〈プロフィール〉
絶対に終電を逃さない女 さん
(以下、終女さん)学生兼ライター。
日常についての、虚無感の漂うつぶやきが人気となり、
ツイッターのフォロワー数は3800人を超える。今年11月、『絶対に終電を逃さない女が終電を逃して
相席屋に行った話』をnoteで公開。
どこか気怠げな独特の空気感が注目を集めた。終女さんのツイッターはこちら
※今回、初めてメッセージを送らせていただいたため、
聞き手である筆者の挙動不審さが際立っています。
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こんにちは。突然すみません。
Webで恋愛記事を書いております、花輪と申します。
終電に間に合おうと急がずに、
女ふたりで新宿ゴールデン街の相席屋で飲んだ話、
空気感が大好きで、何度も読みました。
- 終女さん
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はじめまして。
相席屋レポ、読んでいただきありがとうございます。
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ひとつ、お伺いしたいことがありまして。
終女さんは「恋愛」って、なんだと思いますか。
「ヤバい奴やん」と思われる質問で本当に恐縮です。
恋愛面で飛び抜けた人に話をお伺いしたく、
メッセージを送らせていただきました。
- 終女さん
-
私が恋愛面で飛び抜けた人かどうかは微妙ですが……。
難しい質問ですね。
それは恋愛の単なる定義を言った方がいいのか、
それとも恋愛の本質を突くような格言的なものを
求めていらっしゃるのか、どちらでしょうか?
面識もない朴念仁を丁寧に諭してくださる終女さん
- ——
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突然な上に、曖昧な質問ですみません!
こちら、格言的なものではなく、終女さんがお考えになる
恋愛の定義をお教えいただけますと嬉しいです。
- 終女さん
-
いえいえ!
私なりの「恋愛の定義」と言われると、シンプルに
恋心を向け合い、相手と関わることだと思います。
- ——
-
恋心を向け合うこと、と。
すみません、先ほど終女さんが「恋愛の本質を付くような」
とおっしゃっていましたが、こちら「恋愛の本質」とは
どういったものだと考えられますか?
唐突な上に、重箱の隅を突くような質問を重ねる失礼を
お許しください……。
- 終女さん
-
ただの定義なのか、本質を突くようなものなのか、
どっちなのかなと思っただけで、
具体的に何かを考えていたわけでは……。
本質を突くような格言とは、たとえば芥川龍之介の
「恋愛とは性欲の詩的表現を受けたものである」
(芥川龍之介の箴言集『侏儒の言葉』より)
などをイメージしていました。
- ——
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わざわざお教えいただきありがとうございます。
終女さんは、彼の格言的な言葉には賛同されますか?
先ほどおっしゃっていた「恋心との関わり」が
精神的なものとすれば「性欲の詩的表現」という言葉は
やや肉体寄りかな、と感じております。
すみません、質問を重ねれば重ねるほど、
厚顔無恥さが露呈してしまい只々申し訳ない限りです。
- 終女さん
-
たしかに、性欲が詩的表現を受けただけのような恋愛も
あるとは思いますが、全部がそうではないと思うので
賛同はしません。
あくまでも、私の中での「恋愛」は、
恋心を他人と向き合わせることなので。
- ——
-
なるほど。
朴念仁で申し訳ありませんが、その「恋心」とやらは
自然発生的なものだと思われますか?
- 終女さん
-
そうですね。
自然発生的なものだと思います。
- ——
- それは「好意」という解釈でよろしかったですか?
- 終女さん
-
好意という言葉に恋心(恋愛感情)ではない「好感」を
含まないならば、好意という解釈で相違ありません。
- ——
-
人間としての「好感」を含まない、ということですね。
自然発生した恋愛感情を、他人と共有することだと。
- 終女さん
-
共有ではなく、向き合わせることです。
自分がその感情を所有したまま、
相手と関わり合うことが「恋愛」だと思います。
- ーー
- ありがとうございます。
お答えいただいたことに質問を重ねるという
大変失礼な挙動を取ってしまったこと、
お詫び申し上げます……
- 終女さん
-
いえいえ!
全然大丈夫ですよ。
- ーー
-
お話をお伺いでき、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました!
絶対に終電を逃さない女さん、ありがとうございました。
(つづきます)

