5年前に会っていても
こんなに話が合わなかったかもしれないね。
クララとお互いでそう言い合った。
それほど、韓国の彼はひいては韓国が、
わたしにものすごい影響を与えていたのだと
ふたりで話していて気付いた。
20代後半、まだアラサーだった私は
完全にこじらせていた。
タイムマシンがあったら
あの頃の自分に一発ビンタして
おい!しっかりしろ!
頑張るとこそこじゃないぞ!
と伝えたいほどだ。
雑誌やネットに出ているモテ特集や
男が手放さないのはこんな女!
という情報に完全に踊らされていたと思う。
・◯◯しなければならない
・彼氏はこうあるべきだ
・30歳までに結婚しなければ世間体が悪い
へんてこな自分ルールで
自分のことを縛りまくっていた。
ガチガチすぎてしんどかっただろうし、
総重量1億トンの必死な女がタックルしてきたら
そりゃ男の人には重かったろうなと思う。
そんな恋愛おしん時代に苦労したからこそ、
韓国彼と出会ったときは
30代でも、こんなわたしでも
こんなにもどんぴしゃタイプな彼氏ができるんだ!
とものすごい高揚感と好きな人に好かれている
という満たされた気持ちに包まれた。
今まで勝手にもっていた先入観という名の
荷物をかなぐり捨てることができたのだ。
縛りから開放されたわたしは、
いまやこんなに自由にのびのび生きている。
もちろん人種も文化も違えば
とんちきなこともたくさんあったし
なんだこの人は!?こんな嘘つく!?
というようなこともたくさんあった。
一瞬フラフラになりながらも
ただ、どこかで第三者目線で見ている
もうすべてネタだな!と割り切っている自分もいて、
おもしろく思えてしまう。
韓国彼とつきあうようになり、
さらに韓国に行く機会も増え、
日本の外に出てみると
自分はどう考えてどうなりたいのか。
望むものは何なのか。
自分の人生には何が必要か。
ということに対して
真剣に向き合うようになったと思う。
自分が勝手に作り上げた
世間体の幸せは今のわたしには
必要ないなと思える。
いろんな人がいていろんな生き方がある。
一度きりの人生だから、
人様に迷惑をかけない程度に
思う存分生きてみたい。
そんなわたしは、
来年春からソウルへ移住する予定だ。
彼と結婚する!わけではなく
大好きな国に住んで、
もっと韓国について深く知りたいと願ったから。
しばらくは東京と韓国をいったりきたりしながら、
経済的に自立できるよう頑張ってみようと思う。
ほんの数年前まではこんな自分、
想像もできなかった。自分が行動すれば、
思いもよらない未来が待ってるんだなと思える。
次はどんな扉を開くのか、
自分自身も楽しみだ。

ヨコヤマMIHOさんの「わたしの彼はフランス人」は こちら