秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます

その3 遠いたのしみのために。

「手紙社」代表の北島勲さんが、
たまたま糸井と同じ高校の後輩だったということが
この集まりをリラックスムードにしたのでしょう。
お話が進むうちに、
なんだかいつもの社内ミーティングの雰囲気に‥‥。


手紙社のみなさん
(右から北島さん、わたなべさん、セソコさん)
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糸井 「もみじ市」っていうのは、
1年に1回なんですよね?
わたなべ はい。
以前は年に2回だったんですけど。
セソコ いまは秋に1回です。
糸井 ‥‥最初に北島さんが
ぼくの後輩だって聞いたりしちゃったもんだから
どうしてもこう、
ちょっと社内のミーティングみたいに
話してしまうんですけど。
北島 はい(笑)。
糸井 1年に1回っていうのがたぶん、
ぼくが聞いた感じでは
もったいない気がするんです。
北島 それは、回数を増やしたほうがいい?
糸井 ネタが尽きる苦しみを得たほうがいいんです。
次々におもしろいことするのは大変ですけど、
苦しんだときに何かが鍛えられるから。
負荷をかけないとアイデアは出ないんですよ。
北島 ‥‥そっちの方向ですか(笑)。

糸井 すみませんね、ほんとに(笑)。
でも、北島さんがうちの社員だったら、
「ちょっと、春をどうしてやめたの?」
ってぼくは言うと思うんです。
北島 うーーん‥‥。
杉江 あの‥‥。
年に2回あったときは、たのしかったです。
春と秋の違いも、たのしめたし。
春の「花市」がなくなったときは、
正直ちょっと残念でした。
でも、きっとたいへんなんだろうな、
っていうのはなんとなくわかったので、
1年に1回たのしもうと
気持ちを切りかえることはできました。
「もみじ市」ファンの人たちは
そうやって納得してると思うんです。
1回になる分、そこに集中できるから、
もっとすごい「もみじ市」になるんだ、
と期待もできますし。
だから、なんというか‥‥
とにかく毎年たのしみなんですよ。
たのしみなだけじゃなくて、
おこがましいんですけど、
「次はどうするんだろう?」
って心配にもなるんです。
でもかならず、
「わー、こうきたあ!」
って応えてくれるのが、
もう、すっごくうれしくて!
興味が尽きないんですよ。

糸井 ‥‥熱いなぁ(笑)。
スギエ すみません、また‥‥。
糸井 スギちゃんはこんなにしゃべんないからね。
ずーっとためてたものが、
ほとばしった感じだよね。
いやぁ、いいと思う。
北島 うれしいです。
お客さんからメールを
いただいたりもするんですけど、
こうやってじっくり直接
「もみじ市」の感想をうかがえる機会って
案外すくないんで、
すごくうれしいですね。
糸井 そんなスギちゃんもほんとうは、
2回あったほうがうれしかったわけで‥‥。
だから、なんだろう、
1回やる力がある人が2回やる場合、
たいへんさはそんなに変わらないんですよ。
2回を1回にしても同じなんです。
北島 うーん、でも糸井さん、
2回を1回にするときに、
「1回にします」って、
けっこうおおげさに宣言したんですよ。
それをまた2回に戻すっていうのは‥‥。
糸井 4回にすればいいんです。

一同 (しばし間があって、爆笑)
北島 4回‥‥(笑)。

糸井 だって、たのしみにしている
お客さんがいるんだから。
作家さんたちだって、
年に1回のサイクルで出したい人がいれば、
2回の人も、4回ぜんぶ出したい人も
いろいろいるはずですよね。
作家さんごとにリズムは違いますからね。
だから、
「もみじ市は楽譜でいうと小節になります」と。
「リズムの打ち方は
 あなたの好きなところで入ってください」
ってなれば、みんなが納得できますよね。

‥‥ほんとすみませんね、
社員に言うように言ってしまっている(笑)。
北島 いや、でも実際そうなんです。
具体的なことをいえば
レモネードを出しているチームからは
「春のほうがいい」って言われたこともあります。
糸井 柑橘系は春においしいからね。
農作物に関わる人は、
その季節だけっていうのは
すごいハンデですよね。
わたなべ そうですねぇ。
糸井 スギちゃんはさ、
4回あれば4回いくでしょ?
スギエ それはもう!
4回になりましたって言われたら、
「スッゴイ!」って思う!!
糸井 あいつら何考えてるんだ!(笑)
おそろしいぞ、すごいぞ!
って思うよね?
そういうのって、しびれるんですよ。
北島 うーん‥‥。
わたなべ どうしましょう(笑)。
セソコ 年に4回(笑)。
糸井 や、すみません、ほんとうに。
何度も言いますが、
ついつい社内ミーティングみたいに
しゃべってしまいました。
「1年に1回かならず来るよ」
っていう馴染みかたも、
もちろんあると思います。
わたなべ よかった(笑)。
スギエ あの、わたし、
ずっと考えていたんです。
「もみじ市」と「ほぼ日」で
なにかおもしろいことができないだろうかって。
お互いにとってうれしいことが、
何かあるんじゃないかって‥‥。
けっきょくまだ何もみつかってないんですけど、
何かがありそうな気がしてしょうがないので、
その予感を信じてやるしかないと思ってます。
でも、できることは真っ正面からの
取材しかないんですけど‥‥。
なので、あの、
よろしくお願いします!

北島 こちらこそ、よろしくお願いします。
糸井 いいなあ、ほんとに(笑)。
前向きだね!
文房具以上に前向きだね!
わたなべ ありがたいです、
そんなふうに言っていただいて。
セソコ ぼくらもがんばらないと。
糸井 みんなたのしみにしてますからね(笑)。

いつか、あれですね、
もしかしたら何かを
いっしょにできるかもしれない
っていう可能性を
それぞれの頭に入れておきましょうか。
そういう、遠いたのしみがあると、
お互い励みになるじゃないですか。
北島 そうですね。

「手紙社」のみなさんに、
はじめてお会いしたときのレポートはここまでになります。
北島さん、わたなべさん、セソコさん、
こんなアウェーの環境の中で、
しかも「ほぼ日」の社員同士のような
ざっくばらんな会合になってしまい失礼しました!
でも、とてもたのしかったです。

後日われわれは、
「手紙社」さんのホームにうかがって、
あらためて「もみじ市」のお話を聞かせていただきました。
次回は、そのレポートをお伝えしますね。

(つづきます)


2010-10-01-FRI
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