夏も終わり、秋になろうとしています。
土を焼く。

7月に作った土器をついに焼きます。




 
遅刻!
今回は午前中から作業です。
しかしわたしは、
ちょっと仕事が片付かず、まだ東京!
登呂遺跡にいる仲間から電話が!
『焼きますよ!』
『はい、なんとか、
急いで向かいます!』

到着までの記録は『登呂会議』の
写真をお借りして
ご紹介させていただきましょう。
(撮影:登呂会議)

乾燥させておいた土器を
確認するメンバーたち。

ヒビが入っている物もありますが
このまま焼きましょう、と。

弥生時代には、ヒビが入っていたものも
使っていたそうです。

代わりにレポート。
 

こんにちは。
まいどおなじみ、
スソさんのかばんのなかから、
あまり役に立たないようなことを
ぶつぶつと申しております、
ミミズク土偶の健太郎、略してミミケンです。

そう、スソさんはこのとき
多忙な時期にあたっておりまして、
火入れ作業までにはまにあわなかったのです。

スソさんがあわてたりすると
走るので、
ミミケンはかばんのなかのiPhoneと
ゴツゴツあたってしまい、
土に帰る危機があるので、
なるたけ余裕をもった行動を
お願いしたいんですよね……。

 







 
担当にわかれて開始!
火起こし班、泥集め班に分かれ
それぞれ作業をはじめました。

火起こし班が次々に失敗!

ヘーそんなに難しいのだね?

火起こし
 

火起こしの方法にはいくつかございます。
キリモミ式、ユミギリ式など。
この方法は、マイギリ式ともうしまして、
あ、漢字でかくと、舞錐式ですね。
けっこうちゃんとした道具を使った
発火の方法です。





 
焼き場を2つ作る
まず、地面に割れた土器を並べる。
そして大量の藁とモミを敷き詰める。
これは、急激な
温度の上昇を防ぐためだそうです。

藁とモミ。
 

ほんとうに、稲ってすごいですよね。
藁とモミまでいろいろな場面で
大活躍です。
燃えやすいし、丈夫だし。

着火剤にもなるし、
履物にもなる物体。





 
土器準備
土器の中に、藁とモミを入れます。

ミニチュアの土器も中に入れます。

これらをそっと焼き場のモミの上に載っけて
いきます。




 
泥?
泥班の登場!

モミのうえに塗りたくる泥!

これは蓋の役目なんだそうです。
長時間の焼成をたすける工夫ですな。

身近な道具。
 

おお、流動的な蓋。
自由な形になる蓋ですね。
あるいみ糊のやくわりもする
便利な身近な道具。それが泥でございます。

 





 
つぎは薪だ
薪でぐるりと囲みます。
台形になりましたね。

そして、
ちょっと離れたところに藁と薪で
丸く囲みます。

弥生時代、
こんなに豊富に薪を使ったのか?
と疑問視する声が。
確かに。薪は貴重だったはず。
今後の課題ですね。






 
点火! いや、着火!
ぼうぼう燃えています!

そして、
ついにここでわたしが到着!!

ずるい!
楽しいとこだけ!

熱い!!
こんなに燃えて大丈夫?

あ、なつかしい!
 

ミミケンも、焼いてできた人形なので、
炎が妙になつかしいです。

……もう一回焼いてもらって、
焦げをつくって、
かっこ良くなりたいなあ。
でもそうすると、
ほっかほかになってしまって、
スソさんに持って
帰ってもらえないかもしれない。

というか、スソさん、
いいタイミングですね。
スソさんは、おおよそ、
いつもいいタイミングで現れます。
たぶん、本人の気がついていない特技です。







 
数時間待つ
午後4時。
まだぶすぶすと燃えています。

登呂の博物館も閉館時間です。

しかし、
急に取り出すわけにはいきません。
急に冷たい風にあたると
ぱりんと割れてしまうそうです。

もどかしい!
 

だいたいにおいて、
焼いたものというものは、
急に取り出したりすると、
いけませんよね。

唯一、あっつあつでいいものは
食品です。
ああ、スソさん、
イモを焼くべきだったのではないでしょうか。





 
あっ
土器が見えているよ!

いや、まだまだ!










 
気を紛らわす
火がおさまるのを待つ間、
風景を楽しみましょう。

田んぼにはガマが生えていたり
カラスが遊んでいたり。

お米も順調に育っています。
あとひと月ほどで
収穫をむかえるのです。

良い風景
 

稲がみのるところの風景は
ほんとに幸せになります。
新米は、おいしいですよね。

そうそう、
「ほぼ日」の屋上の稲
どうしていますかね……。
ミミケンはいつもその
行方に注目をしています。







 
ちょっとだけ
5時になりました。
そろそろ?

まわりからすこし
取り出してみましょう。

あ!割れてる!

今、パリって言ったかも!

だめだめ、まだ早いよ!

わたしは、
これ以上待つことができないので
東京に帰ります。

あー名残惜しいーー。
でも、ちょっと火を見ることができて
よかった。

残念!
 

ああ、土器を取り出すところが
見たかったですね。
スソさん。
でも、きちんと焼いているところも
みることができたし、
よしとしましょう〜〜!



 
家に着いたら
ずっと火を見ていて、取り出してくれた
本原さんからメールが届きました。

添付の画像を開くと。
おおーー!

なんて美しい!
夕陽と土器。

え?
これ、わたしの?!
すごいーー!

本原さんも取り出したときに
感動したそうです。
きれいに焼いてくれてありがとう!

次回は!
 

お米の収穫をいたします。
いちばんわくわくする瞬間ですね!

 


 
2016-09-04-SUN
 
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