そんな恥ずかしい大学生活を送っていた私が観たのが
『ゾンビーワールドへようこそ』だったのです。
友達からはイケていないと馬鹿にされ
モテない自分たちにうんざりしていた3人組が
おぞましいゾンビたちに勇敢にも立ち向かうんです。
自分はイケてないし彼女もいないし友達も少ない、
そう思っていた主人公たちが
唯一自分が持っている技術を頼りに
周りの人たちを、そして自分自身をも見返すんです。
普段の彼らは、キラキラしている人からすれば
画面の端っこにいるモブキャラだったのかもしれない。
そりゃあ、劣等感を感じることもあったでしょう。
はやくイケイケになりたいと焦る気持ちも
痛いほどわかります。
これだ、と思いました。
大学に入っていろんな人と出会ったことで
自分には何もなかったと気づいた私。
何もない自分に失望を覚えたことも多かったけれど、
そんな私でも、こんな風に頑張れるんじゃないかと、
そう思わせてくれたのがこの映画だったのです。
他人を羨ましがってばかりいても、きりがない。
砂つぶみたいに小さく思えるこんな自分も
捨てたものではないのかもしれないし、
そんな自分のことを助けてあげたいのなら、
自分自身がひとつひとつやっていくしかないのだと、
そう前を向かせてくれたのがこの映画です。
主人公たちと自分との間にあるちいさな共通点が
自分を助けてくれるような気持ちになりました。
自分に対してやるせなくて
ふがいない気持ちを持つことばかりの毎日ですが、
こんな私でもゾンビと戦えるかもしれないのです。
何もできない自分を受け入れる勇気、
何も持っていない自分だけど、
そんな自分がやるしかないのだということを
決意させてくれる勇気。
そのことを教えてくれたのが、このゾンビ映画でした。
私の文章をここまで読んでくださった方々は、
この映画のことを主人公たちの輝かしい成長譚だと
思われることがあるかもしれません。
もちろんそれも間違いではありませんが、
ゾンビパニック×青春×ブラックジョーク満載の
楽しく見られるエンターテイメント映画です。
笑いたい人やゾンビ映画を見てみたいという人、
そしてホラーやゾンビに興味はなくても
周囲に対して劣等感を抱えている人になら
きっとおもしろく観ていただける映画だと思います!