来年2024年版の
ほぼ日ホワイトボードカレンダーのために、
本当に素敵な月の数字を描いてくださった、
絵本作家の酒井駒子さん。
描いてみてどんなふうに感じたか‥‥
というお話から、
絵のお仕事全般についての話題まで。
「毎回、何かを発見しないといけない」
というその創作論には、
とくに、しずかなすごみを感じました。
なお、東京と京都のTOBICHIでは、
今回の「数字」の原画展も開催します!
素敵なオリジナルグッズもつくりました。
ぜひ、足をお運びください。
インタビュー係は、ほぼ日奥野です。

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──
ほぼ日ホワイトボードカレンダーって、
ぼくら、もう20年くらい
つくり続けているんですけど、
「毎月の数字」の部分は
「今年は、ぜひとも、この方に!」
というアーティストに、
毎年そのつど、お願いしてきたんです。

酒井
はい。
──
酒井さんには、数年前の個展のときに
インタビューさせていただいて、
お知り合いになることができたので、
いつかお願いしたい‥‥と、
あの日からずっと、虎視眈々と(笑)。
酒井
ありがとうございます(笑)。
──
いえいえ、こちらこそ、
あらためて、お引き受けいただいて、
こんなにも
素敵なカレンダーにしていただいて。
毎回「数字はむずかしい」と言う方と、
「あんがい悩まずスッと描けた」
と言う方がいるんですけど
酒井さんは、どっちかって言ったら、
「どっち派」でしたか?
酒井
そうですね、自分の本や展覧会などに
まつわるもの以外の、
こういったグッズのお仕事って、
わたし、じつは、すごい苦手なんです。
──
あ、そうでしたか。
酒井
だから、自分でもよくわからないので、
ほとんどやってないんです。
──
ええ、やってらっしゃらないですよね。
だからこそ、
今回のカレンダーが実現できたことは、
じつに光栄だと思っていて。
酒井
いえいえ、そんなことないんですけど、
でも本当に、
自分の絵を使ったグッズって、
なかなか、うまくイメージできなくて。
わたし、自分が持つものにしても、
柄よりも無地が好きだったりするので。

──
なるほどー。
酒井
でも、数字だったら、できるかもって。
自分のなかでは「新しいこと」だけど、
思い切ってやってみても
楽しいかなと思って、お受けしました。
──
ありがとうございます‥‥。
勇気を出して、本当によかった!(笑)
でも「数字なら、できそうかな」って、
思われたのは、なぜなんでしょうね。
酒井
数字だったら絵本なんかもありますし、
数字を中心に
他の絵を添えたりして描くのなら、
わたしにもできそうかなと思ったのと。
──
ええ、ええ。
酒井
あと、少し前のホワイトボードカレンダー、
100%ORANGEさんが
月の数字の絵を描いていたんですけど、
使ってみたら、もう、本当にかわいくて。
──
2年前の、2022年版ですね。
あれは‥‥本当に、かわいかったですね!
酒井
それまではやはり「無地」というか、
数字だけのカレンダーを使っていたんです。
でも、あの年の100%ORANGEさんの
カレンダーを使ってみたら、
かわいくって、
ちょうどよくうれしくって、
すごく「いいもの」だなあって思って‥‥。
──
わあ、ありがとうございます!
酒井
あんな気持ちになれるような
カレンダーになったらいいなあと思って、
描きました(笑)。
──
はい、酒井さんのカレンダーを
来年、使ってくださるみなさんは、
きっと、
うれしい気持ちになってくれるはずです!
リスさんや、てんとう虫くんや、
たんぽぽさんや、ネコちゃんなんかが、
各月の数字に添えられてますね。
酒井
はい、数字のかたちにまつわるモチーフとか、
季節の花とか‥‥
どこかうれしい感じがする絵を添えました。
でも、理屈では描けないので、
夏だったら
やっぱり麦わら帽子かなとかそれくらいで、
1年12ヶ月の流れのようなものを、
何となく、たどっていったような感じです。
──
ぼくは、なかでも、
3月の「フライパン」がめっちゃ好きです。

酒井
あ、ありがとうございます。
──
3という数字が、フライパンに載っている。
見た瞬間、
いっきに心と目とを奪われました。
でも、どうして「フライパン」だったのか。
そこには、隠された何かが‥‥。
酒井
あんまり深く考えてないんですが(笑)、
なんか、数字が
フライパンに乗っててもいいかのなあと。
──
はい、乗ってていいです!
3月が、おしりをフライパンに乗せている。
最高です。
酒井
ありがとうございます(笑)。

(続きます)

2023-12-05-TUE

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  • 酒井駒子さんが
    「月の数字」を描いてくださった
    「ほぼ日ホワイトボードカレンダー」

    の発売を記念して、
    TOBICHI東京・TOBICHI京都の両会場で
    酒井さんの展覧会を同時開催します!

    会期は12月8日(金)~12月24日(日)。
    メインの展示は
    もちろん「月の数字」の原画です。
    TOBICHI東京では
    壁掛けカレンダー用の原画を、
    TOBICHI京都では
    卓上カレンダー用の原画を、それぞれ展示。
    ポストカードやマスキングテープなど
    今回の展覧会ためにつくった
    オリジナルグッズも販売いたします

    また、こちらのページにて

    一枚一枚、額装してお届けする
    月の数字の「複製原画」を
    数量限定で受注販売する予定なのですが、
    その現物も展示します。
    (複製原画は、酒井さんの直筆サインと
    エディションナンバー入り!です!)
    くわしくは、TOBICHI東京京都のページで。
    ぜひぜひ、足をお運びくださいね。