ほぼ日

では、みなさまからいただいた
メールをご紹介します。

町田

はい、よろしくお願いします。

ほぼ日

（パソコンを出す）この画面で、お読みください。

友森

はい、わかりました。

町田

‥‥‥‥。

ほぼ日

という、メールでした。

町田

えっと、すみません。
いまの早さでは、
あまり理解ができませんでした。

ほぼ日

すみません、スクロールが早すぎたようです。
もういちどゆっくり、頭からいきましょう。

町田

あと、もうすこし、
文字を大きくしていただいていいですか。

ほぼ日

はい。これでいいでしょうか。

町田

あ、読めるようになりました。
すみません、ひとりのわがままで。

ほぼ日

いえいえ、いいんです。
えーと、お母さんがいなくなって‥‥

町田

〈母が他界して半年後にやってき〉て、
〈その犬はいま12歳〉だと。ふむふむ。
つまりは〈母が他界したのは12.5年前〉と
いうことですね。なるほど。それで？

ほぼ日

で、親戚は
母がいなくてさみしくしている、と‥‥

町田

ちょっと待って。
まだそこ、言わないで！
ちょっと待って（笑）。

一同

（笑）

町田

ええと
〈もともと犬を飼っていた親戚の家でうまれ、
　飼ってもらえないか〉
‥‥ということは、犬が生まれちゃったわけですね、
その親戚の家に。
何犬（けん）なんでしょうね。

友森

雑種なんでしょうか。

町田

お、これはいいですね、
〈５～６回散歩に出かけ〉、
ん？
〈家族が帰ってきたら「おかえり」と迎えてくれ〉る？
散歩に行ったのに、なんで家にいるの？

ほぼ日

そこは、別の話題に移ってるんです。

町田

ここ「、」ですけど。

ほぼ日

ええと‥‥ではここは
「。」を打って読みましょう。
〈散歩に出かけ〉ます。

町田

ます。
家族が帰ってきたら迎えてくれて、
〈それ以外は眠る〉
まぁ、12歳ですからね。
それで、そうそう、ここがポイントですね。
〈共に生きることが心の平穏を与えてくれます〉
〈なので、やはり母が姿を変えて、
　また帰ってきたのかなと〉
‥‥‥‥と、すみません、
ぼくは理解しようとしているだけなのですが、
こんなふうに時間がかかってしまいます。

ほぼ日

大丈夫です。

町田

私の頭が悪いんで、すみません。
しかも大阪人なんで
思ってることは全部
口に出してしまいます。

友森

そうか、大阪で（笑）。

町田

黙って考えられないんです。

友森

犬も関西弁ですもんね。

ほぼ日

（犬も関西弁？　本のなかで‥‥？
　まぁいいか、先にすすみましょう）
ええっと、メールによりますと、
毎日同じことの繰り返しだけど、
いっしょにいてたのしい、とおっしゃっています。

友森

うん。
実は人間の私たちも、
毎日同じことを繰り返してますもんね。

町田

この犬は家族に迷惑をかけず、
近隣の人にも心の安らぎを与えている。
いい家に飼われてよかったなと思います。
12歳で元気で病気もしないというのは、
飼育が間違ってないということだと思います。
しかしあれですね、
このメールでは知ることのできない部分を
もう少し読みたかったです。
それは、犬にしてもらうこともあるけれども、
自分が犬にしてあげられることはなにかな、
という観点です。
もちろん、やってらっしゃると思いますので、
そこを読みたかったです。
この犬がいいというのは、
自分らにとって「いい」わけですけど、
犬にとって「いい」ことも読みたいです。

ほぼ日

よく面倒をみている人でも、
それをわからずに
「やってもらってるんだ。ありがとう」
と思いがちですね。

町田

犬が人間にできることよりも、おそらく、
人間が犬にできることのほうが多いと思うんです。
散歩にこんだけ行ってらっしゃるわけやし、
あると思うんですよ。

友森

うん、５～６回ね。
すごいです。

町田

メールに「。」打たないのは、
そら、散歩に５～６回行ってるからでしょうね。
すっげえ忙しいですよ。
いまみんな、忙しいもんね。

友森

朝昼晩と３回行く人はいるけど、
６回はすごいです。
齢にもよるけど、
12歳すぎたらだんだん
足腰は痛くなってくるかもしれません。
そしたら、加減してくださいね。

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Illustration: 雲がうまれる