前へ目次ページへ次へ

読者のみなさんから届いたお便り #82

 
母方の祖母のお話です。
小学校のころ、
祖母は戦時中の話をよく聞かせてくれました。
そこで祖母は
「もしタイミングがずれていたら、
自分は死んでいたかもしれない」というのです。
戦時中、祖母の勤務先は川崎駅で、
たまたま祖母の欠勤の日に川崎駅に爆弾が落ちて、
同僚を亡くしたということも教えてくれました。
わたしは考えました。
もし祖母が亡くなっていたら
わたしの母は存在しないのであって、
母が存在しないのであれば、
わたしも存在しないのです。
考えてみれば当然のことですが、
そのときは驚きと恐怖を覚え、
そして「わたくしごと」して捉えられたのです。
祖母は
「戦争はもうこりごり。
絶対に戦争を繰り返してはいけないよ」
と言っていました。 
祖母が亡くなって10年以上経過しましたが、
いつもどんなときでも
「戦争を繰り返してはならない」という言葉は
わたしの中にあります。
(匿名さん)

2025-10-31-FRI

前へ目次ページへ次へ
  • ヴェトナム戦争/太平洋戦争にまつわる
    読者のみなさんからのお便りを募集いたします。

     

    ご自身の戦争体験はもちろん、
    おじいちゃんやおばあちゃんなどご家族や
    ご友人・知人の方、
    地域のご老人などから聞いた戦争のエピソード、
    感銘を受けた戦争映画や小説についてなど、
    テーマや話題は何でもけっこうです。
    いただいたお便りにはかならず目を通し、
    その中から、
    「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
    の特集のなかで、
    少しずつ紹介させていただこうと思います。

    メールを送る

  •  

    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶