2019年の夏の終り、
ほぼ日の山下と光井は富良野を訪れました。
『北の国から』の展覧会を開く準備のために。
せっかく北海道に行くのだから良い写真も撮ってほしくて、
写真家の池田晶紀さんにも同行してもらいました。
池田さんは『北の国から』の大ファンなんです。
その道中を振り返って、レポートします。
ゆるゆるとした記録ですが、
レポートの中には「北の国から資料館」の館長だった、
仲世古善雄さんへのインタビューも、あります。
そこでは貴重なお話を、たっぷりどうぞ。
いや~、
富良野はいい場所でしたよ~。
- 山下
- ここからはもう、かんぜんに観光でした。
- 光井
- たのしかったー。
- 池田
- まず向かったのが「石の家」でしたね。
おどろいたのは、
この日付がちゃんとその日になってる。
- 山下
- ほんとだ。
このとき気づかなかった。
- 池田
- 光井ちゃんの赤いワンピースがいいですね。
- 山下
- いちおう、青系と赤系の服で、
純と螢を表現しています。
- 池田
- ‥‥そのへんは
あんまり言わないほうがいいですね。
ファンががっかりしますからね。
- 山下
- それは自分でもそう思います。
- 池田
- 光井ちゃんの赤はまあいいですけど、
山下さんは、ただのGパンだし。
- 光井
- 出発前に、赤と青のジャージを
ペアで買おうかと思ったんですよ。
- 池田
- それは買わなくてよかった!(笑)
- 山下
- さすがに痛々しいですよね。
ちなみに池ちゃんは、がっつりTシャツを。
- 池田
- オフィシャルのTシャツです。
- 光井
- それはともかく、石の家です。
- 山下
- 写真が‥‥すばらしい。
- 池田
- これ、大きく出力するといいと思います。
そして展覧会の会場に置きましょう。
だってこの前で写真撮りたいもん。
- 光井
- 撮影スポット。
- 山下
- いいですね!
五郎さんのジャンパーも置いておいて
自由に着られるようにして。
- 池田
- それぜったいやりましょう。
- 山下
- あ、ほら、こんな感じに撮れる(笑)。
- 光井
- おおー(笑)。
- 山下
- このパネルの前で撮ると‥‥
- 山下
- こうなる。
- 光井
- ははははははは。
- 山下
- 話を進めましょう(笑)。
- 池田
- 富良野に残っている五郎さんの家は、
中に入れるのがよかったですよね。
- 山下
- 入れると思わなかったので興奮しました。
- 光井
- 五郎さんがさっきまでいたような‥‥。
- 山下
- この石の家は、あれですよね、
誠意のかぼちゃの事件で
仕方なく丸太小屋をあきらめて、
この石の家をつくったんですよね。
- 池田
- 丸太を売っちゃったんですよ。
木の皮をむくのに長い時間かかってるのに、
「それはサービスだ」
って言ったんですよ。
- 光井
- モノマネ(笑)。
- 池田
- 「五郎! お前、売っちまったのか!
皮むくのたいへんだっただろうが!」
って中ちゃんに言われて。
「いいんだぁ、それはサービスだぁ」
- 山下
- あの場所でのモノマネは
すばらしい迫力がありました。
- 光井
- シュウ(宮沢りえさん)と純が
出会うきっかけになった柱時計も。
- 山下
- あとはやっぱりお風呂ですよ。
- 光井
- このお風呂の窓越しに、
五郎さんとシュウちゃんが話すんです。
- 山下
- たしかお別れのような場面ですよね。
- 池田
- 螢の結婚式のとき、
この石の家からみんなで行くんですよね。
- 山下
- そうでした。
ああー、思い出すなぁ。
- 光井
- 螢ちゃんの結婚式といえば、
カセットテープですよね。
- 山下
- ああーー、亡くなった草太兄ちゃんが
スピーチの練習をしてて、
それを披露宴で流すという‥‥。
- 池田
- 「酒もってこい!」って。
- 山下
- ねえーー!
- 池田
- 「下っ腹のぽこーんと出た幼児体型の螢が」
- 山下
- そうそう(笑)、
草太兄ちゃん、そういうことも言ってた。
あのシーンはたまらない‥‥。
- 池田
- こういう場所の何がすごいって、
いまもみんなが行けるってことですよね。
そして、こうして追体験ができる。
『北の国から』は続いてる。
- 山下
- 『北の国から』は終わってない。
- 池田
- 終わってない。
この場所に、また会いに行ける。
- 光井
- 石の家の近くには、
「最初の家」がありましたね。
- 山下
- ここに復元されたんだそうです。
- 光井
- 最初の家‥‥。
もう、思い出がいっぱいすぎて‥‥。
- 山下
- 家の前に、一輪車があったんですよね。
- 光井
- そう!
- 山下
- 純と螢が重たい石を運んだ。
- 山下
- そして中に入ると‥‥。
- 池田
- 風力発電で灯った電球が‥‥。
- 山下
- この小さな台所で、
雪子おばさんと螢が
ごはんをつくってたんだなぁ‥‥。
- 光井
- 2階に上れば‥‥。
- 山下
- 純と螢が寝ていた屋根裏です。
うしろの壁にちゃんとビニールが。
隙間風が入らないように、
ふたりでビニールを貼るんですよ。
‥‥話しはじめたらきりがない!
- 光井
- きりがないので次の場所へ。
車に乗って移動して、
ここは「拾ってきた家」ですね。
- 池田
- 『2002遺言』のとき、
五郎が雪子おばさんのためにつくった家。
これがもう、アイデアのかたまりですよ。
- 山下
- 廃材でつくった家ですからね。
五郎さんがすごくて、
そして『北の国から』の
美術スタッフがすごい!
- 光井
- ここはバスを改造したんでしょうか。
- 山下
- この写真とか、
すごく池ちゃんらしい写真だなぁ。
‥‥ほんと、いっしょに来てくれて
ありがとうございました。
- 池田
- 「いいんだぁ、気にすんなぁ」(五郎さん化)
- 山下
- (笑)そしてまた車に乗って、
「丸太小屋」と「3番目の家」へ。
- 光井
- これが丸太小屋。
連続ドラマの最終話で完成した家です。
- 山下
- 全焼したはずなんですが、あります。
火事のシーンは、
火事のために別な家を建てたんだそうです。
- 光井
- ねえー、すごい。
- 山下
- これが、3番目の家。
純がつくった風力発電が、屋根の上に。
- 山下
- で、こういうのがあったりするんで、
もう、たまらないわけですよ。
- 光井
- たまらない‥‥。
- 池田
- 家を見ていくだけで、
こんなにおもしろいんですからね。
- 山下
- いくらでもおしゃべりができます。
- 光井
- きりがないです。
- 池田
- で? このあとどうしたんでしたっけ?
- 山下
- このあとは、あれですよ、
学校とか。
- 池田
- あー、あそこもよかったんだ。
(もう1回、つづきます)
2020-02-02-SUN