「おNEWなものさがし」は
「生活のたのしみ展」担当の乗組員きょんが、
たのしみ展を開催できていない間にも
「おNEWで魅力的なもの」との出会いを探し、
ほぼ日初登場となるお店を紹介する企画です。

第4回目は、
高崎や鎌倉にお店を構えるセレクトショップ、
「Belluria(ベルーリア)」さんをご紹介します。
今回訪れた鎌倉店では、
古民家をまるごと改装してつくられた店内で
心地よい鎌倉の風と陽の光を感じながら、
オーナーの山越ご夫妻が実際に使ってみて
本当に良いと思ったお洋服や陶器、アクセサリーなどの
厳選された品々と出会うことができます。

ほぼ日では、その店内でも特に存在感を放っていた
「Belluria」さんのオリジナルの革ブランド「N25」の、
レザーがま口ウォレットを販売します。

>Belluriaさんについて

Belluria プロフィール画像

Belluria(ベルーリア)

セレクトショップ「Belluria」は、
高崎や鎌倉に店舗を構える、
オーナーの山越ご夫妻が実際に使ってみて
本当に良いと思えるものだけが揃うお店です。
鎌倉店では、
古民家をまるごと改装してつくられた店内で、
心地よい鎌倉の風と陽の光を感じながら、
お洋服や陶器、アクセサリーなどの
厳選された品々と出会うことができます。

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第3回 「Belluria」のオーナー、 山越ご夫妻にお話をうかがいました。 (前編)

鎌倉・長谷駅周辺の素敵なお店をお散歩したあと、
いよいよ山越ご夫妻に「Belluria」のお店と
「N25」のお財布についてくわしくお話を伺います。

▲オーナーの山越ご夫妻。
ともえさん(左)と、弘世さん(右)です。 ▲オーナーの山越ご夫妻。 ともえさん(左)と、弘世さん(右)です。

ほぼ日
今日は鎌倉を一緒に巡っていただいて、
新しい発見がたくさんありました。
鎌倉は小路や電車、海など、
歩いているとあちこちに魅力的な風景を発見できる、
素敵な場所ですね。
弘世
そうですね。
「Belluria」の3店舗目として鎌倉を選んだのは、
古都の鎌倉は神社や仏閣など
昔ながらのものがたくさんあって、
海という大自然が近く、
たくさんの「本物」を感じられる場所だと思ったからです。
私たちが「Belluria」を通して目指していることは、
自分が本当にいいと思っているものや、
「これは”本物”だ」と思うものについて、
その背景やストーリー、つくっている人のことを含めて
お客さんに伝えていくことです。
そのためにも、お店をだす場所は
「本物」を感じられるところがいいと思いました。

ほぼ日
お店の外観や内装はもちろん、
駅からお店に向かうまでの小路の風景も含めて、
「Belluria」さんの空間をつくりだしていると思いました。
こういった空間にあって、お店に並んでいる品々は
さらに魅力を増しているようにも思います。
そんな「Belluria」というお店がはじまるきっかけは
どのようなものだったんでしょうか。

弘世
24年くらい前の話ですが、
私が「Belluria」を始める前は
ほかの洋服のセレクトショップで働いていました。
そこは働く前から憧れていていた場所でしたが、
当時は洋服においても大量生産化が進んでいて、
そのお店もアウトレットショップをあちこちにつくったり、
セールを繰り返したりして、
商品を安く売ることが当たり前になっていきました。
ともえ
高級ブランドも、「セカンドライン」と呼ばれる
価格帯の安いブランドを次々につくっていた頃でした。
弘世
自分が大切に思っていた商品が、
必要以上に安く扱われるようになったり、
もっと広めていくためだと言いながら
価格を抑えるために大切な品質を落としていくのを見て、
とても悲しくて嫌になり‥‥。
当時勤めていたお店を辞めて、
自分たちが目指しているものづくりを見直すためにも、
私たちはイタリアに4年ほど渡ることにしました。

ほぼ日
お2人でイタリアへ行かれたんですね。
弘世
イタリアでは、職人の高度な技術が
しっかりと伝承されていること、
そして、人々が昔からつづく古い文化を
大切にしていることを間近に感じて、
もともと僕らに宿っている職人魂みたいなものを
再確認できました。
そして思ったのは、当時、加速度的に
「早い、安い、便利」が進んでいた日本で、
逆にじっくり時間をかけて、
納得いくまで試行錯誤してつくりあげる商品が
あってもいいじゃないかと、
そして、そうしたものの魅力を
多くの人に知ってもらいたいと思いました。
それで日本に帰ったあと、
数は少なくても本当に質のよいものや、
自分たちが使ってみてよかったものだけを揃えた
「Belluria」のお店をスタートさせました。

ほぼ日
今回ほぼ日で販売する
レザーがま口ウォレットは、
「Belluria」さんが商品開発から携わっている
オリジナルの革製品ブランド「N25」のものです。
この「N25」の革製品は
「Belluria」が開店した当初からあったものなんでしょうか。
ともえ
いえ、開店したばかりのころは、
まだ革製品については「これだ」と
納得のいくものがみつかっていませんでした。
イタリアに住んでいたときに、
革のブランドと一緒に
商品開発を進めたりもしていたんですが、
なかなか思い通りにいかなくて‥‥
自分たちがほしいものができませんでした。
弘世
そんななか、「N25」の職人と出会ったのは
いまから9年前のことです。

ほぼ日
どのような出会いだったんでしょうか。
ともえ
お店にきたんだよね。
弘世
もともと、彼は「Belluria」で扱っていた
「市松」というブランドの
アクセサリーを気に入ってくれて、
お守りのように持っていてくれたんです。
それで、「Belluria」鎌倉店がオープンする日に
「自分がつくった革製品を置いてほしい」と、
挨拶にきたんです。
憧れている「市松」の商品と同じ空間に置いてほしい、
「Belluria」だけで扱ってほしいと。

▲26年前の開店当初から取り扱いのある
アクセサリーブランド「市松」。
一切型を使わず、オーダーのサイズに合わせて
手仕事で一つ一つ素材からつくり上げられています。 ▲26年前の開店当初から取り扱いのある
アクセサリーブランド「市松」。
一切型を使わず、オーダーのサイズに合わせて
手仕事で一つ一つ素材からつくり上げられています。

弘世
彼は、まじめで一本気な革の職人でした。
僕らもいつか職人さんと組んで、
自分たちが納得のいく革製品を
つくってみたいと思い続けていたから、
じゃあ、「市松」のアクセサリーと
肩を並べられるようなものを革でつくろうじゃないかと、
「N25」というブランドを立ち上げました。
革の質はもちろん、細部の部品も、
つくりかたも妥協せず、本当にほしいものを
精度を落とさずにつくろうと決めました。
ほぼ日
「レザーがま口ウォレット」は、
そうして職人さんと山越さんたちが一緒に
納得いくまでつくりあげたうちの1つなんですね。
ともえ
私たちは主にデザインを担当して、
職人の彼には革のスペシャリストとして
革の選定からおまかせして、
お互いを信頼しながらつくっています。

弘世
職人を「信じる」って大事です。
僕たちはお客さんと向き合わないといけないのに、
それ以前に職人と向き合えていなかったら、
いいものはつくれない。
そのために、自分の利益をとるだけじゃなくて、
お互いが盛り上がれるようにしようと思っています。
しかもそれは1回限りではなくて、
ちゃんと続けていけるようにしましょうというのが、
僕らの考え方です。
たとえ、あまり売れない商品ができたとしても、
そこで諦めてやめてしまうのではなく、
自分たちが気に入ってつくったものなら、
じゃあどうやってより良くしていこうかとか、
どうすればお客さんに伝わるんだろうかって、
職人と対話をしながら、
1つ1つ開発していくようにしています。
ほぼ日
お話をうかがっていると、
Belluriaさんと職人さんの間に
家族のような密な繋がりを感じます。
ともえ
それは本当にそう思います。
職人をはじめ、店頭にたっているメンバーも含めて、
信じている人と一緒に仕事をしているからこそ、
いいものが伝えられると思っているので。
「N25」の職人はすごいんですよ。
「昨日つくった1個よりも、今日つくった1個のほうが、
絶対いいものになっていてほしい」という思いを
常に持ち続けているんです。
そのテンションは真似しようと思っても、
なかなか続けられません。
ほぼ日
このくらいでキープしよう、じゃないんですね。
ともえ
そう、昨日よりもぜったい良いフォルムにしたい、
絶対にそうなってほしいと思いながら、
ひと針ひと針を進めている。
それを口だけでなく、
実際に何年も続けているところをみているので、
本当にかっこいいです。
そしてその職人のかっこよさを知っている私たちが、
販売まわりを全て任せてもらっている。
私たちが職人と、その職人がつくるものに
惚れ込んでいるからこそ、
その良さがちゃんと伝えられるんです。
愛情が注げる物あってこその、私たちなんです。

「N25 レザーがま口ウォレット」の販売は、
2021年9月29日AM11時からスタートします。
商品のラインナップは、ぜひこちらからご覧ください。

(つづきます)

2021-09-23-THU

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