もくじ
第1回おもしろいのか。 2019-02-26-Tue
第2回決める 2019-02-26-Tue
第3回TPOのはなし 2019-02-26-Tue
第4回スカート 2019-02-26-Tue
第5回紺色 2019-02-26-Tue
第6回クリムトのガウン 2019-02-26-Tue
第7回つくる 2019-02-26-Tue

ほぼ日の塾5期生のみきみきです。本名です。
古着とアクセサリーが好きで、いささか派手めです。
普段はコーチングをするコーチという仕事をしています。

わたしの好きなもの</br>装い

わたしの好きなもの
装い

担当・三木未希(みきみき)

第2回 決める

意外と、いや意外なのかどうかはわからないけれど
わたしはデパートの子供服を着て育った。
もちろん、今のデパートの子供服ではない。
30年くらい前の子供服(女児)売り場を、思い出してほしい。

仕立ての良いプリーツスカートに、リボン。
真っ白なコットンのブラウスの襟に、ケミカルなレース。
上等な生地のトレーナーに、過度な刺繍やアップリケ。
ピカピカエナメルの靴に、お花の飾り。

当時、母と一緒にチョイスした子供服は、子供心にも
なんだか装飾過剰で、はっきりいうと少し野暮ったかった。
でも、他の選択肢があるなんて、思ってもいなかった。
そんな服を着て、ちょっと遠くの学校に通った。

当時の少女は、だいたい12、13歳の頃が
子供服からお姉さんの服に変わるタイミングだったと思う。
その学校の少女たちも、
入学式のブレザーにチェックのスカートや
紺色に白い縁取りのワンピース、
入学にあたって揃えたデパートの子供服から
ひらり、ひらりとお姉さんに変わっていった。
そんな同級生の姿を、
わたしはしばらくぼんやりと見ていたように思う。

わたしが自分で洋服を選ぶようになったのは
だいたいその1年後。
友達と学校帰りの寄り道中に(校則違反です)見つけた
くすんだ桜の色のスカートからだ。
実物はもうないけれど、
当時はやっていた膝上丈の、台形をしたそのスカートは
今でもなにかを決断する時に、ふと、頭に浮かんでくる。

第3回 TPOのはなし