
- 数年前にはじめて台湾を訪れたとき、
旅行最終日に少し時間が余ったので、
一緒に行った友人と台北大学に行ってみました。
台北大学のキャンパスは緑が溢れていて、
わたしの通った大学に雰囲気が少し似ていました。 - 10年以上前に亡くなった父は、
台湾生まれの台湾育ち
(そのころ台湾は日本の統治下にありました)。
大学には受かったものの太平洋戦争で召集がかかり、
1日たりとも大学に通うことなく
軍隊に入ったそうです。
陸軍配属時代は上官からは殴られてばかり、
食糧も粗末で、人間よりよっぽど軍馬の方が
大切に扱われていたよと言っていました。 - 終戦を迎え、混乱のなか
日本まで引き上げるだけでも大変だったことと思います。
それに加えて、
故郷が突然なくなることの不条理さや、
裸一貫、日本で父母(わたしから見たら祖父母)や
弟妹を養うのに必死で、
大学なんて通えなかった父の無念さが、
大人になってようやく
少しづつ理解できるようになりました。 - 父が通えなかった台北大学で買った絵葉書は、
墓前に飾っています。 - (あんこより)
2025-11-05-WED

