にゃーご、にゃーにゃーにゃー!
2025年2月22日はいつもよりも
ネコ成分多めなネコの日がやってきました。
ただいまTOBICHI東京で開催中の
「コロコロ毛玉日記展」のために、
たっくさんの絵を描いてくださった
漫画家の中川いさみさんにインタビュー。
3匹のネコたちに見守られながら
ご自宅でお話をうかがいました。
ネコたちと、中川おとうさんの
のんびりした関係性が素敵ですよ。
聞き手は、ほぼ日のひらのです。

コロコロ毛玉日記
朝日新聞beで連載中!

姉御肌の美ネコ

ケダマ

いちばん元気な

クーちゃん

食いしん坊!

テツオ

>中川いさみさんプロフィール

中川いさみ(なかがわいさみ)

漫画家/エッセイスト
1962年7月8日生まれ。
学生時代から漫画を描き始め、
1989年、『ビッグコミックスピリッツ』にて
4コマ漫画「クマのプー太郎」を連載開始し、
ナンセンス・不条理ギャグ漫画の騎手として話題となり、
シリーズ累計100万部のヒットとなる。
2003年朝日新聞広告賞受賞。
朝日新聞の土曜別刷り版「be」にて
「コロコロ毛玉日記」を連載中。
公式サイト「グッモーニン!

前へ目次ページへ次へ

2

顔がおもしろいのがいい。

──
中川さんから見たケダマはどんなコですか。
中川
ケダマは最初にうちに来て、
ずっとひとりだったのもあって、
「ここは私の家」みたいな意識がありますね。
だからちょっと他のネコに対して、
ちょっと厳しいっていうのはあります。

──
「ケダマ姉さん」と呼ばれてますもんね。
中川
そうですね、姉御肌。
おもちゃとか新しいものを買ってくると、
まずケダマがにおいをつけてますね。
──
このお部屋で漫画を描いていると、
ネコたちは「かまって~」と来ませんか?
中川
あ、それはクーちゃんがすごいんですよ。
いっつも机のそばに来て、
腕をカリカリカリカリーっとやってきます。
「どっかさわれ!」みたいな感じでね。

──
さわってあげるんですか。
中川
だって、ずーっといるんだから。
さわってやんないと、延々とカリカリやってきます。
それからテツはねえ、夜になるとうるさいんですよ。
「ニャーニャー」って鳴きだして。
──
いまはこんなに大人しいんですけどねえ。
中川
それが何を要求してるのかよくわかんなくて。
ベッドで寝てると戸をカーッと開けて
中に入って来て、ずっと上に乗ってるんですよ。
──
聞いている限りでは、
かわいい行動なんですけどね。
中川
身体の上で、フミフミフミって。
それを真夜中に延々とやってくるんですよ。
それを一晩中やってくるんで、
最近は部屋に入れないようにしてます。
──
なんか、変な夢を見ちゃいそうですね。
ケダマ姉さんの次に来たコが、クーちゃん。
クーちゃんがいちばん元気な女の子なんですよね。
中川
クーちゃんは、ずーっと元気。
ぼくの周りにすごく来るんですけど、
抱っこすると逃げちゃうんです。
なんかね、さわるのはいいんだけど、
抱かれたりするのが嫌いなんですね。
──
えーっ、近づいてはくるのに。
中川
そういう性質のコがいるみたいです。
クーちゃんは服を着せると動けなくなっちゃいます。
パタッ! と倒れちゃうんですよ。

──
包まれたりするのが嫌なんですかね。
中川
背中ポンポンやったりするのは
すごーく好きなんだけど、
つかまえると、すぐに逃げちゃう。
──
クーちゃんはやんちゃだけど、
シャイなところがあるんですね。
それからもう1匹、
テツオだけが男の子なんですよね。
中川
テツはね、ずっとエサを食べてるんですよ。
お皿が3つあるんだけど、
ひとりでバクバク食べてますね。
最初の頃よりも、顔が横に大きくなっちゃった。
だいぶ太ってきちゃいましたね。
──
のびのびと暮らせているんですね。
ネコたちそれぞれの
チャームポイントはどこですか。
中川
チャームポイント?
まあ、顔がおもしろいですね。
ケダマはわりと美人というか、整ってます。
他のふたりは鼻がつぶれてたりして
おもしろい顔してますよね。

──
たしかに、ちょっと平らで愛嬌がありますよね。
中川
そうなんですよ。
平らな顔してるコって、やっぱ鼻が悪いんですよ。
テツなんか、最初にうち来たときから
ずっと鼻をたらしてるんです。
──
鼻の通りが悪いんですね。
クーちゃんも最初は、
預かる程度のつもりだったんですか。
中川
娘の友だちから預かるはずで、
「絶対に世話するから」って。
──
あはは、ケダマのときと同じ。
‥‥あっ、テツオがやっと近づいてきてくれた!
中川
みなさんに慣れましたね。
──
じぶんが呼ばれたのがわかって、
ちゃんと鼻を見せてくれてる感じする。
テツオ
(ニャー)
中川
鳴いた。
テツオ
(ニャーン)

──
あ、うれしい。近づいてきてくれた。
ネコのいる取材っていいですね。
ええっと、なんでしたっけ。
そうだ、「顔がおもしろい」っていうのは、
描くのもおもしろいですよね。
中川
顔が違うから漫画にはしやすいですね。
あんまり整ったコが3匹いても、
違いがなくなっちゃうから。
クーちゃんなんか、
よく見るとヤンキーマユ毛なんですよ。
──
あ、近くで顔を見ると
たしかに気合が入ってますね。
そこは描き分けのポイントですね。

──
「クマのプー太郎」みたいな架空のキャラと違って、
ネコたちはすぐ近くに描く対象がいるわけですよね。
描き方の特徴というか、
意識して描き分けていることってありますか。
中川
基本、目の形とかは変えてますね。
あとは口とか、それぐらいですけどね。
意外と写真よりも似顔絵のほうが、
特徴をわかりやすく捉えていることって
あると思うんですよね。
そういえば、近所で迷子になった
犬の絵を描いて貼り紙を作ったら、
すぐに見つかったことがあるんですよ。
ほら、写真だと情報が多すぎるんでね。
特徴だけを描いたほうがわかりやすくなるんです。

──
『コロコロ毛玉日記』のネタづくりは、
日頃のできごとを覚えておくんですか。
中川
読んでる人がネコ好きの人だから、
あんまり現実離れしたことを描いても
おもしろくないじゃないですか。
ちょっとリアルな話の方が
「そう、そう」みたいな感じで読めるかなって。
‥‥あ、クーちゃんも出てきたな。
──
ほんとですね、かわいい。
いまのうちに、たくさん撮ってもらいましょう。

(まだ続きますにゃ)

2025-02-23-SUN

前へ目次ページへ次へ
  • TOBICHI東京で開催!

    コロコロ毛玉日記展

    2025年2月21日(金)ー3月16日(日)
    ※2月25日は店休日 11:00-19:00

    朝日新聞の土曜日別刷りbeで連載中の
    エッセイ漫画「コロコロ毛玉日記」の展覧会を
    ほぼ日の「TOBICHI東京」で開催中です。
    漫画に登場する約30点の原画の展示や、
    本展のために40点以上描きおろされた、
    キャンバス画やイラストが会場にずらりと並びます。

    くわしくはTOBICHIのサイトへ