もくじ
第1回好きだったんだと気づいた。 2019-02-26-Tue
第2回誰かに聞いてほしい。 2019-02-26-Tue
第3回自分をつくる理由。 2019-02-26-Tue
第4回いつもそばにあった場所。 2019-02-26-Tue
第5回私の好きなもの。 2019-02-26-Tue

「記事」を考える日々を経て、東京で「広告」を考える日々を始めました。
言葉にする仕事をしながら、言葉にできないものをいつも探しています。

私の好きなもの</br>「ブログ」という場所

私の好きなもの
「ブログ」という場所

担当・宝来

第2回 誰かに聞いてほしい。

まず、ブログが好きな理由の一つに
少しだけワガママになれるから、というのが浮かびました。

私は普段の会話では、好きなものや自分のことを
熱く語ることに少し苦手意識があります。
あまり相手が知らないことを語ってもつまらないだろうなと
思って過度に遠慮してしまったり、
聞かれるままに話していたら受け流されて
勝手にちょっと傷ついたり、相手に引かれたり。
そういう経験が自分にブレーキをかけているのだと思います。

だから、自分の好きなものや自分のことを
いつもより少しワガママに表現する場所として
貴重だったのは確かです。
ただ、外に発信しているものなので、
気を使って表現する部分はあります。

それなら、自分が思った通り自由に書ける日記のほうが
楽でいいはずなのです。
日記は人に見せない自分だけの場所というイメージですが、
ブログは誰かが見るかもしれないので、
完全に自由というわけにはいきません。
なのに、どうしてそれを選んで続けていたのか。

それは、自分の中に「誰かに聞いてほしい」気持ちが
あったのだろうと思います。
普段はうまく表現できないその気持ちをどうにかしたくて、
少しでも外に繋がる場所が欲しかったのだと思います。

ブログなら「自分が投げたものに対して、
相手が受け取るかどうかを選べる」というのも
良いのかもしれません。
読まなくてもいい、途中でやめてもいい、
興味があったら読んでね、という距離感。
人との距離のとりかたが今よりも下手で、
あまり傷つきたくなかった私の表現方法としては
最適だったのだと思います。

当時は意識していませんでしたが、
誰かに聞いてほしいという思いが心の奥にあって、
その寂しさを埋めるように書いていた、というのは
我ながらしっくりきました。

好きなものや自分のことを熱く語ることに
少し苦手意識があったのは、理解してもらえない
「寂しい気持ち」を「苦手なふり」で
ごまかしていたのかもしれません。

いつもより少しワガママに表現をすること。
誰かに聞いてほしい寂しさを埋めること。
それができるのが私にとって「ブログ」のようです。

なんだかやっぱり、ずっとそばにいてくれた人に
片思いをしていたような気持ちです。

(つづきます)

第3回 自分をつくる理由。