
この漫画のもとになった投稿
買い物の途中でダンナが
そういえば、と切り出してきました。
身構える女房。
こういうときの「そういえば」は
ちょいとメンドクサイ案件であることが多いのです。
ダンナは素知らぬ顔で
この春は祭りに参加しようと思うんだ、と続けます。
祭り? どこの? どんな?
あれこれ考える女房にダンナは
もう準備はしてあるんだ、と
一枚の紙を差し出しました。
ええ。あれです。
毎年恒例の、全国的に行われる春の祭り。
台紙にシールを貼って応募する、あれです。
数字もシールもパンも大好きなダンナが
今まで参加してこなかったのが、
考えてみれば不思議なこと。
女房は数字もシールもそれほど好きではないけれど、
でもまあ、せっかくなので、
一緒に楽しもうと思います。
(☆ぬばたまの☆/いつかの「今日のダンナ」より)
オットが亡くなって少し経って、
長いつきあいの友人が
「お香典というのも何なので」と、
写真立てを送ってくれた。
お礼の電話をかけて話していたら、
「そうそう、それがね」と、
お母さんの話を始めた。
友人の実家にはときどき寄らせてもらって
ごはんなどいただき、
ご家族みなさんによくしていただいていた。
そんな中、30年以上も前、
急にお父さんが亡くなった。
「こないだ
お母さんの財布の中を見る機会があって、
びっくりしたんだけど、
お父さんの写真が、
ちいさい証明書用みたいなちっちゃい写真が、
ボロボロになって、財布の中に入ってたのよ」
と。
しばらくお会いしてないけど、
明るく気遣いもユーモアも満点のお母さんが、
数十年ものあいだ
お父さんの小さい写真を身近に持って、
時に話しかけたりしてたのかなとか
勝手に想像して、
2人でちょっと声を震わせながら、
軽く笑いながら電話を切った。
(写真立てには桜をバックに笑顔のオット/
いつかの「今日のじいちゃん・ばあちゃん」より)
2026-05-04-MON
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エピソード、募集中です。
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「今日の小ネタ劇場」とは
2005年から連載を開始した読者投稿コンテンツです。2022年時点ですでに17年以上、「今日のコドモ」「今日のダンナ」「今日のじーばー」「今日の気になるあいつ」….などの20以上のカテゴリから、日替わりで毎日欠かさず3ネタを更新してきました。アーカイブを残していないため、その日のネタは、その日にしか読めません。2016年には、過去の傑作から選りすぐって書籍化もされました。ほぼ日に来たら、まずはここからという読者も多い、大人気のコーナーです。今日の「今日のコドモ」は、こちらからどうぞ。
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今日マチ子
漫画家。1P漫画ブログ「今日マチ子のセンネン画報」の書籍化が話題となる。文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に4度選出。戦争を描いた『cocoon』は「マームとジプシー」によって舞台化。2014年に手塚治虫文化賞新生賞、2015年に日本漫画家協会賞大賞カーツーン部門を受賞。『みつあみの神様』は短編アニメ化され海外で23部門賞受賞。コロナ禍の日常を絵日記のように描いた近著『Distance わたしの#stayhome日記』が、2022年1月『報道ステーション』にて特集された。
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漫画:今日マチ子
編集:奥野武範(ほぼ日)
デザイン:杉本奈穂(ほぼ日)
感謝:「今日の小ネタ劇場」を愛する
すべてのみなさま
