こんにちは、ほぼ日のきょんです。
私は「生活のたのしみ展」の企画を担当しています。

「おNEWなものさがし」は、
「たのしみ展にもぜひ出展いただきたい!」と思う
素敵なブランドや、作家さんなどを紹介する連載です。

今回ご紹介するお店は、
豊富な種類の「持ち手」がそろう傘のお店、
「大森商店」さんです。
「大森商店」さんの傘は、
どれもファッションの一部として、
毎日のお洒落に取り入れたくなる傘ばかり。
そんな「大森商店」さんと、
ほぼ日が一緒に日傘をつくりました。
夏の日差しになんて負けずに、
お出かけしたくなる日傘が完成しましたよ!

「おNEWなものさがし」第3回目、はじまります。

>大森商店さんについて

大森商店 プロフィール画像

大森商店(おおもりしょうてん)

大森商店は、大正12年12月に
日本橋横山町の洋傘卸商より独立し、
繊維雑貨の露天商としてスタートしました。
主に洋傘の部品、ステッキの製造を手掛けていましたが、
現在は洋傘の持ち手の部分の企画や製造、
傘本体の生産事業もおこなっています。

大森商店が目指す傘は、
「自分だけのたった一つの《かさ》、
自分の手に合った持ちやすい《かさ》」。

素敵な傘も、特徴のない傘でも、
ハンドルを変えるだけで、
自分だけのたった一つの傘になります。
直接手に触れる部分である、
厳選された素材や形状のハンドルは、
自分に合った特別なもの。
そんな自分だけの傘を
より長く使ってもらえたらと思います。

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第2回 「大森商店」のデザイナー、 大森さんにお話をうかがいました。

「大森商店」さんがつくる傘は、
傘の「持ち手」の部分の種類が豊富で、
アクセサリーのようにファッションの一部として、
毎日のお洒落に取り入れたくなる傘ばかりです。

お店にならぶほとんどの傘のデザインは、
デザイナーの大森さんによるもの。
大正時代からつづく「大森商店」で、
日々あたらしいアイディアを生み出しつづけている、
デザイナーの大森さんにお話をうかがいました。

▲デザイナーの大森さん ▲デザイナーの大森さん

ほぼ日
「大森商店」さんの傘を初めて目にしたとき、
特に傘の持ち手の部分から、
魅力が溢れているのを感じました。
大森
ありがとうございます。
傘といえば生地がメインだという印象がありますが、
「大森商店」はもともと、
卸販売で傘の持ち手の部分を中心に扱っていたこともあり、
いままでは脇役でいることの多かった持ち手が、
主役になれるような傘をつくりたいと思っているんです。
ほぼ日
持ち手が竹の輪っかでできている傘は、
手にしていると竹のバングルをしているようですし、
涼やかなアクリルの持ち手の傘を持ったときは、
キラキラと光を反射して、
ジュエリーを身につけたときの
高揚感のようなものがありました。
「大森商店」さんの傘は、
「雨や日差しを防ぐ道具」としてというよりも、
アクセサリーのように普段のお洋服にプラスして
ファッションの一部として楽しみたい傘だなと思いました。

大森
そう言っていただけると、嬉しいです。
そもそも傘って、持つのが億劫だったりしませんか?
私、出かけるときには小さいバッグを持ちたいこともあって、
「大森商店」に入る前までは、
荷物が増えてしまうから、
日傘なんて持ったことがありませんでした。
ほぼ日
ええ、そうなんですか。
大森
でも、この「大森商店」で仕事をするようになって、
「億劫と思わない傘ってなんだろう」と考えたときに、
それはやっぱり、自分が心から「持ちたい!」と
思える傘じゃないといけないな、と思いました。
ほぼ日
そもそも持つのが億劫なものだからこそ、
「持ちたい!」と思えるものでないと。
大森
とにかく、「持っておきたいな」と
思ってもらえる傘をつくりたいんです。
雨の日も、暑くて日差しが強いときも、
持てば「たのしい」と思えるような傘を。
紫外線を防止することに特化した傘はたくさんありますが、
紫外線を完全には防止できなくても、
持っていると季節を楽しめて、
ワクワクできるような傘をつくりたいです。
傘を入れる袋は、
持ち手の部分や、全体の長さを調整できるようにして、
バッグのように持ち運べるようにするとか、
傘の持ち手の部分を外すと花瓶になるとか‥‥。
ほぼ日
傘の持ち手が花瓶に?!
大森
はい。
そんな持ち手の商品もあります。
傘から持ち手を外して机の上に置いたとき、
その佇まいがかわいかったので、
傘の部品だけにしておくのは
もったいないなと思ったんです。
傘として雨や日差しを防ぐ以外に、
もっとプラスして楽しめるものをと、
いろいろ考えています。

ほぼ日
素敵ですね。
そういったアイディアやデザインは、
全て大森さんが考えられているのでしょうか。
大森
「大森商店」に昔から受け継がれている
たくさんの傘の持ち手のサンプルを参考に、
これがもっとこうだったらいいな、と考えながら、
改良を加えています。
たとえば、定番の丸い竹の持ち手は、
流行りの小さなバッグにも入るように、
一回り小さくしてみたり。
ほぼ日
今の時代に合わせて、
バージョンアップされているんですね。
大森
昔あったものでも、
今ここにあったらかわいく見えるんじゃないかとか、
時代を超えて、改めて素敵にみえるものってありますよね。
一度、生産終了してしまった持ち手も、
今の時代に合わせて作ることができるように、
職人さんと相談しながらつくっています。

ほぼ日
「大森商店」さんがオリジナルの傘の本体を
つくりはじめたのは、
大森さんが入社されてからなんですよね。
大森
はい。
傘の本体も含めて、
全てオリジナルでつくり始めるようになったのは、
私が入社してからです。
わたしの曽祖父がもともと傘に関わる仕事をしていて、
そこから独立してはじまったのが、「大森商店」です。
傘の持ち手の部分を主に扱っていて、
父の代からは、自社でつくった持ち手も
扱い始めるようになりました。
私が「大森商店」に入ろうと思ったころは、
すでに傘の持ち手をつくる職人さんが減っていたり、
海外生産が主流になっていたこともあり、
父には「たぶんあと5年続けられるくらいだと思うけど、
どうするか?」と聞かれました。
でも、元気につくりつづけている現役の職人さんもいるし、
まずできることをやってみようと思って、
「大森商店」に入りました。
ほぼ日
まずできること。
大森
入社して驚いたのは、
とにかくたくさんの傘の持ち手があることでした。
そのひとつひとつについて、
素材や作り方、どんな職人が作ったものなのか、
父に尋ねて教えてもらいました。
そのどれもが、思入れのある魅力的なものだったんです。
だけど、こんなに素敵な持ち手がいくらあっても、
それを取り付ける肝心な傘の本体が
「大森商店」にはまったくありませんでした。
それならば、自分たちで傘の本体も作って、
お客さんが好きな持ち手を選んで
取り付けられる傘を売り出してみよう、と思いました。
ほぼ日
大森さんが「大森商店」に入られたのはいつごろですか?
大森
2016年です。なので、約5年前ですね。
ほぼ日
では、お父さまが仰っていた
「続けられてあと5年くらいかもしれない」という心配は、
もう乗り越えられたのではないでしょうか。
大森
そうですね。まだどうなるかはわからないですが、
すこしずつ「大森商店」の傘を好きになってくださるかたが
増えているんじゃないかな、と感じています。

ほぼ日が大森商店さんと一緒につくった

日傘をご紹介します。

 

ほぼ日
今回、ほぼ日と一緒に傘を作っていただけることになって、
大森さんから、
「実は傘用にこういう布を考えたんです」と、
デザインした布をご提案いただきました。
大森
いままでは無地の傘をつくることが多かったんですが、
お客さまから「柄物の傘はないんですか?」と
尋ねていただくことも増えて、新しく考えてみました。
最初は、柄を布にプリントしようと思っていましたが、
刺繍で柄を表現すれば、折りたたみ傘にしたときに
裏糸の色がきれいに活かせるかもと思い、
刺繍することにしました。

ほぼ日
この柄は、チェック柄にもみえるし、
花柄にも見えるような‥‥
さまざまな見え方ができて楽しいですね。
大森
色々な見え方ができる柄が楽しいかなと思い、
図案を手描きしながら考えました。
糸の種類や色を変えるといろんな表情が出せるので、
これから定番の柄となってくれそうです。
ほぼ日
そして、この柄をつかって、
今回はほぼ日のためにオリジナルの配色で
日傘をつくっていただきました。

▲刺繍日傘(ORANGE/YELLOW)
かわいいアヒルの形の持ち手に合わせたのは、
夏の日差しにぴったりの、明るい黄色。
裏糸には淡い緑を使用し、
表裏で異なる表情をお楽しみいただけます。 ▲刺繍日傘(ORANGE/YELLOW)
かわいいアヒルの形の持ち手に合わせたのは、
夏の日差しにぴったりの、明るい黄色。
裏糸には淡い緑を使用し、
表裏で異なる表情をお楽しみいただけます。

▲刺繍日傘(BLUE/NAVY)
紺色の生地に、2色の異なる青を組み合わせました。
可愛らしい刺繍の柄の本体に、
シックな竹の持ち手を合わせ、
大人の可愛さがただよう傘に仕上がりました。 ▲刺繍日傘(BLUE/NAVY)
紺色の生地に、2色の異なる青を組み合わせました。
可愛らしい刺繍の柄の本体に、
シックな竹の持ち手を合わせ、
大人の可愛さがただよう傘に仕上がりました。

▲刺繍日傘(BLACK/BLACK)
定番の黒の日傘には、
艶のある糸と、艶のない糸を組み合わることで、
外に出たときの光の反射が美しい傘に仕上がりました。
持ち手はマットな質感のアクリルハンドで、
より上品な印象に。 ▲刺繍日傘(BLACK/BLACK)
定番の黒の日傘には、
艶のある糸と、艶のない糸を組み合わることで、
外に出たときの光の反射が美しい傘に仕上がりました。
持ち手はマットな質感のアクリルハンドで、
より上品な印象に。

大森
持ち手の部分や布地の色に合わせて、
傘の先の部分や、傘をまとめるボタンも
実用性を考えながらじっくり選びましたので、
ぜひ注目して見ていただけると嬉しいです。

▲「ORANGE/YELLOW」の傘は、
持ち手やボタン、先端の部分も
全て木のパーツを使用しました。 ▲「ORANGE/YELLOW」の傘は、
持ち手やボタン、先端の部分も
全て木のパーツを使用しました。

▲「BLUE/NAVY」の傘には、
持ち手やボタン、先端の部分も
全て竹のパーツを使用しました。
長いままの状態でも畳んで持ち歩けるよう、
ネームバンドを取り付けています。 ▲「BLUE/NAVY」の傘には、
持ち手やボタン、先端の部分も
全て竹のパーツを使用しました。
長いままの状態でも畳んで持ち歩けるよう、
ネームバンドを取り付けています。

▲「BLACK/BLACK」の傘には、
ボタンブランド「sumie」のボタンを使用し、
黒い素材で統一しました。
長いままの状態でも畳んで持ち歩けるよう、
ネームバンドを取り付けしています。 ▲「BLACK/BLACK」の傘には、
ボタンブランド「sumie」のボタンを使用し、
黒い素材で統一しました。
長いままの状態でも畳んで持ち歩けるよう、
ネームバンドを取り付けしています。

大森
さらに、折りたたみ傘ならではの楽しみもありますよ。
この3種類の傘は、
持ち手の部分がねじ式になっていて、
回して外せるようになっているので、
気分を変えたくなったときに持ち手の部分を買い足して、
付け替えて楽しんでいただくこともできます。
バッグに入れて持ち運びたい日は
コンパクトな持ち手をつけたり、
今日は一日持って歩こうかなという日は、
腕に通せるタイプや、大きめのものを選んでいただいたり。
アクリルのバンドは、
腕に通すとブレスレットのようになりますよ。

※写真の持ち手は長傘用のため、
今回ほぼ日で販売する日傘にはお取り付けできません。 ※写真の持ち手は長傘用のため、
今回ほぼ日で販売する日傘にはお取り付けできません。

ほぼ日
かわいいですね!
アクセサリーのような感覚で、
その日の洋服やバッグとの組み合わせを
楽しむことができますね。
大森
はい。
「今日は傘を持たないとな‥‥」ではなく、
「今日はこの傘を持って外に出たい!」と
思ってもらえたら嬉しいです。
ほぼ日
今後、大森さんがやってみたいことは
どんなことでしょうか?
大森
今後は傘だけでなく、
洋服など、身のまわりのものづくりに
関われたらと思っています。
そこから新しい傘のパーツや、生地ができるかもしれない。
色んな人と出会って、
「かわいい」や「素敵」という世界観を
さらに広げていきたいですね。
ほぼ日
これからも、大森さんがつくる
「大森商店」さんの新しい傘をたのしみにしています!
本日はありがとうございました。

(大森商店の大森さんと浅草橋で
「おNEWなものさがし」をする「おまけ編」もあります。)

2021-06-23-WED

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