2020年の年末、ほぼ日は
神田の町に引っ越してきました。
はじめてのこの町をもっと知りたいし、
もっと知ってほしいと思っています。
そこで、日本全国のすべての市町村を回った
若き写真家、かつおさんこと仁科勝介さんに
神田の町を撮ってもらうことにしました。
自由にやってください、かつおさん。

>かつおさんのプロフィール

かつお|仁科勝介(にしなかつすけ)

写真家。1996年岡山県生まれ。
広島大学経済学部卒。
2018年3月に市町村一周の旅を始め、
2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。
2020年の8月には旅の記録をまとめた本、
「ふるさとの手帖」(KADOKAWA)を出版。
写真館勤務を経て2020年9月からは独立。

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#036

『和泉公園』

マッチョな人がいた。マッチョなおじいちゃんが
吊り輪をしていた。上半身は真っ直ぐ、
そして揃った両脚が水平にグググッと持ち上がり、
まるで直角定規のようだ。その状態で体勢はキープされ、
僕も僕なりに猫背をキープしながらひっそり見守る…。
「(決まった!)」これは、なんということでしょう。
マスターズで喝采を浴びる会場に居合わせたようだ!

というシーンも見受けられる和泉公園は名前の通り、
神田和泉町にある公園だ。秋葉原駅と浅草橋駅の
中間地点だから穴場的で落ち着いているし、
芝生も広々としていて、神田界隈ではいちばん
広い公園かもしれない。子供用の滑り台やブランコ、
そしてマッチョな器具も設置されている。良い公園だ。

『神田の写真。』を通して、
神田界隈のたくさんの公園へ訪れた。
いや、まだ行っていない場所もあるし、
写真を撮っていない場所もあるけれど、
いまのところ神田にも公園が多いのだなあと感じている。
砂漠にポツンと出現するオアシス、
なんていうのは言い過ぎだけど、
都会のオアシス的な要素も少なからずあると思う。
子供からお母さん、スーツ姿のサラリーマン、
ご年配の方まで、全ての年代の方々が偏ることなく、
東京の公園には集まるから。

だから、神田にある公園は全部必要だろうし、
和泉公園もこの吊り輪がなくなったら、
あのマッチョなおじいちゃんが困るだろうなあ、
という話である。
同じ吊り輪をやってみると、
電車で吊り革に興奮する小学生のようになった。

2021-06-14-MON

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