アテネの中心部に、リカビトスという丘があります。
アテネのシンボルと言えば、
パルテノン神殿のあるアクロポリスの丘ですが、
個人的にはこのリカビトスの丘に愛着があります。
高さで言えばリカビトスの方が高く、
頂上にはアギオス・ゲオルギオス(セント・ジョージ)教会があります。
古代ギリシャ宗教に代表されるパルテノン神殿に対抗すべく、
より高いところに作る事で、
キリスト教の権威を示したかったと思われます。
その佇まいが、なんだかおとぎ話に出てくる
曰く付きのお城の様でなんとも好きなのです。
お姫様や王子様の住む華々しいお城じゃなくて、
人々に忌み嫌われているモンスターとか
魔王が住んでいるような、そんな感じ。
子供の頃大好きだった映画「ラビリンス」を思い出します。
このリカビトスの丘には何回か登ったことがありますが、
夜登った時にどこからかばしばしと叩くような音が聞こえて、
その時誰かが「あの音はこうもりだよ。」
と教えてくれたのです。
実際にはそれが本当なのかどうかはわからないのですが、
私の妄想していたお城のイメージにぴったりで
嬉しくなりました。
まぁ最初にご紹介している通り、
お城ではなくて教会なんですけどね。
私にはなんとも妖しげでロマンチックに映るのでした。
升ノ内朝子
2016-12-12