじゃいそう。
- 五藤
- たしかに。ちょっと疲れてるときとかでも、
飲み進んじゃう。BBQとか外で飲んでいるあいだに、
ちょっと日本酒飲みたいときとかにも、ありだね。
- ──
- 180ml、一合っていうサイズ感はどうですか?
- さなみ
- お土産にいいなと。私はよく旅行したとき、
お酒好きの友達にワンカップを探すんです。
ワンカップも最近、かわいいデザインが増えてますけど、
でもこういうボトル缶なら、テンション上がりますよね。

- 五藤
- もしこの缶が、泊まるホテルに置いてあったら
すごくうれしいと思う。
- 裕
- 間違いない、間違いないですね。
- 五藤
- 宿について、夕食前に軽く飲みたいけど、
ビールだとお腹いっぱいになっちゃう。
そんなときに、こういうものがサクッと二人で一合とか、
サラッと飲めるといい感じ。
- さなみ
- 山小屋に到着して、ちょっとゆっくりするときとか、
お風呂上がりに湯涼みするときとか。
ちょっといいお茶請けとこのサイズの日本酒があったら、
いいな。
- ──
- 尾瀬はもちろんですけど、
ピクニックをしたり、山小屋泊やキャンプで、
日の暮れを自然のなかでゆっくり過ごすときに
味わっていただけたらうれしいなって思っています。 - じつは6月に開催した「生活のたのしみ展」で、
先行販売させてもらったんですが、
そのとき買ってくださったお客さまで一番多かった理由は、
「一番行きたい場所が尾瀬だから」だったんです。
いつか尾瀬に行くことを想像しながら飲んでみたいとか、
尾瀬に誘いたいひとといっしょに飲みたい、とか、
そんな理由を聞かせてもらえてうれしかったです。 - 群馬出身の友人や家族へのお土産に買っていかれる方も
いらっしゃいました。
- さなみ
- そうそう、ほぼ日が群馬県赤城山で運営している
施設「ほぼの駅 AKAGI」でも販売し始めましたよ!
- 裕
- ああ、旅先で買うのにも、このサイズ感いいですよね。
四合瓶を買うのは、
ちょっとしんどく感じることがあるから。

- 五藤
- 買っちゃうけどね。重いよね。
- さなみ
- ワインは旅先で一本買っても飲みきれるけど、
四合瓶飲み切るのはなかなかむずかしいよね。
旅先で買ったはいいけど、
滞在中にこれ開けたら飲めないぞって、
結局そのまま持って帰る。
- 五藤
- 旅先のショップでおいしい地酒を探そうとすると
四合瓶が多くて。
一合で冷えてるものはいわゆる大衆酒が多いけど、
ほんとうはもっと気軽においしい一合缶が買えたら
うれしいよね。
- ──
- ちなみに、この尾瀬の木道、
おつまみは何が合うと思いますか?
今日はいくつか、五藤さんが日本酒によく合わせるものを
準備してみましたが。
- 裕
- アルコール度数が比較的低くて飲みやすい分、
このなかだとナスとか、
ちょっとつまめる感じのものが合う気がします。

- 五藤
- 食前酒みたいな感覚で、
枝豆とか豆腐とかにも合うだろうね。
- さなみ
- そうだね、ホタルイカぐらいしっかりした味だと
負けちゃうから、さっぱりめの前菜がいいだろうね。
- ──
- 尾瀬の木道を楽しむいろんなヒントを
ありがとうございました!
ぜひ読者のみなさんにも、
いろんなシーンで味わっていただけたら
うれしいなと思っています。

・
・
・
・
・
お酒好きが集まるせっかくの機会なので、
土田酒造さんのユニークな取組をもっと知りたいと、
気になるお酒「R7BY 一石(いっせき)」と
「Tsuchida F」の2種類も準備。飲み比べてみました。
- ──
- では、「R7BY 一石(いっせき)」から。
- 五藤
- うん、おいしい。なんだろう、
口当たりはスタンダードにおいしい日本酒って感じがする。
- 裕
- ですね。後味も、なんだかなじみのある味。
- さなみ
- わかる。昔ながらの、親しみがある感じ。
- 五藤
- 若干、穀物感があるよね。あと、ちょっと酸が残るのかな。
- 裕
- うん。でもベタベタもしないし。
すごい良い造りをしてる感じがします。
おつまみに柑橘もありだなと思ったら、
パッケージの表示でもおすすめされてますね。

- さなみ
- 土田酒造さんは、パッケージや
ウェブサイトとかでも、
食事との合わせ方や、
楽しみ方も提案してくださるのがうれしいよね。
あとは、牡蠣とレモンとかも絶対合うね。
- 五藤
- サンマにカボスとかも。
- 裕
- グレープフルーツを入れた、
カルパッチョサラダとか。
- 五藤
- シーフードに合うよね。
白ワインみたいに飲めるね。
- ──
- なるほどー。では、次は「Tsuchida F」を。
- さなみ
- ボトルがおしゃれだよね。

- ──
- 「Tsuchida F」の「F」は、
Fantastic(ファンタスティック)の頭文字だそうです。
本来目指していた設計とは違う姿で
発酵が進んでしまったものを、
失敗(Failure)だと終わらせるのではなくて、
蔵人の技で試行錯誤して、
しっかりとした甘みと力強い酸味のあるお酒に
仕上がったそうです。
- 五藤
- 色がすごい、しっかり濃いですね。
- 裕
- 削ってない、って感じの味がしますね。甘くて酸っぱいな。
- さなみ
- 初めて買ったとき「みりん」みたいだなって思った。
あと、ちょっと乳酸っぽさもあるかな。
- 裕
- あります、あります。
- ──
- どういうおつまみが合いそうですか?
- 五藤
- なんか、紹興酒と同じような合わせ方がいいのかも。
- 裕
- たしかに。中華とか、春巻きとかも美味しそう。
- 五藤
- 赤身のカツオとかも合うよねとか。
- さなみ
- マグロの漬け丼とかもいいかも。
- ──
- で、最後に、比較のために
裕さんが持ってきてくれたボトルも気になってます。
それはどんなお酒なんですか?
- 裕
- 奈良の美吉野醸造さんが作っている「花巴」といって、
これも酒屋さんに”とっても尖った”お酒として
教えてもらったんです。
で、3年前に買って、すこし飲んだ後、
家で寝かせてたんです。
Tsuchida Fと飲み比べるとおもしろいだろうなと思い、
家から引っ張り出してきました。

- 五藤
- 3年熟成ね、それはすごいな。
- 裕
- 酒屋さんで何年か寝かせてから
飲むのもおもしろいと聞いて、
常温でそのまま置いておいたんです。
冷蔵庫に入れるより
常温の方がおもしろいことになるのではと思って。
結果的に、正解でしたね。
- 五藤
- ということは、
日本の暑い夏を2回も乗り越えてるんだね。
- 裕
- (グラスに注ぎ)
もう色が普通の日本酒じゃないですよね。
琥珀色というか。「みりん」に近い濃厚さがある。

- 五藤
- あ、僕これ飲んだことある!
思い出した、あのお酒だね。
これはなかなか持っている人はいないよ。
置いてあるお店も少ないだろうし。
ここまで尖ったお酒は、
普通は怖くて買えない(笑)。 - 「水酛(みずもと)」という製法で、
平安時代の日本酒の作り方を復興させたというか、
当時のままの手法で造ったらこうなった、
というかなり尖ったお酒なんだよね。
- 裕
- 土田酒造さんも得意としている生酛(きもと)造りは、
江戸時代からの作り方という話をしましたけど、
これはさらに古いってことですよね。
- 五藤
- (一口飲んで)
うん、味わいはみりんのような濃厚さがあるけど、
不思議とすっと綺麗に入っていくね。
紹興酒のようなニュアンスだね。 - Tsuchida Fも、さっき開けたばかりの今年のお酒と、
裕さんが寝かせて持ってきてくれたお酒と、
同じモデルでもしっかり違いがあるね。
おもしろい!

(3人の談義はまだまだ続きましたが、
この辺で。ぜひみなさんも、土田酒造さんのお酒を
さまざまに楽しんでみてくださいね)

