春と秋の年２回、
連ドラがはじまるころに掲載される。
ほぼ日名物「連ドラチェック」です！
ほぼ日刊イトイ新聞が誇る、
超弩級テレビッ子、あややが
脚本家、森下佳子さんと
マンガ家、荒井清和さんといっしょに
今季の連続ドラマについて熱く語ります。
ときに本質をえぐり、しばしば昔話に花を咲かせ、
しょっちゅう脱線する、たいへん自由な雑談。
例によって長くなると思いますので、
どうぞのんびりおたのしみください。
進行は、ドラマのことはまったくの素人、
「ほぼ日」の永田が担当します。
味わい深いイラストは、
「沼のハナヨメ」でお馴染み、
「気仙沼のほぼ日」のサユミが担当。
それでは、はじめますよー！
ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積されたテレビの知識は無尽蔵。
漫画家・イラストレーター。高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、バラエティー番組などが好き。
キャラクターデザインを手がけた
『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』が
Nintendo Switch、PS4、Steamで配信中。
脚本家。『JIN-仁-』『白夜行』『義母と娘のブルース』
大河ドラマ『おんな城主 直虎』など、数々の名作を生みだす。
ＮＨＫ朝ドラ『ごちそうさん』で向田邦子賞を受賞。
新作の『だから私は推しました』も大好評。
- あやや
- じゃあ、つぎ行きますよー。
『グランメゾン東京』、どうでしょう。
- 荒井
- 木村拓哉さん主演。
- あやや
- そうです！
ご覧ください、このシェフ姿の木村拓哉さん。
しっくり来てますよねー。
私、見た瞬間に「似合う！」と思いました。
それもそのはずです。
木村さん、ビストロSMAPで、
毎週この格好してました！
- 森下
- そうだ、たしかに（笑）。
- 荒井
- 木村さん、こないだ
ほぼ日に糸井さんとの対談が載ってましたね。
- あやや
- そうなんですよー。
- 森下
- 読みました。あれは、ラジオ？
- ──
- はい。木村拓哉さんのラジオ番組の
ゲストに糸井重里が呼ばれまして。
そのときの収録を、
放送されなかったトークも含めて、
コンテンツにさせていただきました。
- あやや
- そんな木村拓哉さんが日曜劇場に登場です。
日曜日の夜のこの枠は、人読んで、
「働く人、応援枠」！
真剣に働く人が活躍するドラマが多く、
月曜から会社に行く人を応援するような枠です。
- 荒井
- 『下町ロケット』や『陸王』など。
- 森下
- で、今回はシェフ。レストラン。
- あやや
- これは、フランスの三つ星レストランに、
はじめてテレビカメラが入った、
というのが話題ですね。
- ──
- それは、ロケで？
- あやや
- そうです、パリでクランクインですよ。
やっぱり木村拓哉さんのドラマって、
気合の入り方が違うな、って感じありますね。
- 森下
- 昔はこういう大型企画のドラマって
年に何本かありましたけど、
いまは、あんまりないですからね。
- 荒井
- 『ニューヨーク恋物語』とか。
- あやや
- きゃーーー、そうそうそう！
ああいう特別な感じを思い出しますよね。
ドラマはお金じゃないですけど、
ふつうのドラマとはスケールが違う
豪華な企画がときどきあるのは、
ドラマ好きとしてやっぱりうれしいです。
なんだかテンションが上がってきたので
予告動画見ちゃいます。
‥‥じーーーー。
- 一同
- （予告動画鑑賞）
- あやや
- ‥‥やっぱ、かっこいいなー。
- 森下
- 木村さんねー。
- あやや
- ほんとかっこいいよ。
ちゃんと絵になるしね。
- 荒井
- 木村さん主演の映画、
『マスカレード・ホテル』を観たんですけど、
おもしろかったですよ。
ヒロインとのコンビネーションも
よかったですし。
- あやや
- 見た、見た。おもしろかった。
木村拓哉さんと長澤まさみさんの。
- 森下
- 東野圭吾さん原作の映画ですよね。
- あやや
- そうそうそう。
『検察側の罪人』は見ました？
木村さんと二宮さんの。
- 荒井
- あれもよかったです。
木村さんの映画、２つともよかった。
- あやや
- あ、そうですか。
私、『検察』はまだ見てないんですよ。
- 荒井
- なにも考えずに見られるというか、
どんどん引っ張られて、
けっこうたのしめました。
- あやや
- あー、見よう。
- 荒井
- だから、最近の木村さんの仕事は
安定してていい感じですよね。
だからきっとこのドラマも
たのしめるんじゃないかと。
- あやや
- 森下さん、お話としてはどうですか。
- 森下
- ある重大事件でどん底まで落ちたシェフが、
女性シェフと出会い、這い上がっていく話。
‥‥うーん、なんていうんでしょう、
なかなか動かしづらいお話だな、
というふうには思います。
- あやや
- というと？
- 森下
- これをどう膨らますのかな、と。
- 荒井
- ああ、なるほど。
最初ボロボロで這い上がっていく、
となると、ある意味、展開はわかっている。
ヘタしたら単調になってしまうかも。
- 森下
- すくなくとも、
「どうなるかまったくわからない！」
というタイプではないですよね。
だから、10週をどうもたせるのかな、と。
でも、それは逆にいうとたのしみでもあります。
予想どおりに成功するとしても、
どうやって成功するかは
何千通りの道があるでしょうし。
- あやや
- なるほどねー。
ちなみに脚本家はどなたでしょう？
- ──
- 黒岩勉さんです。
最近では『モンテ・クリスト伯』を書かれてます。
あとは『貴族探偵』『ストロベリーナイト』
『謎解きはディナーのあとで』。
- あやや
- あ、よさそう。
- 荒井
- いいですね。
- 森下
- ミステリーとか書くのがお上手なんですよね。
だから、レストランの話だけど、
そういう要素があってもいいなぁと思いつつ。
- 荒井
- ヒロインが鈴木京香さん。
一緒にレストランを立て直していく相方です。
- あやや
- いいコンビなんじゃないですか。
- ──
- ぼくがドラマの記憶を語るのもなんですけど、
天海祐希さんがこういう設定のドラマ
やってませんでしたっけ？
一流だったけど挫折して、
っていうところから上がっていくドラマ。
- あやや
- あった！ 『Chef』だ。
給食の話でしたね。
- 森下
- ありましたね。
キッチンカーでフレンチもやるんだよね。
- 荒井
- けっこう料理のドラマってありますね。
いま石原さとみさんも
レストランのドラマやってるし。
ちょっと‥‥数字はいまひとつみたいですけど。
- あやや
- 『Heaven?～ご苦楽レストラン～』ですね。
あれ、原作おもしろいらしいですね。
原作漫画のファンがうちの会社にいるんですけど、
「佐々木倫子さんの原作はあんなにおもしろいのに、
なんでああなっちゃうのかしら？」
って言ってました。
- 森下
- ドラマ化したらアレレ、って場合って、
原作リスペクトがなさすぎるときと、
リスペクトが過ぎるときがあると思うんです。
今回はおそらく原作リスペクトが強すぎ‥‥
な、パターンではないかと。
- あやや
- 不思議ですねー。
原作がおもしろくて、
それが好きでドラマにしようとしたら、
おもしろくなりそうなのに。
- ──
- ドラマに向いてる漫画と
そうじゃない漫画があるのかな。
- あやや
- だって、ドラマに向いてると思うから
ドラマにするわけでしょ？
しかも、ドラマづくりのプロが。
- 森下
- ドラマって、エピソードが
それなりのテンポで進んでいかないと、
けっこうダレるんですよ。
漫画のかたちで読むと、
やり取りがぐだぐだしてても
むしろそれがおもしろかったり。
ところが、それをそのまま映像にすると、
時間の流れがぜんぜん違うせいか、
妙に長く感じるんですよ、いろんなことが。
ドラマ見てて「話、ぜんぜん進んどらんやん！」
って感じることってないですか？
- あやや
- ある！ 思い当たりまくる！
- ──
- ‥‥なんだか、いま、我々は、
すごく貴重な話を聞いたんじゃないですか？
- 荒井
- そうですね。
本来はドラマづくりの人たちが
聞くべき話ですね。
- あやや
- 森下さん、すごい‥‥。
うちで講師とかやってくれないかな。
いまの話、脚本書かない人が
聞いてもおもしろいと思います。
- 森下
- そんなこと知りたい人、いる？
- あやや
- いる。
- ──
- いるいる。
- 荒井
- おもしろいですよ。
- 森下
- そう思うのはすっごい少ない数でしょ。
- あやや
- いや、あんがい、少なくない、たぶん。
みんな知りたいと思いますよ、
そういうこと。
- 森下
- そうかなぁ。
- ──
- さて、ぼちぼちまとめましょう。
この『グランメゾン東京』はどうでしょう。
- あやや
- 私は、けっこうたのしみです。
やっぱりこのゴージャスな感じ。
海外ロケっていうだけじゃなくて、
しっかりつくられてる感じがいい。
尾上菊之助さんも出るし、
及川光博さんも出るし。
- 荒井
- 主題歌は山下達郎さんです。
このドラマのための書き下ろしだそうです。
- ──
- おお、それはゴージャス。
- 森下
- 私はけっこう料理がたのしみですね。
やっぱりこういうドラマですから
料理が「おいしそう！」って見えるように
ものすごく力を入れているはずなので。
- あやや
- あ、実際に三ツ星をとったシェフが
料理の監修をするみたいですよ。
- 森下
- そういうのってけっこう大きいと思いますよ。
あと、いまの世界の料理の潮流を
ちゃんと反映させるはずだから、
そういうところもおもしろそう。
- 荒井
- ていうかこれ、見てたら絶対腹が減りますね。
だって、日曜の９時ですよ？
なんか、ご飯食べたのに、
見てたら「うわー、ピザ食いてぇ」みたいに
なるんじゃないかと。
- あやや
- 荒井先生、ピザじゃないです！
フレンチです！
パリにロケなんです！
ピザじゃないと思います！
- 荒井
- たとえばですよ、たとえば（笑）。
- あやや
- 森下さん、なにか気になるのあります？
- 森下
- ありますよ。
これ、『決してマネしないでください。』。
みんなけっこうノーマークじゃないかな。
- 荒井
- ほー‥‥たしかによく知らない。
漫画が原作なんですね。
- 森下
- そうそう、これねー、
原作、クソおもしろいんですよ！
- 荒井
- （笑）
- ──
- 「クソ」とか言うんじゃありません。
- 森下
- めちゃめちゃおもしろいの、ほんとうに。
まず原作読んで！
めっちゃおもしろいの。
私、激推しなんです、この漫画。
- ──
- さっき、あんなにクールに、
漫画の映像化について分析してたのに‥‥。
- 森下
- いやもう、読んで！
めっちゃおもしろいから！
- 荒井
- そこまで言われると、読みたくなります。
- あやや
- 待って待って、いまamazon開きますから。
ほう‥‥ほう‥‥。
- 森下
- これすっごいおもしろいの。
ほんとにおもしろいの。
これね、描いてる人が、
一生学習まんがで食っていこうと思ってた、
という変わった人で。
- ──
- へーー（笑）。
- 森下
- 蛇蔵さんという漫画家さんなんですが、
画像見ると、コスプレ系の美女なんですよ。
- 荒井
- えー！
- 森下
- しかも、話の舞台は、
東大とか東工大とかの物理や工学部の研究室で、
そこを取材しまくって描いたラブコメなの。
- あやや
- へぇー、それは読む。
- ──
- おもしろそう。
- 森下
- 科学史の話がいっぱい出てくるの。
ラボアジエはお金持ちだったんだけど、
すごい嫌われてて
フランス革命のときに処刑された、とか、
ガリレオ・ガリレイは超二枚舌だった、とか。
あと、もう、ちゃんと憶えてないけど、
なんとかの法則は
前にほかの人が発見してたんだけど、
その人が極度の人嫌いで発表しなかったから、
この人の功績になった、とか、
キュリー夫人がどれだけ恋愛体質だったか、
とか、そういう話がいっぱい出てきて‥‥。
- あやや
- すごい、絶対おもしろいですね。
- ──
- いまこの瞬間に読者を
もりもり増やしている気がする。
- 荒井
- 森下さんのこの推しで
Amazonの順位がどんどん上がりそう。
- 森下
- だけど！ ひとつだけ不安があります‥‥。
- あやや
- それは？
- 荒井
- それは？
- ──
- それは？
- 森下
- ドラマにして、おもしろいかなぁ？
- あやや
- うわ。
- 荒井
- そ、それは。
- ──
- 「一同（ずっこける）」と書いておきます。
- 森下
- 理系の偉人たちの逸話を
デフォルメしている部分は
ものすごくおもしろいんですよ。
でも、ラブコメ部分ってわりと起伏がなくて、
まあ、そのギャップがおもしろいんだけど、
ドラマになると‥‥どうだろう？
- ──
- 漫画の映像化について
的確な判断をする森下さんが
不安だと言うと、たしかに不安。
- 森下
- いや、でも、それは
私が漫画が好き過ぎるからかも。
漫画は、ほんっとにおもしろいの！
- ──
- 森下さんがこんなに推すのは、
ほんと、めずらしい（笑）。
- 森下
- 原作を読んでほしい。ぜひ。
- 荒井
- 激推しですね（笑）。
- 森下
- だって、もっと早く見つけてたら、
「絶対やりたい！」って言って、
自分で企画持っていったかも。
そのくらい、すんげーおもしろい。
アホほどおもしろい。
- ──
- 「アホほど」とか言うんじゃありません。
- あやや
- 主役は小瀧望さん。連ドラ初主演だそうです。
- 荒井
- ジャニーズWEST所属。
あと、このラウールさんという人も
ジャニーズの人ですね。
- あやや
- 原作のファンとしては、
どうですか、主役のキャスティング。
- 森下
- まだわからないんですけど、
がんばってほしいです。
- あやや
- ちなみに、森下さんが知ってる人で、
自由にキャスティングしていいって言ったら
主人公は誰にしますか？
- 森下
- えーー、誰だろう。
あ、平野紫耀くんに出てほしい。
ぜんぜんキャラあってないけど（笑）。
- あやや
- 好きなだけ（笑）。
- 荒井
- キンプリですか。
- 森下
- そう。
- あやや
- 森下さんが、平野紫耀くんが
好きだというのははじめて聞きました。
- 森下
- ほんと？
- 荒井
- ジャニーズのいまイチオシのグループの
ど真ん中ですよね。
- あやや
- キンプリなら、私、永瀬廉くんが好き。
- 森下
- 紫耀くん、かわいくないですか？
ちょっとかわいい犬みたいで、
なんかもう「かわいい」しか出ない。
- あやや
- 平野紫耀くんって、
天然エピソードがたくさんありますよね。
舞台あいさつで、
「未来へ向けてがんばりたいことはなんですか？」
と訊かれたとき、
「歯ぐきが弱くて、
やわらかいハブラシを使っているので、
徐々に硬くしていきたい」って答えたり。
- 荒井
- なんすかそれ（笑）。
- 森下
- いい、かわいい（笑）。
天然の女王、綾瀬はるかちゃんと
セットで何かに主演してほしい。
- 荒井
- 綾瀬さんの天然もすごいですもんね。
- 森下
- 私ね、やっぱり、ボケって
世界を幸せにすると思うんですよ。
だから、そういう話を‥‥。
でも、私、ツッコミ型の
アンハッピー野郎だからなぁ。
ボケが世界を救う話をか、書けるかなぁ‥‥。
- あやや
- 書きましょう、森下さん！
それは見たい！
で、主演が平野紫耀くんと綾瀬はるかさん！
- ──
- いいですか、みなさん。
平野紫耀さんも綾瀬はるかさんも
このドラマには出ません！
- あやや
- はいはい、戻ります。
あらためて、
『決してマネしないでください。』、
ドラマとしてはどうですかね？
- 森下
- まあ、ちょっと心配要素もあるけど。
- 荒井
- マキタスポーツさんがいますね。
- 森下
- そうそう。
それはちょっとよさそう。
あとは‥‥わかんないんですよねぇ。
- ──
- ドラマの話になると冷静になりますね。
- あやや
- 公開されてる情報が少ないというのもある。
- 森下
- でもね‥‥漫画はおもしろい！
- ──
- わかりました、わかりました（笑）。
- 荒井
- ははははは。
- 森下
- 私、断言する。永田さん、絶対好き。
- ──
- ははははは。
- 森下
- 永田さんは間違いなく好き。
- ──
- わかりました、絶対買います。
- あやや
- 私も買いましたよ。
いま、amazonで。Kindleで。
- 荒井
- いま買ったの？
- ──
- 座談会の収録中に漫画を買うとは（笑）。
- 森下
- みんなもいま買おう！
- ──
- じゃあぼくもいま買いますよ。
いやぁ、連ドラチェックは
12年くらい続いてますけど、はじめてですよ、
話しながら漫画を買うのは。
‥‥はい、買いました。
- 荒井
- ちなみにこのドラマは
『だから私は推しました』の枠ですね。
- 森下
- そうなの、ＮＨＫのよるドラ枠。
できれば、私、連続で担当したかった。
- ──
- はははは。
- あやや
- かつてこんなに森下さんが
ここで何かを推したことってあった？
- 荒井
- そのぐらいおもしろいんだ。
- 森下
- もう、ほんっとおもしろかったの、漫画は。
って言うと、ドラマが心配、
みたいに聞こえるかもしれないけど、
そんなことないです。
ドラマはまだわからなくて、
漫画は知っているというだけ。
むしろ、原作のファンとしては
ドラマも応援しています！
‥‥はーー、すっきりしました。
- あやや
- 思いの丈をぶつけましたね。
- ──
- 月９がまだですね。
- あやや
- はい、『シャーロック』。
主演はディーン・フジオカさんです。
- 荒井
- これは、あの路線ですか。
『モンテ・クリスト伯』とか、
『レ・ミゼラブル』。
- あやや
- 完全にその路線でしょう。
いまや、ディーン・フジオカさんは、
外国原作専門俳優みたいになってます。
- ──
- 「外国原作専用俳優」（笑）。
- 森下
- あやや、その切り口は新しい（笑）！
- あやや
- だって、そうじゃないですか？
- 荒井
- 「外国原作専用俳優」（笑）。
- ──
- ナンシー関さんの消しゴム版画で
ディーン・フジオカさんがあったら
その文字が書いてありそう。
- 一同
- 「外国原作専用俳優」（笑）。
- 森下
- たしかにそういう属性があるとしたら、
ぴったりはまりますね。
- あやや
- だって、ディーンですからね。
- ──
- で、今回の「外国原作」は、
コナン・ドイルの
シャーロック・ホームズですね。
- あやや
- 私、Netflixで海外ドラマの
『シャーロック』観てるんですけど、
わかりやすくておもしろいんですよ。
そもそも、世界中の人が
知ってる設定じゃないですか。
シャーロック・ホームズとワトソンくんと、
モリアーティ教授っていう。
で、その設定がそのまま活かされてて、
現代劇になってるんですよ。
- 森下
- うん、うん。
このドラマも理想形としては、
そうなることなんだろうね。
- ──
- 「誰もが知ってる設定」っていうけど、
うちの子どもとかと話していると、
そういうの、意外と知らないんですよね。
ぼくらからすると、ホームズもルパンも、
知ってるのがふつうなんだけど。
- 森下
- あ、わかります。
うちの子も知らないと思う。
- ──
- だから、「名探偵コナン」のコナンって、
「コナン・ドイルのコナンでしょ」って言うと、
「誰それ？」って言われたりする。
- 荒井
- へーー、そうなんですか。
- ──
- ぼくらが当たり前に読んでたものは
やっぱりぼくらの時代のものですからね。
- あやや
- そうか、そうか。なるほどね。
だとすると、シャーロック・ホームズって
キャラクターや設定が
すごくしっかりしてるじゃないですか。
「なんとかだよ、ワトソンくん」っていう
妙に高飛車なしゃべり方とか。
それを、ふつうに忠実にやれば、
いまの子たちが観たときに、
はじめての「おもしろい物語」として
受け止められるかもしれないですね。
- 森下
- そうだねー。
「このドラマではじめて
シャーロック・ホームズを知りました」
ってなるのは、理想かもしれないですね。
- 荒井
- これ、名前は、また、
無理やり日本の名前にするんですかね。
- あやや
- ディーンフジオカさんが、
シャー‥‥なんとか‥‥？
- 荒井
- シャラクさんとか（笑）。
- ──
- 手塚治虫先生の『三つ目がとおる』は
そういう感じでしたよ。
主人公が写楽保介（しゃらく・ほうすけ）で、
ヒロインが和登千代子（わと・ちよこ）。
- 荒井
- あ、ここに役名が書いてありますね。
主人公、つまり、
シャーロック・ホームズ的存在は、
犯罪捜査専門コンサルタントの‥‥
誉獅子雄。ほまれ・ししお？
- ──
- え。
- 森下
- なぜ？
- あやや
- なぜ？
- 荒井
- なんだそれは。
- ──
- うーん‥‥。
シャーロック・ホームズ的な
名前にしなかったということ‥‥？
- 森下
- ほまれ‥‥ししお‥‥
ししお‥‥ほまれ‥‥
しゃー‥‥‥‥ほー‥‥
- 荒井
- あ‥‥「ほまれ」が「ホームズ」か。
- あやや
- そうかな。それっぽいですね。
- ──
- ししお‥‥ほまれ‥‥
ししゃーろっく・ほまれ‥‥。
- 森下
- ははははははは。
- 荒井
- 「し」と「ほ」は合ってる。
- あやや
- ワトソンくんは？
ていうか、そもそも誰がやるの？
- あやや
- ワトソンくんは、誰がやるの？
- 森下
- ガンちゃんですね。岩田剛典さん。
- 荒井
- 役名は？
- ──
- ええと。岩田剛典さんが演じる
「ジョン・ワトソン」にあたる
存在の役名は‥‥
「若宮潤一」だそうです。
- あやや
- わかみや‥‥じゅんいち
じゅんいち‥‥わかみや
じゅん‥‥わか‥‥
ジョン・ワトソン！
- ──
- 最後、無理があったぞ！
急にワトソンになった！
- あやや
- いいんですよ、うるさいなぁ。
- 森下
- 佐々木蔵之介さんが演じるのは、
モリアーティ教授なのかな‥‥。
- 荒井
- 名前は、江藤礼二警部。
えとう‥‥れいじ‥‥。
- ──
- あ、それはたぶん、
レストレード警部です。
ホームズに捜査を依頼する人。
- 荒井
- えとうれいじ‥‥
えとれいじ‥‥
れすとれーど‥‥
工夫の跡が見えますね。
- あやや
- 名前のほうはそのくらいにして、
ドラマの脚本は、井上由美子さんです。
- 森下
- おもしろいミステリーを書かれる大ベテラン様です。
最近ではキントリとかやってらっしゃいますよね。
『緊急取調室』。
- あやや
- 期待しちゃいますね。
しかし、「月９」はもう、
完全にこういうミステリー路線に。
- 森下
- 『監察医 朝顔』も「月９」でしたよね。
ちょっとテレ朝っぽい感じの枠になった印象。
まぁ、若い子に向けてつくっても、
いまはなかなか数字が取れないから、
これはこれで正しい選択なのかな。
- 荒井
- お、そしてディーンさんが
主題歌を歌いますよ。
- あやや
- 出た、主人公が主題歌うたっちゃうパターン。
彼、歌のときは英語表記なんですよ。
「DEAN FUJIOKA」。
『モンテ・クリスト伯』でもそうでした。
- 森下
- ディーンさんとガンちゃんが
コラボしちゃったら、どうする？
EXILE TRIBE featuring DEAN FUJIOKA。
- あやや
- それは（笑）。
- 森下
- いや、ないとは言い切れないよ。
そのあたりはむしろディーンの魅力。
ポテンシャル。
- 荒井
- ディーンさんって、
けっこう、型破りなんですよね。
- あやや
- たしかに、なにやるかわからない
おもしろさがありますよね。
これ、ホームズを
どうアレンジしてくるのか、たのしみですね。
原作しっかりしてるし、
井上由美子さんだったら、
勝ちに行っていいんじゃないですか。
- 森下
- 変なことには絶対ならない気がします。
（次回、最終回ですー）
2019-10-15-TUE
