もくじ
第1回ジヌとわたし 2019-02-26-Tue
第2回わたしと妹 2019-02-26-Tue
第3回わたしとジヌと母 2019-02-26-Tue

愛犬・ジヌが大好きな98年生まれ。映画館巡りと舞台がすきです。ラーメンはとんこつ派。

私の好きなもの</br>愛犬・ジヌ

私の好きなもの
愛犬・ジヌ

担当・高城 つかさ

第2回 わたしと妹

パグというだけで ジヌは生まれたころから
“ぶさかわ犬”というカテゴリに属している。
 
それは、わたしから見たら残酷な運命、だった。
 
***
 
話は逸れてしまうけれど、わたしは二卵性の双子だ。
 
双子というと、かならず聞かれるのが
「どっちがお姉ちゃん? 妹?」。
 
そのたびにわたしは、
自分の発する「姉です」が刷り込まれて
“お姉さん”らしく振る舞うようになっていた。
 
妹は妹で”妹”っぽくわたしの後ろについてきた。
 
しっかり者の姉、かわいらしい妹。
当時はそれでよかった。
 
けれど、中学校にあがってから
性格や学力だけでなく容姿を比べられるようになり、変わった。
 
服や持ち物でいえば
わたしはモノトーンやパンツスタイルを
自然と選ぶようになっていたし
妹はピンクやフリルのついたものが好きだった。
 
それで『しっかり者の姉、かわいらしい妹』のイメージが
より強まって、
 
ピンクの小物をかわいいと思っても
「わたしっぽくないし」と買わなくなってしまった。
 
ふたりで帰るとき、すれちがった先輩から
「俺、つかさ派!」「え~、俺は〇〇(妹)派!」と
大声で言われたり、
 
妹と同じクラスの男子から
「お前も、〇〇みたいに女の子らしくしろよ~」と
笑いながら言われたり。
 
姉。しっかり者。クール。
 
そんな、まわりの声を聞いて
見た目も、性格も、むりやり当てはめていた。
 
それを割り切れてしまえば
ある意味、生きやすかったのかもしれない。
 
でも、わたしは
カテゴリに当てはめられること、比べられることに
ストレスを感じていた。
 
高校生になって、妹と離れた学校に通ってからも
自分がどう見られているのか、どう振る舞えばいいのか
気になって、気になって。
 
ずっと、悩んでいた。
 
***
 
“ぶさかわ”、”ぶさいく”
ジヌをみていると、ジャンルに分けられても気にせず
「ぼく、かわいいもん」と胸を張っている、ように見える。
 
たしかにジヌは、過ごせば過ごすほど
“ぶさかわ犬”なんて思ってごめんなさい、
と言いたくなるほど、かわいい。
 
うまく言えないけれど、まわりの評価に頼らず
ジヌ自身のなかで「かわいい」と思えている、というか。
 
わたしたち人間は、そんなジヌの行動・しぐさを見て
「かわいい」と感じて、「かわいい」と頭をなでる。
それがより、ジヌのかわいさを引き出しているのかもしれない。
 
鏡をみていないのに。
いわゆる”ぶさかわ犬”なのに。
 
ジヌの、自分を認められる強さと愛らしさに、
気づかないあいだに、勇気づけられていた。
 
姉。しっかり者。クール。
 
そんなことはどうでもいい。
 
甘えたくなるわたし。
失敗しちゃったわたし。
かわいいものを身に着けたいわたし。
 
カテゴリーに当てはまるのではなく
そのときの「わたし」を大切にしよう、と。
 
それまでまわりの評価や容姿を気にしていた
自分から開放されよう、と思えるようになったのだ。
 

第3回 わたしとジヌと母