こんにちは、ほぼ日のきょんです。
「おNEWなものさがし」は
ほぼ日の乗組員きょんが、
「おNEWで魅力的なもの」との出会いを探し、
ほぼ日初登場となるお店を紹介する企画です。
今回ご紹介するのは、大分県にある「佐藤防水店」さん。
その出会いは約１年前、ほぼ日のインターン生から
紹介してもらったことがきっかけでした。
「佐藤防水店」は、
店舗用のテントやテント倉庫をメインに制作をする一方で、
オリジナルのバッグや、服飾品も手掛けています。
そのなかで特に目を惹かれたのは、
自立するくらい分厚い帆布生地でできている、
小さな小さなサイズのトートバッグ。
かわいらしい見た目と、確かな品質を兼ね備えたバッグです。
でも、どうしてテント屋さんがバッグをつくっているの？
気になりすぎて、大分県まで行ってきました。
西大分の海の景色とともに、
バッグの魅力をお伝えします。
佐藤防水店（さとうぼうすいてん）
大分県で創業65年のテント・シート専門店。
店舗用住宅装飾テント、テント倉庫を中心に制作する一方で、
テントづくりの技術や機材を活かした
バッグなどの服飾雑貨のプロダクトも手掛けています。
西大分には、佐藤防水店の商品を扱う直営店、
「Re-sew」をオープン。
大分県の企業の雑貨や食品なども販売し、
大分県のセレクトショップとして、
地元をさらに盛り上げるべく活動しています。
- ほぼ日
- 今回、ほぼ日で販売させていただくのは、
「佐藤防水店」さんの数あるバッグのなかでも、
「D-tote」シリーズの、
「nano（ナノ）」サイズという小さなトートバッグです。
- 佐藤
- はい。
ほぼ日さんオリジナルの配色で、
カジュアルでおしゃれなバッグに仕上がりましたね。
- ほぼ日
- ファッションのアクセントにもなりますし、
アクセサリーのようにも持てそうです。
初めてこの「D-tote nano」をみたとき、
このミニマムなサイズ感がとにかく
「かわいい！」と思ったんです。
- 佐藤
- 実はこの「nano」サイズ、
最初は売り物ではなくて、
ディスプレイ用につくったものだったんですよ。
- ほぼ日
- そうだったんですか！
- 佐藤
- 「佐藤防水店」でバッグをつくりはじめたばかりのころ、
百貨店のイベントに参加したり、
全国各地でポップアップショップを
ひらいてまわっていました。
その会場を飾りつけるためのバッグとして、
商品をつくったときにでる端切れ布でつくった
小さなサイズのバッグが、
「D-tote nano」の誕生のきっかけでした。
飾ってある小さなバッグに気づいたお客さんが、
「これが欲しいです」と言ってくださって、
こうして求めてくださる方がいるならと、
商品としてつくりだしたんです。
- ほぼ日
- 確かに、置いてあるだけで
なんだか気になってしまう存在です。
- 佐藤
- いまでこそ小さなバッグが人気ですが、
当時はまだめずらしかったこともありますね。
- ほぼ日
- あと、「D-tote “nano”」という
ネーミングもかわいいです。
- 佐藤
- この「nano（ナノ）サイズ」が完成したとき、
「D-tote」シリーズはすでにS、M、Lサイズのほかに
「mini」サイズもあったんです。
そこにさらに小さいものができたので
商品名に悩みまして‥‥。
そんなとき、当時発売された
音楽ポータブルプレーヤーの
「iPod nano」を見てピンときたんです。
このトートバッグはとてもアナログな物だけど、
あえてデジタルな単位の「nano」を
組み合わせたらおもしろいかもって。
- ほぼ日
- はい、とてもぴったりです。
佐藤さんが思う、このバッグのいちばんの魅力は
どんなところでしょうか？
- 佐藤
- うちのバッグのウリは「自立する」ことです。
使用している本体の生地に厚みがあって、
こんなにかわいい見た目だけど、
生地の質と縫製の技術がとても高い。
だから、日常生活で気軽につかっていただいて、
ちょっとくらい雑に扱っても大丈夫。
ガシガシと使っていただけます。
- ほぼ日
- 大きな防水布やテントなどをずっと制作されてきた、
高い縫製技術があるからこそ、
分厚い生地でバッグができたんですね。
- 佐藤
- あ、いえ。
それは考え方がちょっと逆なんです。
縫製技術があるから、
厚みのある生地でバッグをつくろうと
思ったわけではないんです。
- ほぼ日
- と、いいますと‥‥？
- 佐藤
- 「佐藤防水店」の工場に配置されているミシンは、
メイン商品の大きくて分厚いテントを縫うための、
大型のミシンです。
バッグ部門を新設するとき、
新しくバッグ用のミシンを導入するまでの余裕がなくて、
もともとある大型のミシンで
バッグをつくらなきゃならなかったんです。
- ほぼ日
- テントをつくるための設備で、バッグづくりを。
- 佐藤
- そうです。
それならば、大型ミシンだからこそできる「良さ」を
活かしてバッグをつくろうと、
テントに用いるような分厚い生地をつかって、
自立するほど頑丈な
トートバッグをつくることにしたんです。
- ほぼ日
- なるほど！
- 佐藤
- いまでも、うちでつくっているバッグはすべて、
テントシート用の大型ミシンでつくっています。
大きなミシンをつかって短い距離を縫うのは
手間がかかりますし、
分厚い生地をつかっているぶん、
裏返したり、形を整えることも力仕事です。
- ほぼ日
- 職人さんの技術と、
丁寧な作業が欠かせないバッグですね。
ちなみに佐藤さんはこの小さなバッグ、
どう活用しますか？
- 佐藤
- ちょっとしたお出かけのときは便利ですよね。
お財布とスマートフォンを入れて
これひとつで身軽に出かけられます。
犬の散歩バッグにもおすすめですよ。
あとは、２人のお子さんをもつ職人は、
マザーズバッグのサブバッグとして
つかうと言っていました。
ベビーカーにひっかけておいて、
おしりふきや、タオル、
ちょっとしたお菓子なんかを入れておくと。
- ほぼ日
- メインのバッグとしても、
サブバッグとしても活躍してくれそうです。
ほぼ日で販売する３種類のバッグは、
どれも色味を細かく相談しながら
つくっていただきました。
- 佐藤
- はい。
テントもいろんなリクエストをいただきながら
オーダーメイドのように制作していますので、
それをバッグ部門にも取り入れて、
１つ１つのオーダーに
できるかぎり応えたいと思っているんです。
個人のお客さまでも、お店にきていただければ
色の指定や変更を受け付けています。
- ほぼ日
- 自分好みのバッグをつくってもらえるのは、
うれしいですね！
- 佐藤
- お洋服を買いに行って、
ここのパーツが違う色だったら買ってたのになあ、
なんて思ったことありませんか？
僕たちは、お客さまが欲しいと思っているものに
なるべく近いものを一緒につくり、
余計なものはつくらない。
小さな会社だから無駄なものはつくれないぶん、
こうしてものづくりを続けてきました。
- ほぼ日
- 「佐藤防水店」さんには、
「D-tote nano」以外にも個性的なバッグが
数多くありますよね。
- 佐藤
- バッグ部門のみんなで考えています。
うちは製造元でもあるので、
自分たちがやってみたいと思ったものはすぐにつくれるし、
売れなかったら終わらせればいい。
あらゆる面で臨機応変にできるので、
そこはとても強みなんです。
- ほぼ日
- 直営店の「Re-sew」さんにあったエプロンも、
実用性とおしゃれを兼ね備えていて素敵でした。
色んなものつくりに挑戦されていますね。
- 佐藤
- バッグに限らず、着るものや小物まわりも
バッグ部門が考えています。
社員や「Re-sew」の仲間が提案してきたことは、
１回も拒否したことはありません。
- ほぼ日
- そうなんですか！
- 佐藤
- １回は挑戦してみます。
そのぶん、失敗したことも数知れませんが、
やってみなければわからないですから。
- ほぼ日
- そうして新しいことにチャレンジされながら、
今後の「佐藤防水店」さんが目指すのは
どんなところなのでしょうか。
- 佐藤
- バッグ部門を始めたこともそうなんですが、
大事にしているのは
本業のテントシートや防水布が
盛り上がってほしいということなんです。
新しい商品への挑戦や、
アーティストさんとのコラボレーションも、
先祖代々つづけてきた会社を
守るためにやっていることです。 - 「佐藤防水店って、バッグ屋さんだよね」って、
言われてしまうのは嫌なんです。
大事なのは、
「テントシート屋がやっているバッグ」というところ。
バッグをとおしてお客さんに
「佐藤防水店」を知ってもらって、
「テントシートっていうものがあるんだ、
そういえば街中でも見かけるかも。
それをつくっている人たちがいるんだ。」って、
って感じていただきたい。
- ほぼ日
- あくまで、バッグは
「テントシートをつくっている佐藤防水店さん」を
知ってもらうためのきっかけなんですね。
- 佐藤
- そう、バッグは広報隊長なんです。
肝心のテントシートのところは、
ないがしろにしたくないですね。
もちろんバッグも人気になってほしいですけど（笑）。
あと、バッグをつくっている理由は
もうひとつあります。
- ほぼ日
- それはなんでしょうか。
- 佐藤
- 一緒に働いている仲間が、
「佐藤防水店にいるぞ」って
胸を張って言える会社にしたいって、
ずっと思ってるんです。
その「誇り」をもつ瞬間というのは、
自分たちがつくった商品を、
お客さんがつかってくれている姿を
目の当たりにしたときだと思うんです。
- ほぼ日
- 自分の携わったものが実際につかわれているところを見ると、
誇らしくて、うれしい気持ちになりますね。
- 佐藤
- テントシートももちろんですけど、
バッグはそれを実感しやすいんですよね。
大阪や東京に出張に行くと、
僕たちがつくっているバッグを
持っている方を見かけることがあるんですよ。
もう、話しかけたくなっちゃいます。
- ほぼ日
- その気持ちはすごくわかります！
- 佐藤
- 実際、何人かに話しかけましたよ。
名刺をお渡しして、
「ナンパじゃないですよ」って言いながら（笑）。
毎回驚かれちゃいますけど、
なによりご縁がうれしくって。
こうしたご縁をさらに繋げて広げていけるよう、
これからもひとつひとつのものつくりに
全力で取り組んでいきたいと思っています。
- ほぼ日
- はい！
これからも佐藤防水店さんの新たなチャレンジを
楽しみにしています。
今日はありがとうございました。
「D-tote nano」の販売は、
2022年６月21日（火）AM11時からスタートします。
商品のラインナップは、ぜひこちらからご覧ください。
撮影：大塚淑子
（つづきます）
2022-06-17-FRI
-
「D-tote nano」を手掛けるのは、
大分県にある創業70年のテント屋さん、「佐藤防水店」。
大型のテント用のミシンを使ってつくられるバッグは、
厚手の帆布生地を贅沢につかった、
「自立するバッグ」です。
今回ほぼ日では、「佐藤防水店」さんがつくる
「D-tote」という定番のトートバッグシリーズのなかで
いちばん小さな「nano（ナノ）サイズ」の
バッグを販売します。
くわしくは販売ページをご覧ください。
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