猫の日恒例のインタビュー、
今年は槇原敬之さんにお話をうかがいました。
長年たくさんの犬と暮らしてきた槇原さん、
「まさかぼくが猫の取材を受けるとは」と笑いながら、
ある日突然家族の一員になった
猫の「ドラミちゃん」のことや、
犬と猫がいる日々の暮らしを
たのしく語ってくださいました。
聞き手はふじたと、ドコノコチームのタナカです。

1.「犬の槇原」が猫を飼う。

(槇原さんが猫とともに入ってくる)
ふじた
‥‥わっ、連れて来てくださったんですか。
槇原
はい、ドラミといいます。
事務所にはめったに連れて来ないんですけど、
めずらしく捕獲に成功しまして(笑)。
ふじたタナカ
かわいい~!
今日はどうぞよろしくおねがいします。
槇原
よろしくおねがいします。
まさかぼくが猫の取材を受けるとは(笑)。
マネージャーさん
ほんとに。
槇原
だって、犬の槇原‥‥って言われてたんですよ。
ふじた
長年、たくさんの犬と暮らされてますもんね。
槇原
そうなんです。ずっと犬がいて、
いまは、フレンチブルが2匹。
ふじた
そんな槇原さんが、猫とも暮らそうと思われた
きっかけは何だったんですか。
槇原
これがもう、乱暴な話でございまして。
ぼくの誕生日に、同じ会社の仲間が突然、
「これ、あげる」と言って、
ドラミちゃんを連れて来たんです。
タナカ
え、何も意向を聞かずに、ですか?
槇原
はい。
うち、動物がいっぱいいるので、
「猫が増えても大丈夫でしょ」
みたいな感じだったんでしょうね。
「ええっ!」となって。
でもぼく、
もともとすごく猫と暮らしたかったんですよ。
ふじた
そうなんですね。
槇原
犬も猫も好きなんです。
前にも、うちのマンションの前に
捨てられていた猫がいて、
「じゃ、もう、うちで飼おうか」なんて言って、
拾って帰ったことがあります。
でも大人の猫だったからか、
うちに犬が多かったからか、
ずーっとカッカカッカ言っちゃって、
ストレスを感じていそうだったので、
やむなく、知り合いの家で
暮らしてもらうことになったんですけどね。
でもそのときから「やっぱり猫、かわいいな」と。
タナカ
でも、突然「あげる」って、
なかなか乱暴な話ですね。
槇原
ぼくもびっくりしました。
ただ、ぼくは、生きものについては、
自分のところに来たら、
それはもう縁だから受け入れようと
思っているんです。
しかも、めちゃくちゃかわいかったので。
ふじた
(ドラミちゃんを見ながら)
確かにかわいい‥‥。
槇原
そうなんです。
犬も猫も鼻がぺっちゃんこの子が好きで。
もちろん普通の猫でもいいなと思っていたんですけど、
この子と出会って縁ができて、
猫ライフがはじまりまして。
今年でもう4年目、かな。
ふじた
出会ったばかりの
ドラミちゃんは小さかったですか?
槇原
ちっちゃい!
(両手を合わせて)こーんなでしたよ。
何ヶ月だったかな。
マネージャーさん
3ヶ月くらいですね。
3ヶ月未満は親猫と離しちゃいけないということで、
それまではブリーダーさんが
育ててくださってたみたいです。
槇原
そうそう。
で、もらった場所がまたすごくて、
静岡の浜松なんです。
浜松公演の前日にみんなが、
ぼくの誕生日パーティーを開いてくれたんですけど、
そこに、いきなり、猫が。
タナカ
公演中に‥‥!
槇原
びっくりですよね(笑)。
いまは、そういうことはないんですけども、
そのあと説教しましたからね。
「生きものをくれるときは、
前もって相談してくれ」と。
ただ、ぼくの性格って、
「じゃあ、まあ、しょうがない」と言って、
捨て犬とかもすぐ拾うほうなので‥‥。
ふじた
もともとは、もっとたくさんの
犬がいたんですよね。
ドラミちゃんが来たときは
何匹くらいいたんですか?
槇原
えっと、そのときは6匹かな。
デビット、マーガレット、ダイアナ、
ジュニア、ヤクルト、チャーリー‥‥
タナカ
すごい。
ふじた
ドラミちゃんを迎えたときの、
みんなの反応はどうでした?
槇原
前の子のこともあったので、
もう慣れさせるしかないと思って、
子猫のドラミをみんなの前に
「はい」って出したんです。
みんな、じいーっと見てました。
で、大丈夫だったんですけど、
いちばん年下の2匹が、じいっとドラミを見た後に、
パクッてしたんですよ。
もちろん甘噛みですけど、あせりましたね。
そんなことがあったんですけど、
ドラミはそれでも、自分と目線が同じ犬たちに
どんどん心を開いていきまして‥‥。
先に仲良くなったのは、
ぼくじゃなくて犬たちのほうです。

▲犬とも仲良し。

タナカ
へえーー!
槇原
かわいいんですよ。
犬と一緒に寝たり、
犬のあとをちょこちょこ追いかけ回したり。
あと、ドラミをベッドに上げると、
そこにいたお姉ちゃんの犬が
ドラミの毛繕いをはじめたり。
「うわーっ、いいなあ」という状況が、
しばらく続きましたね。
ふじた
見ているだけで癒されそうですね。
それにしても、いきなり
「はいっ」と見せるのもすごいです。
最初はケージとかに入れて、
そっと反応を見ながら慣れさせていく、
と聞いたことがありますが、
槇原さんのほうでも、
迎え入れる側に受け入れ態勢があるって
信じていたところがあるんでしょうか。
槇原
そうですね。
動物って、種類に関係なく小さい子に
やさしくすると聞いていましたし、
実際、そうでした。
うちの犬にしてみたら、
「また増えたな」
「しょうがねえな」みたいな感じだったんでしょうね。
あと、この子があんまり機敏ではなくて、
ドスッとしているので、
それもよかったのかもしれません。
ふじた
たしかに、おっとりしている感じですよね。
さきほど、捨てられていた猫を
一瞬飼おうとしたことがあると
おっしゃってましたけど、
それより前に猫と暮らしたことは‥‥。
槇原
なかったです。
ちゃんと暮らしたのは、この子がはじめてです。
だから、最初は戸惑ってばかりでした。
犬なら「おいで!」と言えば、
ビューッと来るんですけど、
猫はどこに行ったのかもわからないし。
最初のころ、今から出かけなくちゃいけないのに
ドラミがいない、となって、
小1時間探したら、なんとお米の袋の中に。
タナカ
お米の袋!
ふじた
かわいい‥‥!
槇原
犬、とくにうちの犬の種類だと
ガチャガチャ足音がするので
近くにいるのがわかるんですけど、
猫はまったく音がしないので、
どうしていいのか最初は困りましたね。
タナカ
猫は爪を出し入れできますからね。
フローリングでも音がしない。
槇原
そうなんですよ。
そういうことも最初は慣れなかったです。
最初の1年くらいは、
ぼくが猫の習性を勉強していく、みたいな感じでした。
お恥ずかしい話、最初はあまりに
犬との生活に慣れていたので、
まったく反対の習性の猫が来て、
「なんでこう、自分たちの思ったとおりに
いかないんだろう」
と悩んだこともあったんです。
でも、そこで
「あっ、思ったとおりにいかない生きものなんだ」
と気付いてからは
逆にそれがいいと思えるようになりました。
「いや、寄ってこないですよね」と思っていて、
忘れたころに突然やってくる。
そういうことがだんだんわかってきました。
ふじた
たしかに。
犬との暮らしに慣れたあとだと、
違いに驚くかもしれないですね。
槇原
ただ、唯一、猫じゃらしを見せたときは、
シャーッて飛んで来てくれるんです。
うちの犬の場合は、おもちゃで遊びたいときと、
遊びたくないときがあるんですけど、
猫って猫じゃらしを見せると
必ず来てくれるじゃないですか。
ふじた
はい。子猫のころはとくにそうですよね。
槇原
そうなんです。
ぼく、それにだいぶ心を癒されました。

(つづきます)

2019-02-22-FRI

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