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読者のみなさんから届いたお便り #45

 
父方の祖父は日用品店の番頭でしたが、
徴兵され中国大陸に出兵し、
敗戦後、軍の車をかっぱらい(本人談)、
仲間と命からがら逃げて帰国したそうです。
その祖父は、まんじゅうを食べるときに、
まんじゅうの薄い皮(表面のつるつるした感じのところ)を
必ずむいて食べていました。
戦争中、中国大陸で虫が大量にたかって
真っ黒のまんじゅうを食べたそうで、
家に戻ってからも、どうにも
まんじゅうだけはそのまま食べられなかったそうです。
おそらく、黒いまんじゅう以上の塗炭の苦しみを
経験していたと思いますが、戦争経験者の多くの方と同じく、
多くを語らず、早々に旅立っていきました。
わたしは、つるつるした表面のまんじゅうを見ると、
なんとはなしに祖父のことを想います。
今、まんじゅうをのんびり食べられる暮らしがあるのは、
先人のあまたの苦労と忍耐があってのこと。
この夏は、あらためて、そのことを考えました。
(井上より)

2025-09-24-WED

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  • ヴェトナム戦争/太平洋戦争にまつわる
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    ご友人・知人の方、
    地域のご老人などから聞いた戦争のエピソード、
    感銘を受けた戦争映画や小説についてなど、
    テーマや話題は何でもけっこうです。
    いただいたお便りにはかならず目を通し、
    その中から、
    「50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶」
    の特集のなかで、
    少しずつ紹介させていただこうと思います。

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    特集 50/80 ヴェトナム戦争と太平洋戦争の記憶