
にぼしいわしのいわしさんが
話したい人と話すシリーズ、
先輩芸人編ラストに登場いただく芸人さんは、
ランジャタイの国崎和也さんです。
目的のわからないボケをひたすら繰り返す、
愛すべき怪芸人国崎さん。
ウケていようがスベっていようが、
ご本人はとにかく楽しそうです。
なにがそんなに楽しいんでしょうか。
教えてもらいましょう。
今度こそ、真剣なお笑いの話が聞けますように!
(「ほぼ日の學校」の動画にはいわしさんのアフタートークもあります!)
国崎和也(くにさき・かずや)
1987年富山県生まれ。芸人。
お笑いコンビ「ランジャタイ」のボケ担当。
相方は伊藤幸司。
M‐1グランプリ2021決勝進出。
奇想天外な言動、常識にとらわれないネタで人気を博す。
ピン芸人「ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん」として、
R-1ぐらんぶりにも出場。
エッセイにもファンが多く、2023年、
初のエッセイ集『へんなの』を発行。
伽説いわし(ときどき・いわし)
1992年大阪府出身。
お笑いコンビ「にぼしいわし」の
ツッコミ・ネタづくり担当。
相方は香空(きょうから)にぼし。
2024年、「女芸人No.1決定戦 THE W」にて
コンビで優勝。
2025年、個人事務所、株式会社A-Dashiを設立。
エッセイ『しょぼくれおかたづけ』発刊。
- いわし
- 国崎さんは、
見ているほうがハラハラするようなネタを
するのが、楽しいんですか。
- 国崎
- 「どうなっちゃうんだろう」が好きだから。
答えがないのが好き。
- いわし
- あーー、なるほど。
- 国崎
- どうなっちゃうんだろう、から、
スベるのも最高。
- いわし
- やっぱり、スベるのがいいんですか。
- 国崎
- いい。めちゃくちゃ楽しい。
- いわし
- 国崎さんは、昔から
スベるのが楽しいんですか。
- 国崎
- 昔から、昔から。
- いわし
- そうなんですか。
- 国崎
- 中学校のバスケットボールが
きっかけなんだ。
ぼく、バスケ部に入ってて。
部活ってほんとに頑張るじゃないですか。
- いわし
- はい。頑張ります。
- 国崎
- 部活に命懸けるじゃないですか。
- いわし
- 懸けますね。
- 国崎
- 一所懸命練習したら、うちの学校が、
市の大会で県1位のチームと
当たることになったの。
もう、1位のチームは、
身長からなにからぼくらとは違って。
190センチぐらいあったんです。
で、78対18ぐらいで負けたんですけど、
試合中、ボールをついてるときに、
どんどんおもしろくなってきて。
監督が「行けーー」とか言ってるんだけど、
「いや、もういいでしょ、
絶対負けるし」って。
しかも、途中でムライくんっていう人が
足くじいたんだ。
休憩中もずっと「いてぇー」って
足を気にしてたのね。
それがどんどんおもしろくなってきて。
だって、負けるし、痛いし。
負けたあとのバスのなかでもずっと
足を痛がっていて。
それがもうたまらなくなってきて。
あれだけ頑張って練習してきたのに、
屈強な奴らにボコボコにされて、
相手チームの1年生にも歯が立たない。
どれだけシュートしても
パーンって弾かれて、
転がっていったボールを、
俺が小走りで取りに行ったんだけど、
もう吹き出しちゃって。
「絶対負けるのに、まだボールいる?」
みたいな。もうダメだった。楽しすぎて。
あのときから、全部台無しになるのが
めっちゃ好き。
- いわし
- そんな原体験があったんですね。
- 国崎
- たまらなくなった。
- いわし
- 笑ってたのは、ほかのメンバーや監督に
バレなかったんですか。
- 国崎
- えーっとね、バレたというより、
みんな半笑いだったの(笑)。
全員負けるってことがわかってたから、
半笑いでパスして、半笑いで受け止めて、
半笑いではじかれて、
半笑いでボール取りに行ってた。
監督だけが本気で。
- いわし
- なるほど。
- 国崎
- 休憩中も、「こう来たら、こう」
とか言って作戦会議したけど、
いやいや、もうそんな。意味ない。
相手、でかいんだもん。
でも、一応監督の言うこと聞いて、
試合で作戦を実践しても、
やっぱりまったく歯が立たないから、
また半笑いになって。
それがもう楽しすぎて。
その感覚が、ずっとある。
- いわし
- 一所懸命やってる人に
怒られたりとかしないんですか。
「笑うなー」って。
- 国崎
- あー、それはない。
こっちも一所懸命やるから。
- いわし
- え、どういうことですか。笑ってるのに?
- 国崎
- えーっと、全力ではやるけど、
ふとしたときに、なんか笑えるの。
だから、一所懸命ではある。
- いわし
- なるほど。
だから大丈夫なんですね。
- 国崎
- 「全力でやって、こける」というのが
楽しいから。
- いわし
- たとえば、合唱コンクールとかで、
練習したのに勝てなくて
泣いちゃう子もいるじゃないですか。
そういうことに対しては
どう思ってるんですか。
- 国崎
- 合唱コンクールはね、別にそんな、
めちゃくちゃ理不尽な負け方はしないから、
あんまりなにも思わない。
ほんとにどうしようもないなにかが
出てきて負けるときが楽しい。
長期間頑張ったのにダメとか(笑)。
長期間頑張って、まったく歯が立たない、
おもしろすぎでしょ。
- いわし
- 言われてみれば、おもしろいですね。
- 国崎
- おもしろい、おもしろい。
- いわし
- じゃあ、M-1決勝は国崎さんにとって、
絶好の「長期間頑張ってダメ」を味わう
機会だったんですね。
- 国崎
- そうそう。しかも、
ラッキーで決勝に残ってたから。
- いわし
- いやいやいや、実力でしょ?
- 国崎
- ほんとに運だけで勝ったんですよ。
みんな「そんなことない」って
言ってくれるんですけど、
俺らだけほんとにマジで、運。
- いわし
- うそぉ。
- 国崎
- たまたま振ったバットが当たり続けて、
ギリッギリ決勝行けて。
決勝行きゃ、こっちのものだからさ。
- いわし
- あー、そうか。
あとはスベるだけですもんね(笑)。
- 国崎
- スベって最下位になりゃいいだけだから。
M-1の決勝って、舞台に向かって
廊下を歩くシーンが映されるんだけど。
- いわし
- はい。
- 国崎
- ほんとは、あそこで終わりたかったの。
舞台に着かずに、廊下で4分ずっと立って、
歴代優勝者のポスター眺めて、終わって、
もうしょうがないから今田さんが
「やりきりましたー」って
言ってくれる(笑)。
そういうのをやりたかった。
でも、やっぱりみんな、
ほんとに人生懸けて。
- いわし
- いや、そうですよ。
たまったもんじゃないっすよ。
- 国崎
- はっはっはっはっは。
たまったもんじゃないよね。
結局、廊下で4分使うのはやめたけどね、
廊下の角を行き先と反対に曲がって
どっか行くっていうボケもしたかったの。
そしたら、曲がったところに
巨大な大人がいて、「させまい」って。
- いわし
- 「ランジャタイはM-1で
ネタをしない可能性がある」と
バレてたんだ。
- 国崎
- バレてた。
しょうがないから舞台に行ったけど。
ネタしないのやりたかったね。
- いわし
- いやいやいや‥‥。
- 国崎
- でも、楽しかったですよ。
(最高です、明日に続きます)
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