愛と言うには  ちょっと足りない。  『モテキ』をめぐる、とても自由な座談会。

第5回 しお顔が好きなんです。

ハマケン 主人公の幸世って、
これ、二枚目なんですか?
糸井 そうだ、それは訊かなきゃ。
森山 演じるぼくがいちばん気になる(笑)。
どっちなんですか?
久保 「しお顔」って言ってるんですけど。
ハマケン しお顔?
久保 ソースでもなく、しょうゆでもなく、しお顔。
まぁ、わたしが、しお顔好きなんですよ。
で、例えて言うなら
星野源さんみたいな顔です。
一同 (爆笑)
ハマケン ええ?!
ええええーーーー!
じゃあ、ひょっとして幸世は‥‥。
久保 最初はけっこう、星野さんをイメージしてました。

星野源さん(SAKEROCK)
『はらよわ男のハラマキづくり。』より

ハマケン あああ‥‥そうなんすか‥‥。
一同 (笑)
久保 ああいう、しおっぽい顔が好きで。
ハマケン なんなんですかねぇ、なるほどねぇ‥‥。
森山 正直なことを言うと、
いまはもうそんなことないんですけど、
最初に役をイメージしてるとき、
ぼくの頭に星野源が、ちらちら、ちらちら‥‥。
糸井 え、ほんとに?
久保 やった(笑)、伝わった!
一同 (笑)
糸井 わかるんだねー。
久保 よかったー、これを伝えられて。
今日、いちばんいい仕事をした(笑)。
ハマケン うーん‥‥。
久保 どこのジャンルにも属してない感を
幸世の味にしたかったので。
ハマケン うーーーん‥‥。
久保 それが、まあ、しお味なんですよ。
ハマケン だから、シンプルデザインってことですよね?
久保 そうです。
ハマケン 腹立つなあー!
一同 (爆笑)
ハマケン しお顔は、おまえずるくないか? っていう。
久保 ちょっと口が三角に開くからって。
ハマケン そうそうそう!
糸井 口が三角?
久保 星野源さんは笑ったときに口の形が
すごいきれいな三角形になるんですよ。

星野源さん(SAKEROCK)
『はらよわ男のハラマキづくり。』より

久保 あの口が好きっていう意見が、
星野源好きのあいだでは一致してます。
糸井 じゃあ、その星野源さんが、
久保ミツロウ先生と
密室でふたりになるのはどうですか?
久保 それは‥‥扉をこじ開けて逃げますよ。
ハマケン 逃げちゃう(笑)。
久保 これ以上、この人に接しちゃいけない(笑)。
森山 ははははは。
久保 だから要は、わたしは星野源が好きだけど、
星野源を理解をしたくはないんですよ。
ハマケン あ、いいと思います。
一同 (笑)
ハマケン みんなね、シンプルデザインだと思って、
星野源に近寄るんです。
でも、シンプルなだけのわけは
ないじゃないですか。
糸井 シンプルデザインでも、ちんこついてるからね。
ハマケン そうです!
糸井 ちんこ部分はねぇー、やっかいです。
急にダッシュをかけたりするからね。
一同 (笑)
ハマケン でもまた、そのちんこも、
なんかきれいに描こうとするんですよ。
糸井 さらりと(笑)。
ハマケン そう、さらりと。
よく知ってるんです、自分を。
腹立つなぁー!
一同 (笑)
糸井 いま腹を立てられてる、
源ちゃんがちょっと気の毒になってきた。
久保 (笑)
糸井 星野源さんと、ぼくはそんなに
みなさんみたいに会ってないけど、
人をやさしくしそうな人ですよね。
ハマケン ああー、わりとそうなんです。
純粋‥‥っていうか、
純粋って言っちゃいけないのかもしれないけど、
うーん‥‥。
久保 とにかくまぁ、幸世っていうのは、
才能がない星野源だと思ってください、ほんとに。
ハマケン そうですかあ。
糸井 いま「才能」っておっしゃったのは、
原始人であれば肉を取ってくる力ですよね。
久保 そうですね、ほんとに辿れば。
糸井 そこのところがあると、わたしは安心だ。
だけど、その源ちゃんとふたりになると
逃げちゃうっていうのは、
やっぱり自分に仕事があるからでしょうね。
久保 いや、そんなことないですよ。
糸井 そうですか。
久保 いや、単にわたしは‥‥(笑)。
なんでこの話を掘り下げなきゃいけないんですか。
一同 (笑)
糸井 掘り下げなきゃダメ(笑)。
ここまで来たんだから。
森山 扉がすこし開いてきましたね。
一同 (笑)
久保 ‥‥あの、だって‥‥
好きな人はいちばん苦手なんですよ。
一同 ‥‥ああーー。
糸井 ‥‥みんなそうだよね。
久保 嫌われるのもいやだし。
たぶん星野源はわたしみたいなの
好きじゃないでしょ、
バーン!(扉を閉める仕草)
一同 あーー(笑)。
糸井 閉める芝居が、どんどん上手になってる(笑)。

(つづきます!)

2010-07-21-WED


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(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社