ニットデザイナー三國万里子さんが手がける
ニットブランド「marikomikuni」のサマーニットは、
デザインの甘美さに惚れ惚れとする
ラインナップがそろいました。
新作のアイテムについて三國さんからのコメントをお届け。
また、おしゃれも仕事も楽しむ方々に
着こなしを見せていただくスナップもお届けします。
三國万里子（みくに まりこ）
ニットデザイナー。1971年、新潟生まれ。
3歳の時、祖母から教わったのが編みものとの出会い。早稲田大学第一文学部仏文専修に通う頃には、洋書を紐解き、ニットに関する技術とデザインの研究を深め、創作に没頭。
大学卒業後、古着屋につとめヴィンテージアイテムにも魅了される。いくつかの職業を経た後に、ニットデザイナーを本職とし、2009年、『編みものこもの』(文化出版局)を出版。以降、書籍や雑誌等で作品発表を続ける。
2012年より「気仙沼ニッティング」のデザイナーを務める。
2013年よりほぼ日で編みものキットや関連するアイテムを展開す「Miknits」をスタート。最新刊に『ミクニッツ 大物編 ザ・ベスト・オブ Miknits 2012-2018』『ミクニッツ 小物編 ザ・ベスト・オブ Miknits 2012-2018』、『またたびニット』(文化出版局)など。
ニットを軸に活躍しつつ、かねてより心を寄せていたヴィンテージアイテムへの見識を活かして、2017年以降はヨーロッパでの買い付けや、展示販売もおこなう。2020から2021年にかけて福岡の美術館「三菱地所アルティアム」と、渋谷PARCO「ほぼ日曜日」にて自身初の大規模個展を開催。初のエッセイ本『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』(新潮社)を2022年に出版。2024年12月には『三國寮の人形たち』(トゥーヴァージンズ)を出版。
デザインの甘美さに惚れ惚れとする、
模様やかたちが綺麗なサマーニットが
3着完成しました。
三國さんからそれぞれのアイテムについて、
コメントをいただきました。
- シェットランドレースから
インスピレーションを受けた透かし模様のカーディガン。
「honeycomb」
- 繊細で美しい、六角形の透かし模様を
6種類組み合わせたカーディガン。
伝統的な「シェットランドレース」から
インスピレーションを受けた6種類の模様は
三國さんのオリジナルデザインで、
じーっと眺めたくなる美しさです。
- シェットランド諸島でショールを編むのに使われる、
六角形ベースの伝統模様があります。
Shetland Twins(シェットランドの双子)、
あるいはthe Brother and the Sister(兄弟姉妹)
などという呼び名がついているのですが、
六角の編み地の中に入れる
透かし模様のバリエーションが豊かで、
模様が並んだ時の視覚効果が抜群なんです。
ぱっと見て、おや? となって、もっと見たくなる。
「基本一緒だけど、ちょっとずつ違う」ところに
すっと目が引き寄せられるんですね。
- 本当に素敵で魅力のある模様なんですが、
手で編むとなるとそれなりに覚悟が必要です。
柄を覚えるのが少々(いや、なかなか)大変で、
いつか機械編みのプロジェクトで使いたいと、
ずっと思っていた。
だから今回ようやく実現できて、とてもうれしい。
- レース模様の部分は透けるので、
下に何を組み合わせるかが、コーディネイトの醍醐味です。
今回も岡尾美代子さんのスタイリングが素晴らしく、
こんなふうにも着られるんだ....!
という可能性を魔法的に示唆してくれているので、
スタイリングもぜひゆっくり、
ご覧になってくださいませ。
（三國万里子）
- それぞれの個性が尊重されながら、
大事に収まっている“クッキーBOX”のよう。
「もようのボレロ(biscuits)」
- 軽やかな装いに、
コーディネートの幅を広げてくれる
ボレロが2型できました。
「biscuits」はその名の通り、
クッキーをイメージしたもの。
焼き菓子のような
ニュアンスのあるかたちがならび、
夏定番のラフなコーディネートに羽織るだけで
グッとおしゃれになります。
- 妹(なかしましほさん)がお菓子屋を営んでおりまして、
その看板商品に、いろんな形のクッキーを詰め合わせた
「クッキーBOX」というのがあります。
四角い箱の中にきっちり並べられた
丸や三角、細長いクッキーが、
それぞれの個性を尊重されながら、
とても大事そうに収まっていて、
その様子がとてもいいんです。
目で辿る詩のようにも、
音楽のようにも感じられる。
パウル・クレーの絵を連想したりもする。
なんというか、ポエジーがあるんですよ。
- そのクッキーBOXをイメージしながら
作ったのがこの柄です。
グラフ用紙に鉛筆で四角や三角を描き、
試し編みをしたら、編み地の上でも
意外とそのまま、焼き菓子らしくなってくれた。
- 「クッキー」柄ではあるのですが、
100%具象というのでもなく、
(言われなければ普通に幾何学柄にも見えると思う)
もちろん伝統模様でも、どこの国風というのでもない、
不思議で楽しい模様になりました。
（三國万里子）
- 愛された柄がふたたび。
プレーンな装いを生き生きとさせる、
「もようのボレロ(fruitage)」
- もようのボレロ、
もうひとつは「fruitage」です。
marikomikuni2024のa/wで好評だった柄が
ボレロに生まれ変わりました。
エストニアを旅した際に
見て回った美術館で記憶した
フォークロア的な柄と、
ルネ・ラリックからのインスピレーション。
「しらたま模様」と植物のモチーフが印象的です。
- 季節というのはびっくりするような
速さで移っていきますが、 - 好きなものや興味の対象というのは
長く継続して自分の中にあるもので、
ボレロをデザインしたときも引き続き、
脳内にfruitageの柄が居座っていました。
(そもそも植物のモティーフというのが、
わたしのデザインでは、形を変えながら
繰り返されるテーマではあります)
- 秋冬物のカーディガンとスカートで
部分的に用いたこの柄も、
ボレロという小さい面積に用いるなら
総柄が潔いだろう、と全面に配しました。
「しらたま模様」と「葉っぱと実の模様」の配分で、
着た時のバランスが結構違って見えるので、
柄行きを足し引きしながら、
ここかな、というところで模様を分けました。
- ボレロって、どこか物語を連想させる
アイテムだと思いませんか。
絵本の中の動物、たとえばお猿さんや
ネズミが着ていたりもするでしょう。
そういったある種、少々の「ちゃめっけ」や
「演じる気分」を日常にプラスできる、
「物語が始まる服」とでもいおうか。
とはいえ、着るにあたって
気負うことは特になく、ちょっと肌寒い時、
プレーンな装いを生き生きとさせたい時、
さっと羽織っていただける、
かわいい小さな前開きベストです。
（三國万里子）
（つづきます。）
Styling : Miyoko Okao Photo : Nao Shimizu
Hair & Make : Hiromi Chinone（Cirque） Model : Vero E.
2025-04-11-FRI
-
デザイナーの三國万里子さんの実妹、
なかしましほさんの新しいお店、
鎌倉の「あまいみせ ミニ」で
marikomikuni2025ssの新作を
ご試着、ご購入いただけるイベントを開催します。
春の鎌倉にぜひ遊びにいらしてくださいね。＊honeycombともようのボレロのみご用意しております。
日時
2025年4月19日、20日
10:00〜17:00
場所
「あまいみせ ミニ」おやつと雑貨の店
鎌倉市御成町14-6ウランブル鎌倉B
鎌倉駅西口から徒歩約3分
https://www.instagram.com/mini_kamakura/
＊お取り置きはしておりません。
＊撮影はお客様やスタッフが映らないようお願いします。
＊店内は3名様までとさせていただきます。
［販売時期・販売方法］
2025年 4月17日（木）午前11時より販売開始
＊数量限定販売です。
なくなり次第、販売を終了します。