湯たんぽやハラマキをしたり、
ヨガやピラティスをしたり。
身体を整える方法はいろいろありますが、
「正しい方法」や「王道」を知りたい。
長年、女性の身体を診療し、
デリケートゾーンケアの講師もなさっている、
助産師の三宅はつえ先生に
「セルフケア」についてお話を聞きました。
毎日を気分よく過ごすためのヒント、
見つかるでしょうか?

>三宅はつえ先生プロフィール

三宅はつえ プロフィール画像

三宅はつえ(みやけ・はつえ)

出張開業助産師。東京大学医学部非常勤講師。NHK連続テレビ小説「さくら」などドラマや映画、漫画の出産・助産監修もなさっています。たかくら新産業さんと一緒に、「デリケートゾーンケアアンバサダー講座」の講師もつとめられています。

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三宅先生は、
ピュビケアを開発されている
たかくら新産業が開催されている、
「デリケートゾーンケアアンバサダー講座」
の講師を務められていると伺いました。
医療従事者や女性向け講座の講師、
サロンのみなさんへ
デリケートゾーンのケア方法について、
教えていらっしゃるんですよね。
三宅
3年ほど前から講座を開いているのですが、
すでに受講者は550名ほどおります。
そんなにたくさん!
評判なんですね。
三宅
たしかに、デリケートゾーンのケアって
あまり習わないことなんです。
でも、デリケートゾーンは
まぶたよりも薄い皮膚で、
トラブルがおこりやすい場所でしょ。
肌のスキンケアと同じで
日常的にもケアが必要ですし、
トラブルによってお手入れ方法が異なる。
更年期など年代に沿ったケアが
必要でもあります。
だから、教えることも学ぶことも
たくさんある分野なんですね。
どんな風にお手入れしたらいいのか、
なんて、あまり考えたことないでしょう?
スキンケアはしっかりお金をかけるのに。

あまり意識したことがなかったです。
どんな風にケアするのが良いのでしょうか?
三宅
お口はどんな風にケアされますか?
歯磨きをして、ゆすぎますかね。
三宅
歯磨き粉を塗り込んだり、
強くゴシゴシしないですよね。
デリケートゾーンのデイリーケアもお口周りと同じ。
基本は専用のソープと保湿剤でケアをします。
一生懸命ゴシゴシするのではなくて、
泡立てたソープやフォームタイプの石鹸で
撫でるようにやさしく洗って、
お湯でゆすいでください。

生理中も同じですか?
三宅
口内炎ができたら痛くて、
いつも以上にやさしく口をゆすぎますよね?
生理中もそんなイメージです。
すごくデリケートな身体になっているので、
いつも以上にやさしく洗ってください。
また、ナプキンや経血はかゆみの原因になるので、
気になる方はトイレに行かれた際に
シートでサッと拭くのもオススメです。
その後に、専用ミルクで保湿されてください。
かゆみで悩む方も多いですよね。
三宅
かゆみの原因は一概には言えないのですが、
食べ物や生活習慣の影響や、
全身の血のめぐりが悪いことが
影響している場合が多くあります。
泡立てたソープを数分置いて「泡パック」と、
専用のミルクで保湿することをオススメします。
スキンケアと同じように、
保湿が大事なんですね。
三宅
そうですね。
ミルクは表面のところを、
気持ちがいいようにやさしくさするだけで
大丈夫です。マッサージにもなりますよ。
唐澤
たつの先生から教えてもらったのは、
温めたオイルをコットンに浸して、
一晩当てておく「オイルパック」が
オススメだと聞きました。
生理期間は身体がデリケートなので、
生理以外の時期にお試しください。
三宅
でも、私がいちばん大切だと伝えるのは、
自分の身体の状態を、
よく知っていただきたいということです。
観察して、身体の変化に敏感でいてほしいですね。
自分の身体のことを
じっくり考えて観察する時間というのは、
あまりなかったように思います。
三宅
お顔は何度も鏡を見るのにね(笑)。
でも、かゆみやかぶれ、
おりものに症状がある場合などは、
病院を受診されてください。
セルフケアでは悪化してしまったり、
対処できない可能性もありますので。
以前インタビューした
甲賀かをり先生も、
同じことをおっしゃっていました。
三宅
結局日常的なセルフケアというのは、
自分にとって心地よいものは何か
試して、観察して、
見つけていくことが第一歩だと思います。
たとえば、ケアグッズには
いろんな香りがありますよね。
効能などいろいろ言われますが、
結局は自分の感覚的に「良い」と思うものを
選んでいただくのが一番じゃないかと。
つまり、自分の感覚に自信を持っていいんです。
主体的に身体のことを考えて、
自分のための時間をたっぷり楽しんでくださいね。

(終わります。)

2021-03-20-SAT

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