ビーズハウス店主の大倉弘至（ひろゆき）さん、
大倉トーイコレクターの小鳥遊（たかなし）さんと
清水さんのご厚意により、取材の前に、
店内でお買いものをさせていただきました。

▲夢中です。

お買いものタイムを終えて。

──

さっそくお買いものをさせてくださって、
ありがとうございました。
はぁ、楽しかった‥‥。
まだまだ、何時間でも見ていたいです。

清水

めちゃくちゃ楽しいですよね！
私も初めてビーズハウスに来た時は
すごく興奮しました。
取材が終わったら
またゆっくり見てくださいね。

──

そうですね、
いったんインタビューに移らせていただきます。
よろしくお願いします！　

一同

よろしくお願いします。

──

じつはさきほどから、レジの奥にある、
ドリルのような機械が気になっています。
もしかして、このお店のなかで、大倉さんが
作っているおもちゃもあるのでしょうか。

大倉

何種類かのキーホルダーは、
この機械で穴をあけています。
表面の箔押しをここでやることもあります。

大倉

ビーズの袋詰めなども全部、自分でやっています。

清水

商品管理はすべて、
こちらの大倉弘至さんがなさっているんですよ。

──

ひえぇ、お店いっぱいのおもちゃやビーズを。
このお店にあるアイテムは、
どんな経緯で集まったのでしょうか。

清水

ビーズハウスにある商品は、
おもに２種類あります。
まずは、大倉トーイのオリジナル商品。
それから、買い付けた他社の商品です。
このお店はビーズを取り扱うお店でもあり、
全国流通はしていない、
ここだけで手に入るビーズも多く揃っています。

──

買い付け商品もオリジナルも、両方
あつかっていらっしゃるのですね。
先日、お打ち合わせの際に、
小鳥遊さんと清水さんから
「店主の大倉さんご自身は、
そこまでビーズに対して熱い思いはないようだ」
とうかがったのですが‥‥。

大倉

はい、ないです。

──

やはり、ないんですか。
大倉さんがビーズのお店を始めた
きっかけといいますか、最初のモチベーションは
どんなことだったのですか？　

大倉

もともと、僕は大倉トーイの会社の社員で、
窓際族だったんです。

──

窓際族。

清水

弘至さんは、社内では
おもちゃの営業や製造自体には
あまり関与していなかったそうなんです。

大倉

そこで、なにかほかにできることがあるかなと思って、
ゼロからこの店「ビーズハウス」を始めました。

──

そんな経緯があったのですね。
お店を始めた最初のころは、
大変だったのではないでしょうか。

大倉

「なにをどうやって売るか」から
考えなければいけなかったので、大変でした。
でも、ビーズハウスを始めてから、
近所の人たちが集まってくれるように
なったんです。
作りたいものを持ってきて、
「これをビーズで作りたいんだけど、
やり方がわからないから、なんとかして」って。

清水

大倉さんを中心に、
ビーズ作品の作り方を知りたい
子どもたちやお年寄りの
コミュニティができたんです。

──

えーっ、すてきですね。
大倉さんは、もとからビーズづくりの知識を
お持ちだったのでしょうか。

大倉

いえ、店に集まった子どもたちや、
手芸好きの方たちから
「これ、わからへんねん、なんとかしてくれ」
と言われてから、自分でつくり方を考えたり、
ビーズの本を買ったりしました。
独学で、なんとかできるようになったんです。

清水

お店に飾ってあるビーズ作品も、
みんな大倉さんが作ったんですよ。

──

えっ、これら全部、大倉さんが！　

清水

このたくさんの作品を見るに、
大倉さん、ビーズにはちょっとだけ
思い入れがあるんじゃないかなと、
私は推察してます。
かわいい、とか、よくできたぞ、
みたいな気持ちが‥‥。

大倉

うーん、まったくないなぁ。

清水

まったくないですか。

一同

（笑）

清水

とはいえ、ビーズ作品作りの知識は、
かなり積み重ねられていると思うんです。
大倉さん、いつごろから
ビーズを始めたんでしたっけ。

大倉

2000年くらいです。

──

ということは、もう20年以上、
ビーズ制作をなさっているのですね。
このお店で、ご近所のみなさんに
つくり方を教えたりもしながら。

清水

小鳥遊さんは、ご近所の方が集まっている様子を
実際に見たことはありますか？　

小鳥遊

あります。
平日の夕方に来たら、よく、
たくさんの子どもたちが座って
「おっちゃん、このビーズ、どうやるの？」と
大倉さんに訊いていました。

──

たのしそうなようすが目に浮かびます。
お子さんたちもよろこんでいたでしょうね。

清水

大倉さん、ビーズの先生として、
地域のみんなに慕われていたんですよ。

大倉

‥‥まあ、そうだったら嬉しいね。