
- わたしが小学校に入る前のこと、ソ連軍が来た。
蒼眼にブロンドの髪だから、とても綺麗でした。
しばらくすると、軍人さんの家族も来て、
銭湯や食堂、近くにいるのはソ連の人‥‥
というようにソ連の人が増え、
町ではロシア語で話さないと生活しにくい雰囲気だった。
子どもも大人も、はじめは仲が良かったと思います。
わたしも向こうの子と遊びましたから。
戦況が緊迫すると、ソ連軍の軍人さんが家に入ってきて、
自分の腕の上で指で輪っかをつくり
「チックチック」と言う。
腕時計がほしいということだったようで、
父はずいぶん前に兄の進学祝いで買ってきた腕時計を
軍人さんに渡していた。
その兄は満州で、指だけ帰ってきました。 - (匿名さん)
2025-12-07-SUN

