関根

満里奈さん、
今日はどうもありがとうございます。
一緒に作らせていただいたエプロン、
お披露目できることになってうれしいです。

渡辺

最初にご相談してから
ちょっと時間がかかってしまいましたけど、
やっと出来上がって私もうれしいです！　
ありがとうございます。

関根

そもそものきっかけは、
満里奈さんが発案したエプロンを、
「これが作りたいんです」って
うちへ持ってきてくださったことでしたよね。
私が目にしたときには
もう形になっていましたけど、
あれは満里奈さんが作られたものだったんでしょうか。

渡辺

いえ、私ではなくて、
お世話になっているスタイリストの方が
型紙から起こして作ってくださったんです。

関根

えっ。すごい！　

渡辺

最初、私が何かの撮影のときに、その方に
「かわいいエプロンが欲しいけど、なかなか売ってなくて」
というお話をしたら、
「作ればいいじゃない」って
言ってくださったんです。
それでネットでリネンの生地を探してみたんですけど、
なかなかいいなと思うものが見つからないし、
あってもすごく高いんですよね。
作るなら、自分だけのためではなくて
人にも届けたいと思っていたので、
高すぎるのは避けたいし、どうしよう‥‥
なんて思っていたら、
そのスタイリストの方が
お知り合いにもいろいろ聞いてくださって、
「リネン生地のことなら、
fogの関根さんという方に相談するといいらしい」
ということで、紹介してくださったんです。

関根

そうだったんですね。
こうやってご縁ができて、うれしいことでした。
じゃあ、もともと満里奈さんは、
エプロンをよく使われていたんですか。

渡辺

はい。
デニム素材だったり、
上からすっぽりかぶる、背中側も布があるタイプのものなど、
おしゃれだなと思って買ったエプロンを
いくつか持っているんですが、
最近、重さが気になってきたんです。
見た目もかわいいけれど、
それだけではなくて使い勝手もいい、
短いエプロンが欲しいなって
ずっと思っていました。

petit tablier　POWDER BLOOM

関根

そうそう、
最初から「短いエプロン」
とおっしゃってましたよね。
満里奈さんにとって、
短いほうがうれしいことがあるんでしょうか？　

渡辺

日頃から、ふだん使いのエプロンって
そこまで長い必要があるのかな？　
と思っていたんです。
ご飯を作ったり、洗い物をするとき、
汚れたり濡れたりするのって、
だいたい胸の下から腰くらいまでですよね。
だから、それより下はなくていいんじゃないかな
と思って。

関根

たしかにそうですね。
プロのかたがつけるエプロンには
長い理由があると思うんですが、
私たちがふだん使うときは、
丈が長いぶん、重くなりますしね。

渡辺

そう、肩紐タイプだとその重さが肩にかかりますし、
丈が長いと足さばきにも影響が出ます。
かといって、
短めのギャルソンエプロン（胸当てがない
腰巻き型のエプロン）でいいかと言うと、
あの形だと、汚れがちな胸とお腹の部分が
カバーされていないんです。
だから、
短いけれど汚したくない部分はちゃんと覆ってくれて、
何より軽くておしゃれなエプロンがほしい！　
と思ったんです。

関根

なるほど。
今お話を聞くと、
たしかにそういうエプロンって
世の中にあまりないですね。

渡辺

そうなんです。
洋服を選ぶときって、
「下は細いパンツだから、
上はコンパクトにまとめよう」
など、好きにコーディネートできますよね。
エプロンもそんな感覚で選べたらたのしいなと思って、
服にも合わせやすい丈を意識して。

関根

エプロンの丈が短いと、
足が長く見えそうだなと思いました。

渡辺

そうそう、そうなんです！　
紐でウエストマークもされるから、
スタイルもよく見えちゃいます。

関根

fogでもエプロンは扱ってますけど、
これまで短いものは作ってなかったんです。
でも、ちょうど満里奈さんから
エプロンのお話をいただいた頃、
お客さまからも
「夏は短いほうが涼しい」ってお声をいただいたり、
料理教室の講師をされている方が
「最近は短いエプロンがいいなって思ってるの」
というのを耳にしたときだったので、
すごくタイムリーだったんです。
「短いエプロン、いいかも！」
と思って。

渡辺

短いエプロンがほしいと思っていたのは、
私だけじゃなかったんですね。

関根

ふふふ。
みんなの欲しい気持ちが
ひとつになった瞬間でしたね。

渡辺

それから早速、
fogさんの生地を見せていただいたんですけど、
とにかくたくさんの種類があって、びっくりしました。
色もカラフルで、発色もすごくきれいですし、
触ってみて、リネンの質もとても高いなと感じて。
ネットでは欲しい生地が全然見つからなかったのに、
ここにあったのか！　って思いました。

関根

膨大な種類から選んでいただくのは
大変でしたよね（笑）。
でも、形は満里奈さんがほしいものを
具体化してくださっていたので、
丈をほんのちょっと調整したくらいで、
スムーズに進められた気がします。
肩紐の色の組み合わせとか、
長さ調整をどうするかみたいな
細かいことを相談させていただきましたよね。

渡辺

そうそう、
肩紐の長さ調整のところで関根さんが、
「くるみボタン（布で包んだボタン）もできますよ」
ってご提案くださったときに、
やっぱりプロだなって思いました。
そういう細部はいろいろとアドバイスをいただいて、
すごくありがたかったです。

petit tablier　BISTRO CHECK

関根

くるみボタン、
かわいさが増しましたよね。
あと、この大きいポケットがすごく便利！　

渡辺

そうそう、大きいだけじゃなくて、
深すぎない、幅広の形も気に入ってるんです。
深めのポケットにスマホを入れたりすると、
奥まで沈んでしまって、
手をつっこんで探さないといけないでしょう（笑）。
これだとすぐ届くからいいなって。

petit tablier　CHIC MOOD

petit tablier　MORNING STRIPE

関根

ポケットって、位置も大事ですよね。
真ん中にあるとお料理や作業の邪魔になるけど、
これはサイドにあって、
お尻の方までぐるっと続いてるので、
大きめの布巾を入れても邪魔にならなくて快適です。
比較的重いものを入れても、
ワイドなポケットに力が分散されて、
重さも感じにくいような。

渡辺

そうですね。
コンパクトで軽いので、
実際につけてみると、すごく気分が上がるんです！　
これは家事がたのしくなりそうだなって思いました。

関根

うんうん。
見ているだけで元気がもらえるような色と柄です。

渡辺

ものすごくたくさんの種類から選んだので、
「これもいいし、あっちもいいな」って悩みましたけど、
なんとかこの７種類に絞りました。
でも、こんなにたくさんの柄のリネン生地が揃っているって、
なかなかないですよね。

関根

うちではもう20年くらい、
毎年オリジナルの柄を作っているので、
そのぶん種類は多いかもしれません。

渡辺

へえー！　すごいですね。
そのオリジナルの柄って、
どんなふうに決めてらっしゃるんですか？

関根

その年の気分です（笑）。
例えば、
この色なら服も作るかもしれないから
小さめのチェックにしようとか、
この柄はエプロンやクロスにしか使わないから
大きめのパターンのほうがパキッとしていいな
という感じで決めています。
ストライプの幅も、
色によって全然印象が違うので、
見たときに気持ちいいような柄を作るようにしています。

渡辺

そこがfogさんのいいところだと思うんです。
私たち選ぶ側は、ぱっと見ただけだと、
「チェック柄だな」ということしかわからないんですけど、
柄の大きさが違うだけで、
出来上がるもの全体の印象はだいぶ違いますものね。
何に使うかによって
関根さんが気を配られているから、
どの柄もすごく素敵だと感じます。