願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、
人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、
優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも
傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に描く。

※公式サイトはこちら。

この作品はあまり詳しく説明すると全体のネタバレになってしまうので
詳しく言えないのですが、見た目はいわゆる魔法少女ものだけど
そう思って見ると大変な衝撃を受ける作品です。
絵がかわいすぎて敬遠している方、もしいたら今すぐに見た方がいいです。

ご紹介するのは最も好きな第9話のエピソードです。

魔法少女の1人、佐倉杏子。
キャラクター紹介で「周囲の被害を鑑みない利己主義者」と書かれてしまう
ほど自己中心的な性格ですが、実は家族のために魔法少女になった結果、
相手を不幸にしてしまった後悔から「魔法は自分のためだけに使う」と
決めた過去があったからでした。

そんな杏子は好きな男の子のケガを治すために魔法少女になり、
正義だのなんだのと口にする魔法少女・美樹さやかが気に入らず、
初対面のときはこてんぱんにぶちのめします。

さやかと接しているうちに、昔の自分も人のため・正義のために
戦っていたことを思い出しますが、さやかは戦いの中で魔女になってしまいます。
（魔女になってしまうというのは、悪堕ちしてしまうようなものです。
　ゾンビ映画で友人がゾンビになってしまったり、
　幽玄道士で親方がキョンシーになてしまったり、
　Gガンダムで主人公ドモンの兄キョウジが
　洗脳されてしまったのと同じです。絶望的な状況です）

効率的な戦い方しかしなかったはずなのに、
奇跡がおきてさやかが戻ってくるのではないかと
さやかの親友であるまどかに横で名前を呼びかけてもらいながら戦います。
そして自分もさやかに呼びかけます。

怒ってんだろ？　何もかも許せないんだろ？
解るよ‥‥だからさ、好きなだけ暴れなよ。付き合ってやるからさ。
‥‥それで気が済んだら、目ェ覚ましなよ

もう人の心がなくなってしまったさやかには届きません。
もう倒すしかないとなったとき、杏子はある決断をします。
強い力を持った魔女になってしまったさやか（だった魔女）と
一緒に自爆して倒すことにしました。

心配すんなよ、さやか。
独りぼっちは‥‥寂しいもんな。
いいよ、一緒にいてやるよ。さやか

最後の瞬間、魔女の目に杏子の顔が映った次の瞬間、
杏子と魔女は爆風に包まれます。

悲しすぎるシーンですが、自分を犠牲にすることで魔女を倒した
だけでなく、魔女になるほど絶望したさやかの心を救い（多分）
同時に人のために魔法を使って杏子自身も救われたのだと思います。

大事な人のために死ぬのがいい、みたいなことではなくて、
悲しい結末だったとしても、自分のありたいように行動したことは
幸せだったなのではないかと思うのです。