編みものについてミクニッツチームで
あれこれ話している中で、
ニットデザイナーの三國万里子さんから
「手紡ぎは楽しい」
というお話を聞いていました。
ミクニッツでは編みものにまつわる様々なことに
触れてきましたが、
唯一やっていなかったのがイチから糸を紡ぐこと。
そこで、乗組員もりっこの自由研究がはじまりました。
手紡ぎを教えてくださったのは、
羊毛作家の緒方伶香さんです。

>緒方伶香さんプロフィール

緒方伶香(おがた・れいこ)

美術大学卒業後、アートディレクターを経て、テキスタイルデザイナーへ。2000年より、東京・吉祥寺にある「アナンダ」(2021年閉店)のスタッフとして羊毛に親しむ。現在はWalnut東京店、ヴォーグ学園横浜校などでワークショップを開催し、羊毛のある暮らしや作品を雑誌やテレビで紹介している。著書に『きほんの糸紡ぎ』『水フェルトのバッグと小物』『羊毛フェルトの教科書』『ひつじのぼうし』(誠文堂新光社)、『手のひらの動物・羊毛でつくる絶滅危惧種』『羊毛のしごと+』(主婦の友社)など。
クロバーと開発したアイテムも発売中。小物への羊毛刺繍や靴下の補修をするのに便利なミニサイズの「スポンジマット」など、全国の手芸店で購入いただけます。
Instagram
スピンドル(紡錘車)で、「紡錘車と旅を。世界のあちこちで糸紡ぎをする動画」を投稿されています。

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01 大人の自由研究。

ミクニッツチームで取材をしていた、ある日のこと。
その日はミクニッツのボタンを
作ってくださっている、
ボタン屋「CO-」の小坂直子さんのところに
おじゃましていました。

ボタンに限らず、デザインやアンティークなど
さまざまなことに造詣が深い小坂さん。
「休日はどんな風に過ごされているんですか?」
と聞いたところ、
「毎年テーマを決めて、
夏に自由研究みたいなことをやるのが好きなんです」
とおっしゃっていました。

大人になってからの、自由研究。
とても魅力的な言葉です。
自分でテーマを決めて
時間をかけて深堀りする楽しさを、
意気揚々と語る小坂さんの姿に
私たちはすっかり感化されていました。

「私たちも自由研究をしたい」
チームのみんなで
あれこれ妄想をふくらませました。
ですが、実際のところは
忙しい毎日を過ごしていたら、
あっという間に季節が過ぎ去ってしまいそうです。

また、ある日のこと。
ミクニッツチームで
これからやりたいことについて
あれこれ話しているなかで、
ふと「大人の自由研究」の話題が出ました。
あこがれを募らせていた私たちは、
せっかくなら編みものにまつわることで、
なにか一つ研究をしてみるのも楽しそうではないか、
と思いつきました。

そんなときに、
ニットデザイナーの三國万里子さんから
「羊毛から糸紡ぎをするのは楽しい」
というお話を聞きました。
三國さんは以前、羊毛から糸を紡ぎ、
その魅力を体感していたのです。

私たちはシェットランド諸島に行ったり
毛糸の工場をおとずれたり、
毛糸まわりのことには触れてきましたが、
一から糸を紡いだことはありませんでした。

「もりっこが糸紡ぎをするのはどうだろう?」
ものづくりと動物が好きで、
独自のセンスが光る乗組員もりっこ(森の愛称)
による糸紡ぎの自由研究というアイデアが
三國さんからありました。
もりっこの手からどんな毛糸が生まれるのか、
そのアイデアに私たちも大賛成でした。

そうこうして、もりっこの夏休みに、
糸紡ぎの自由研究をすることになりました。
どんなことから、はじめましょう?
まずは、三國さんにあらためて、
もりっこへの「指令」をうかがいました。

もりっこへ

楽しんできてくださいね!(これが一番かも)

お願いしたいこととしては‥‥
・ひつじの毛を刈ってください!
(もし余裕があれば、その前後に羊をスケッチしてください)
・匂いは?
・部位によっての触感、見た目の違いは?
といったことも知りたいです。

そして、糸紡ぎまでの手順を、
一通り緒方さんに教わってください。
洗い、カーディング、ロールにする、
紡毛糸で(梳毛糸は今回は省略で)
単糸を作り、双糸も作る‥‥まで。
染めにもぜひトライしてください。

最終的にはいくつかの戦利品をお土産に、
ほぼ日に凱旋してほしい。
(できればもりっこカラーの「ネップヤーン」が見たい!)

この糸でもりっこは何を作るんだろう?
というのが楽しみです。
(ここは急がずに、後日談として楽しみにしようかな。)
動画も撮ってもらえるとうれしいです!

三國より

三國さんからの指令をしかと受け止めて、
この連載では羊の毛を刈り、
糸を紡ぎ、染めて、できたら作品を編みたいと思います。
自由研究らしく、もりっこによる手描きの絵日記つきで、
夏休みの様子をお届けします。

まずは、羊毛作家の緒方伶香さんに
企画のことをご相談しました。
緒方さんとほぼ日は2010年にご一緒しており、
糸紡ぎのお話もたっぷり聞いています。
「もちろんです」と
快諾くださった緒方さん。
さっそく糸紡ぎのことや最近の緒方さんについて
お話を聞こうと事務所にうかがいました。

(次回は緒方さんに糸紡ぎのことを教わりました。)

2026-09-28-MON

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  • 今回の自由研究の参考書
    緒方伶香さんの書籍
    『きほんの糸紡ぎ』、『羊毛のしごと+』

    糸を紡ぐ際に参考にさせてもらったのが
    緒方伶香さんの著書『きほんの糸紡ぎ』、
    糸を染める際に参考にしたのが『羊毛のしごと+』です。
    『きほんの糸紡ぎ』はタイトルの通り、
    スピンドルを使った糸紡ぎのやり方が丁寧に書かれている本。
    フリース(羊毛)をつくるところから糸の紡ぎ方まで
    ワンステップずつ写真が載っているので、
    初心者の方でもとてもわかりやすいです。
    中にはカラフルなビニール袋を撚る方法や、
    毛糸チップをブレンドするネップヤーンの方法も。
    『羊毛のしごと+』は、糸を紡ぎ、染めるなど、
    羊毛にまつわる手仕事全般に触れた本です。
    コンテンツを読んで「私も手紡ぎをやってみたい!」
    と思われた方に、参考書としておすすめです。

    また、緒方さん監修のオリジナルスピンドルは
    「amirisu」さんで購入いただけます。
    数に限りがありますので、
    売り切れの場合はご理解くださいませ。

    緒方さんに直接糸紡ぎを教わりたい方は、
    「ヴォーグ学園 横浜校」で手紡ぎのクラスがあります。
    今期は染色した糸を紡ぐそうです。

    『きほんの糸紡ぎ』
    スピンドルをくるくる回して羊毛を紡ぐ

    (誠文堂新光社)
    『羊毛のしごと+』(主婦の友社)