ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#09

ワンダーフォーゲル

 
父母たちと行った
城跡から見た景色を描きます。
絵とは関係ないのですが、
石垣を見るだけでワクワクします。
石に触っていると、
「すごいな、重かっただろうな」と思います。
お城、好きです。
今回の絵のサイズは、
これまでの倍の大きさがあります。
ペンを持つ手は縦にしか動かないので、
横に長い線をひくときは
紙自体を回して描いているのですが、
大きい絵になるとそれがやりくにいです。
下描きで使っている練り消しゴムは、
10年以上同じものを使ってる気がします。
新しいものだと消しすぎてしまうので、
この古いものが欠かせません。
下描きが終われば、
あとは線を引きまくるだけです。
一応、写真を見て、
影の部分を濃くしたのですが、
すこし適当に散らしたり、
バランスを見たりして描きました。
影なんだけど模様みたいに、
具象なんだけど抽象っぽくなったら
おもしろいなぁと思いました。
途中で線と線の間がくっつきそうになったり、
離れ過ぎたり、いろいろあるのですが、
直したりしながらもとにかくひきつづけます。
「疲れたぁ、面倒くさいなぁ」と
途中で何度も思ったりしています。
途中でチラチラ見えるのは、
家で飼っているインコです。
絵にフンをしたら、すぐ拭きます。

(次回は7月1日に更新します)

2022-06-28-TUE

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