第2回 背もたれがいらなくなる、グッと前のめりになる瞬間。
シェフ
舞台を映像化した「ゲキ×シネ」
というスタイルで、
劇団☆新感線の『メタルマクベス』を
観てきました。
と、これを踏まえたうえで、
じゃあ、もう、
自由に感想を言い合いましょうか。
モギ
自由、いいねー。
山下
まず、おさえておきたいのは、
宮藤官九郎さんの
脚本ということじゃないでしょうか。
なんこ
クドカンだ。
やえ
「大人計画」の宮藤官九郎さん。
シェフ
劇団☆新感線と宮藤さんっていうのは、
初のタッグでしょうかね?
モギ
たぶん、あたしの知るかぎりでは。
シェフ
演出家のいのうえひでのりさんは、
『メタルマクベス』というタイトルだけが
イメージとしてあったらしいですよ。
で、ある日、宮藤さんにそれを話したら、
「メタルマクベス、響きがいいっすねぇ、
 やってみたいっす」
って、即決だったらしいですよ。
モギ
ちなみに宮藤さんは、
その時点で
シェイクスピアをまともに1冊も
読んだことがなかったんですって。
なんこ
へえええええ〜。
やえ
なのに、あんな‥‥。
山下
それから原作を読んで、把握して
解体して、
「メタル」なかんじに
仕上げてしまったんですね。
シェフ
すごいよねー。
でもさ、「メタル」って、どういう意味?
山下
ん? なんなんですかね?
金属寄りにするってことでしょうか?
シェフ
そういえば金属っぽい衣裳を着てました。

なんこ
ちがうって(笑)、音楽の種類だよ。
やえ
「ヘヴィメタル」の「メタル」でしょう。
シェフ
‥‥ヘヴィメタルというものは
具体的にどんなバンドの音楽なの?
モギ
激しいファッションで、
激しい音楽をやるバンド、かな?
山下
‥‥いいレベルですよねぇ(笑)。
ヘヴィメタルを
よくわからないレベルのぼくらが、
これだけたのしめたというのは
大きなポイントですよ。
やえ
そうそう、それ大きいですー。
モギ
『メタルマクベス』のポスターって、
いわゆるヘヴィメタルな
激しいデザインなんですよ。


やえ
ああ、そうですよねー。
モギ
ちょっと語弊がある言いかたに
なるかもしれないけど、
女性のみなさん、
このポスターで引かないでください!
シェフ
そうです! 
これでドン引きしたら損です!!
いや、かっこいいポスターなんですよ?
でも、慣れない人は
びっくりしそうなので。ね?
モギ
うん。
あと、ヘヴィメタだから
うるさいんじゃないか
っていうのも、
それはもったいない話なので。
なんこ
もったいなーい。
山下
おもしろくて迫力のある
音楽をたのしめる、
くらいの気持ちで行ったほうがいいです。
なんこ
なにしろ、生バンドですから。
シェフ
そう! それはぜひ言っておかないと。
『メタルマクベス』は劇団☆新感線の
「Rシリーズ」なんですけど、
この「Rシリーズ」には、
本物のバンドが入るんです。


モギ
これがまた、ねえ。
シェフ
舞台のそこかしこで、
生バンドがガーンときて、
ヘビメタが歌われるんです。
それがご愛嬌じゃなくて、
ストーリーに組み込まれてて
なにしろ役者さんの歌がうまい。
なんこ
内野聖陽さんって、
なんであんなに歌がうまいの?
やえ
あのレベルはミュージシャンでしたよ。
山下
とくに音楽での序盤のつかみは、
大変なものがありました。
コンサートだか、
演劇だかわかんないような。
モギ
うん!
山下
上條恒彦さんの歌が!

やえ
ああ、あのシーンは、
おもしろくて、すごかった!
なんこ
お城で兵士たちと一緒に歌うんだよね。
山下
王様には、お抱えの歌手がいて。
モギ
冠(かんむり)くんだ!
山下
あの人、只者ではないですよね。
シェフ
あのかた、本当に冠くんっていうんですよ。
モギ
そうなの? 役名じゃなくて?
シェフ
冠徹弥さんっていう、
本物のミュージシャンで、
伝説の極道エンタテイメントバンド、
『So What?』の
ヴォーカルだったそうです。
その後、「The 冠」としてソロデビュー。
モギ
すごーーい!
どうりでシャウトが本物だったわけだ!
シェフ
その冠くんが
ハードロックを歌うんですけど、
これ、上條さんも一緒に歌うんですね。
冠くんが高い声でシャウトしてて、
上條さんがサビを歌うときには、
そこだけ『ラマンチャの男』とか、
『屋根の上のヴァイオリン引き』
とかみたいな、
朗々とした歌いかたになるんです。
それがもう(笑)。
なんこ
とても、メタルには聴こえない(笑)。
モギ
聴こえない、でもすばらしい(笑)。
シェフ
いわゆる、ザッツミュージカルの(笑)。
それをね、
セットで3回繰り返したんですよね。
やえ
あのしつこさ(笑)。
山下
すばらしいおもしろさでした!
シェフ
うん。
最初のあそこらへんでぼくはもう、
かんぜんにつかまれましたよ。
モギ
あたし、MVPは冠くんかも。
もうなんて言うの?、
こう(ふんぞりかえる)観てたのが、
こう(身を乗り出す)なる。
やえ
なる、なる!
モギ
背もたれでこう観てたのが、
もう、背もたれなんかいらなくなって、
前のめりになって観る感じ。
シェフ
そういう瞬間が、
新感線の舞台でいくつかあって。
ぼくの場合は、いちばんそうなったのは‥‥
まあ、さっきもMVPの話が出ましたが、
いちばん前のめりにしてくれたのは、
ぼくはですね‥‥松たか子さんです。
ああー!
 
(つづきます!)
2008-05-22-THU
 
協力 (株)イーオシバイ

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やえ 山下  


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