糸井重里も大好きな、スペクタクルアクション
エンターテイメント映画『バーフバリ』シリーズ。
このたび、公開10年を記念して、
2部作をひとつにまとめた4K版
『バーフバリ エピック4K』が作られて、
日本でも2週間限定で公開されるんだとか。
しかも記念のメモリアルブックの
インタビューに糸井が登場。
そのご縁で、みんなで先行上映に行ってきました。
‥‥と、やっぱり最高だった、面白かった、
かっこよかった、『バーフバリ』!
せっかくなので、この2週間限定のお祭りを、
ほぼ日、勝手に応援させてください。
もともと大好きな方も、見てなかった方も、
映画館の大画面でこの感動を味わえる、
滅多無いチャンスです。
さぁ、一緒にマヒシュマティ王国へ。ジャイホー!

バーフバリ

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(2)とにかくめちゃくちゃかっこいい。

 
(ほぼ日乗組員、坂口の話のつづきです)

──
坂口さんは、『バーフバリ』シリーズより先に、
『RRR』からインド映画の世界に入ったという。
坂口
はい、インド映画の中でも、
とくにラージャマウリ監督のファンですね。
『RRR』を初めて見てハマりまして。
好きすぎて、スタッフの方の衣装を真似した
Tシャツを自分でつくって、応援上映に着ていったり、
オリジナルの画像で作れるチロルチョコで
『RRR』の写真つきのものを作って、
インド映画好きの友達に配ったりしていました。
──
おおー、本格的にハマった感じですね。
『RRR』はどういう作品なんですか?
坂口
あ、そうか、『RRR』を見てない方も
いらっしゃいますよね。
ああ、見せたい! もういま見せたい。
あのすばらしさを知ってほしい!
『RRR』は、ラージャマウリ監督が
『バーフバリ』シリーズの次に作った作品で、
もう日本でもメガヒット。
『バーフバリ』シリーズも
世界中でヒットしましたけど、
『RRR』はさらなる規模で大ヒット。
そしてどちらも、テルグ語の映画なんですね。
インドは言語がたくさんある国で、
ヒンディー語の映画が一番多いんですけど、
テルグ語の映画も最近増えていて、
それは『バーフバリ』シリーズ、『RRR』の
世界的大ヒットの影響があるのは間違いないです。

──
『RRR』というのも、『バーフバリ』シリーズと
似た感じのお話なんですか?
坂口
いえ、世界観はけっこう違いますね。
『バーフバリ』シリーズは古代インドを舞台にした
架空の王国の神話ファンタジーですけど、
『RRR』はイギリス植民地時代末期の
1920年代のインドが舞台のお話です。
どっちもめちゃくちゃ面白いんですけど。
そして『RRR』は、ひとことで言うと
「超・友情」な話です。
──
超・友情。
坂口
生い立ちもキャラクターもぜんぜん違う、
2人の主人公がいるんですが、
恨みを持つ人物が同じなんですよ。
片方は、住んでた村の娘が連れ去られていて、
彼女の奪還を目指していて、
もう片方は、大義の為に
英国政府の警察官になるんですけど。
それでそれぞれが、別のアプローチで
復讐していこうとするんですが、
あるとき出会うわけですね。
お互いはもともと知らない同士なんですが、
2人が出会うシーンがまた、
めっっちゃくちゃかっこいいんですよ!
(突然)わかる~~!
‥‥すみません、今日は写真担当なのですが、
あまりに共感して口にしてしまいました。

──
(笑)
坂口
そうなんです、2人が橋の上で協力して、
子供を助けるシーンがあるんですけど。
ロープやバイク、馬とかも使って、
アクロバティックなアクションたっぷりで、
すばらしいんです。
最後に2人がガシって手をつないで、
ここで友情が一気に芽生えて!
そう! そうそうそう!
坂口
いいシーンはほかにもいろいろあるんですけど、
友情があり、「アニキ‥‥」みたいな感じもあり、
2人が協力して、最後にその敵を
やっつけますっていう。
すみません、けっこう『RRR』の話(笑)。
──
『RRR』は1作品だけですか?
坂口
『RRR』は1作完結で、長さが3時間です。
でも、めちゃくちゃずっと盛り上がってて、
見てても全然疲れないし、飽きることがないです。
有名な踊りのシーンとかもあって、
2人がシンクロして動く姿に胸が熱くなりますし。
(雑誌をパラパラとめくりつつ)
‥‥あ、これも有名なシーンですね!
トラを手に入れなきゃいけなくて、
罠を仕掛けているところなんですけど、
もう、ワクワクしっぱなしです。
聞いてもわからないと思いますけど(笑)。

──
(笑)『RRR』『バーフバリ』シリーズに通じる
ラージャマウリ監督の作風というのは、
どんな感じなんでしょう?
坂口
ラージャマウリ監督の映画は
ひとつひとつの見せ場がすごくかっこよくて、
同時にすごい分かりやすいんです。
たとえば『バーフバリ』シリーズだったら、
刀の練習をしてるバーフバリが
大量にバーって振ってくる矢を全部、
「シャシャシャシャシャ!」って
跳ねよけていくシーンとかがあるんですけど、
それで強さが一瞬で分かるんです。
──
たしかにすごそう(笑)。
坂口
そういう「この人はすごいんだ」みたいなのを
一瞬で分からせるシーンがものすごくて、
大胆な、あり得ない表現で、
どれだけこの人がスーパーヒーロー的な
神話的強さがあるか、
みたいな感じをたくさん見れるんですね。
また、そういう場面じゃないところも
誰が見てもわかりやすくなってて、
物語を追いやすくなっているんですよ。
息子の方のバーフバリ(シヴドゥ)が、
育てのお母さんが困っているところを助けるシーンとか、
詳しい説明がなくても
「あ、すごいいいやつなんだな」って思うし、
悪者が悪いやつであるというのも、すぐにわかるとか。
だから見てて、まったく飽きないんです。
──
へえーーっ。
坂口
こちらがラージャマウリ監督です。

──
あ、こんな方なんですね。
監督自身もかっこいい。
坂口
あと、ラージャマウリ監督の映画は、
音楽もすごくいいんですよ。
曲がいいのはもちろん、
驚くシーンに使われる効果音みたいなのも
すごくよくできてて、音まで気持ちいい。
「その音が鳴ったら驚けばいいんだ」
みたいなのも、よくわかるんです(笑)。
──
もしかして、ちょっと漫画っぽい感じ?
坂口
そうですそうです!
けっこうコミック感があります。
そう! 『RRR』も『バーフバリ』シリーズも、
どこかほんとに漫画みたいなんですよ。
フキダシとか文字があるわけじゃないけど、
映像を見ながら、漫画のコマが
見えるような感じというか。
集中線が入ってるように見えたり、
「ガーン!」みたいなときにはそういう音がなるし、
表情もすごい「ガーン!」みたいな。
坂口
ウィンクとかもちゃんとバチンとやりますし。
そうそう!
本当に決めゴマみたいなシーンが、
映像で出てきて、すごい良いんです。
坂口
『世界・ふしぎ発見!』のインド特集で
ラージャマウリ監督の自宅にカメラが入ったときに、
手塚治虫先生の作品があって、
さまざまな漫画文化にとても影響を受けたとも
おっしゃられてたんです。
それを聞いてすごく納得しました。
「コマで見せる」みたいな感覚がすごいある。

──
南さんは『バーフバリ』シリーズと
どう出会ったんですか?
実は私も映画館で見たことはなくて、
DVDで見たんですけど、
友達の家に6人くらいで集まって
『バーフバリ合宿』みたいにして(笑)、
みんなで2部作を全部見ました。
かなりツッコミどころが多いから、
指さしながらとか、肩の力を抜いて、
みんなでワチャワチャ見たのが本当にたのしくて、
そこから一気に大好きになったんです。
坂口
『バーフバリ』シリーズは敵役の
バラーラデーヴァもすごいかっこいいんですよ。
鉄球がついた棒みたいな武器とか、
高速回転する巨大な刃のついた戦車とか、
わけのわからない方法でガーンとか
攻撃してくるんですけど(笑)、
冷静に写真で見ると違和感ありありなんですよ。
でも、見てたら違和感なくて、
没入できて、すごく絵になるんですよね。
あと『バーフバリ』シリーズは、
ちょっと恋愛要素みたいなのもあって、
それもいいんですよ。
結婚する奥さんとの出会いとか、踊るし。
インド映画、ラブロマンスのときはやっぱり
特有の歌に合わせて踊るシーンがあるんですけど、
そういうシーンもたのしめる。
──
あ、踊るシーンも。
坂口
はい、『バーフバリ』シリーズは
そんなに多いわけじゃないですけど、
そういうときの映像も圧巻です。
あとは、奥さんが弓を引くときに、
バーフバリが後ろから支えてあげて
弓を2人で引くシーンがあるんですけど、
それが、めっちゃかっこいい。
ナチュラルに後ろからすっと奥さんを支える
バーフバリがもう、超かっこいいんですよ!(笑)

──
(笑)はい。
坂口
『バーフバリ』シリーズは、
プラバースさんをはじめ、
俳優のみなさんがけっこう背が高くて、
スタイルもよくて、それも絵になるんです。
私、インドの男性って、
それまでとくに意識してなかったんですけど、
ラージャマウリ監督の作品を見て、
インド映画の俳優さんたちのことが、
本当に魅力的だなと思うようになりました。
しかも、皆さんムキムキなんですよね。
インド映画の俳優さん、
本当に筋肉バキバキの人しかいない。
──
バキバキさがわかるってことは、
脱ぐんですか?(笑)
坂口
基本脱ぐんです(笑)。で、バキバキ。
インド映画って割とアクションが多いんですが、
こういう肉体があるからこそ、
アクションもすごい見栄えがするっていうか。
アニメのような肉体で、
きっと男性から見てもかっこいいと思う。
このゾウに乗ってるのとか、
めちゃくちゃかっこよくないですか?

──
そ、そうですね(笑)。
でもあの、かっこいいとかより前に、
すごい乗り方してるなと‥‥。
これはなにしてるところですか?
坂口
わからない!
でもこの世界観を知ったら、
「超かっこいい!」って思って見るんで、
ただただかっこいい。意味とかない(笑)。
──
もはやインド旅行とかも
行きたいんじゃないですか?
坂口
そうですね。
ハードルがちょっと高いんですけど、
インド映画をテーマにした旅には
ぜひ行ってみたいですよね。
インドのハイデラバードに
「ラモジ・フィルム・シティ」と呼ばれる、
ギネスにも登録された世界最大級の
映画スタジオでありテーマパークがあるんです。
そこで『バーフバリ』シリーズや
『RRR』のセットがあって、
バーフバリごっことかができるらしくて、
いつか行きたいなと思っています。
インドという国自体、
こういう作品を作れるエネルギーがあるって、
ものすごく文化の力を感じますよね。

(つづきます)

2025-12-13-SAT

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  • 『バーフバリ エピック4K』
    (2025年、225分)

    世界的に大ヒットしたインド映画
    『RRR』のS.S.ラージャマウリ監督の原点
    『バーフバリ』2部作を、
    監督自らの手で再編集。
    一部シーンの追加をおこない、
    1つの作品として凝縮して作り上げたもの。
    古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」に
    インスピレーションを受けて製作された、
    架空の王国「マヒシュマティ王国」が舞台の
    スペクタクルアクションエンターテイメント。
    2025年12月12日(金)より、2週間限定公開。
    あの『バーフバリ』シリーズを、公開10年後のいま、
    映画館で体験できる貴重な機会、あなたもぜひ。
    (特設サイトはこちら)