映画『クワイエットルームにようこそ』編


第3回 男って、女って、なんて微妙!
田口
僕は、見たあとはけっこう
爽快な気持ちになりましたよ。
最初は、
主人公が閉じ込められるみたいに始まって、
誰かが叫んでたりして、
「これ、怖い映画?!」と思いこんで、
このまま行ったらすごいしんどいなと
感じてたんですけど、ちがいました。
最後まで見て、
「あ、なるほどな!」と思って。
シェフ
そうか、なるほどね。
ラストで「すっきり」とさせてくれる、
そういう用意がされているというのは
松尾スズキさんの優しさなのか、
わかんないけど、
それをもってしても‥‥
ゆーないと
重かったですか(笑)。
一同
(笑)
シェフ
うん‥‥ね?(笑)
山下
そうですね。
シェフ
どう、山下さんは?
山下
いや、僕もあの最後の仕組みはわかったし、
ここでスカッとするっていうのも
わかったんですけども、
僕にもそれはちょっと
お薬としては足りなくて。
一同
(笑)
シェフ
もうちょっとくださいって(笑)?
山下
もちろん、まずは、本当にすごく
素晴らしい映画だと思いました。
僭越な言いかたですが、
ほんとうにすごいと思いました。
これだけいろんなキャラクターがいて、
全部を光らせて、それで最終的に
ああいうふうに持っていく。
しかも落ちないスピード感の中に乗せて
見せていくっていうのは、すごいです。
構成も含めて!
同時に、松尾スズキさんにしかできない
表現なんだということに
打ちのめされた気分もあるんです。
何ていうんでしょうかね、ぼくたち、
明るかったり楽しかったりするようなことで
人になにかを伝えることを
しているわけですけど、
それと全然ちがう、
絶対できないアプローチで、
で、やっぱりぼくらも
心、震わせてるわけじゃないですか。
それが「脂汗出ちゃった」か、
「帰りにケーキ食べながら話そう!」
かはわかんないけども、
その作用が出てるっていうのは
やっぱりすごいと思うんですよ。
で、役者さんたちにね、
一人一人に強い個性を与えて
ああいうふうにまとめ上げていく、
しかも、それがその真っ当な、
何でしょうかね、その子のいわゆる
スタンダードな魅力ってところを
光らせるんじゃなくて、むしろちょっと
コンプレックスになってるようなところを
ギュッと出して、
そこで魅力的に見せてるみたいな、
そういうのは松尾さんの得意分野というか、
十分松尾さんを楽しんだなっていう
気持ちになりましたね。
妻夫木君なんかがああいう
「下っ端の、だめな子」役を
嬉々としてやってる姿、
たまんなかったですね。
モギ
眉毛つながってたもんね(笑)。

シェフ
(笑)みんな、見ている最中は
どんなこと考えてた?
コイケ
私は、恋人同士である
鉄雄と明日香の関係について
すごく考えちゃいました。
宮藤官九郎さん演じる鉄雄さんは
「面白い国の人」で、
内田有紀ちゃん演じる明日香は
「面白い国の人になりたいんだけど
 なれない人」っていう、
あそこの対比とかもうけっこう、
ずーっと私は考えてしまいました。
あとまで一番引きずってたかも。
シェフ
ああ、考え始めたら、そこはすごく考えるね。
違う国の人とは
交われないんだなあっていう‥‥
なんか絶望みたいのを感じますよね。
コイケ
うん。でも、きっと交わり方を
発見していくんじゃないかなみたいな希望も
あるんですけどね。
田口
キービジュアルに使われている、
ポスターにもなっている、
謎の‥‥謎の家具がありますよね。
山下
ええ、一見、なんだかわからない家具。
これをポスターにしたっていうのは
とっても意味があるんだなあと思いますよね。
シェフ
これは見ていただくしかないんですが、
このことで面白い国の人たちが
面白くなれない国の人たちを
傷つけてしまうっていう
小さいけれど
被害の大きな戦いの発端になるんです。
これも‥‥やりがちだよなあと
深く、反省しました。
こういうことをね、やっちゃうんだなあ。
ゆーないと
なるほどねえ。
コイケ
で、多分わかんないんですよね。
なんであいつは傷ついたのかとか、
あんたはなんでそれができるのかとか
永遠にわかんないんですよね。
シェフ
お互い、なんで傷ついたのかわからない。
ゆーないと
交われない。
モギ
私は面白い国の人には
なれないと思った(笑)。
シェフ
あんたじゅうぶん面白いじゃないか。
モギ
ほんとうは、ちがうのよー。
ゆーないと
そういうふうに、交われないわけですね。
コイケ
裏で走ってる鉄雄さんの
ストーリーの部分で、
多分男の人は
グッと来ちゃうんじゃないかなあと
思ったんだけど。
田口
ええ、メチャメチャ感情移入しましたよ!
ゆーないと
あ、そうなんだ〜。
田口
「すげーわかる!」って。
内田有紀さんと宮藤官九郎さんが
2人きりで話すシーン。
あのときの感じが、
なんかすごいわかるなって。
シェフ
ああ、あれは‥‥
ゆーないと
つらい。
シェフ
あれは‥‥ああいうことはあるよね(笑)。
田口
そうそう(笑)。
コイケ
ある、あるある。
シェフ
ああいうことあるわ(笑)。
田口
そう。
コイケ
わかる。
シェフ
ああいう時が来るんだよ(笑)。
一同
(笑)
ゆーないと
なにしゃべってるかわからないですよ。
シェフ
詳しくは言えないしなー。
ああいう、恋人同士の関係を
対話でリアルに描くっていうときの、
微妙なセリフや微妙な演技が
すばらしいですよね。
とくに宮藤官九郎さんの、
田口君が多分一番感情移入した
男の曖昧さみたいなものの演出と芝居に
ぐっときちゃいますよね。
「そうそうそう!」っていう(笑)。
田口
そうそうそう!
多分テレビドラマとかでは、
ああいうふうに直接的に描かれにくいのかな。
今までああいうの‥‥
シェフ
見たことないよね。
田口
見たことないですね。
コイケ
なんか濁す部分だよね。
田口
そうそう。濁したり、
ちょっと飾ったりするのを
ストレートにパッと行った感じが。
ゆーないと

うん、リアルですね。

シェフ
じゃ、
『クワイエットルームにようこそ』は、
「松尾スズキさんがきちんとつくった、
 すごく辛いカレー」
だということで、
オススメしてよろしいでしょうか!
一同
よろしいです!
シェフ
「私、辛いの全然平気」って人もいれば、
「辛いからおいしいんだ」って人もいれば、
もしかして「辛いのは全然ダメなんです」
って人がいるかもしれないけど、
ぼくらとしては、オススメですよと。
モギ
最終的に、辛いことに関しては
いろいろあったが、
最終的においしかったと
みんなが言いました(笑)。
シェフ
おいしかった。
違う日にもう1杯食べに行くっていう
気持ちになるんですね。
「もう半年要らない」とか
そういうのじゃないですね。
そういうことで、第2回感激団
『クワイエットルームにようこそ』でした。
ありがとうございました。
一同
ありがとうございました!
 
(またなにか
 面白いものを見つけたらご紹介します!
 そのときまたお会いしましょう!)
   
 
2007-10-04-THU
 
(C)2007『クワイエットルームにようこそ』フィルムパートナーズ

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今回の感激団メンバー
シェフ ゆーないと モギ
コイケ 山下 田口
なんこ    





感激団による
『クワイエットルームにようこそ』
のあらすじ
 
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試写会のおしらせ
日程:2007年10月11日(木)
時間:18時30分開場
   19時開演
会場:スペースFS汐留
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映画『クワイエットルームにようこそ』 公式サイト
大人計画オフィシャルホームページ
松尾スズキ公式ホームページ「松尾ヶ原」
書籍『クワイエットルームにようこそ』