- ――
- 歌うときも、その曲に書いた失恋は思い出しますか?
- 大久保
-
基本的には感情を込めるためにそこに持っていく。
だから「必要になったら電話をかけて」って曲の
レコーディングでは、譜面台に歌詞じゃなくて
この曲をつくるきっかけになった失恋の相手との
手紙とかを‥‥
- ――
- うわーん(泣)
- 大久保
-
(笑)
置いて、なるべく辛い、
泣きそうな状況にして歌ったりした。
- ――
- よく向き合えるね。
- 大久保
-
やっぱりそれを表現する場所を
与えてもらってるからじゃない?
これが趣味なら絶対しないけど。
- ――
-
そっちのほうが絶対いい歌になると
思ってるってことでしょ?
- 大久保
-
うん。ただその手紙を置くのとかもさ、
それを「技術」としてやるっていうのがね。
若いときはそんなことしなくてもできてたと思う。
普通に悲しくてしょうがないから。
- ――
-
いろいろ経験してだんだん図太くなるのかな。
じゃあ失恋で悲しんでるときに
「これは使えるな」ってどっかで思ってる?
- 大久保
-
あんまり思いたくないけど、多分ある。
だって近々で失恋したときも、
振られた帰りの電車でメモってたもん。
それって、そのとき出てくる言葉を
「もうこれは今しか書けない」って思うからで。
- ――
- でも気持ちだってきついわけでしょ?
- 大久保
-
いやー過去最高にきつかった。
体重も7キロくらい痩せたし。
- ――
- 戻った?
- 大久保
- 戻った戻った。
- ――
- (笑)
- 大久保
- (笑)
- ――
- 大失恋だね。
- 大久保
- でもあの曲が書けたから、結果的に納得はしてる。
- ――
- 納得?
- 大久保
-
超辛かったけど「この曲書けた」っていう。
多分、その失恋がなかったらその曲は書けてないし。
対価はあったなって。
- ――
-
なんか‥‥音楽に捧げてるね。
大久保くんのストーリーを。主に恋を。
- 大久保
-
うん。でも自分はそれくらいしないと
表現者としてはやってけないというか、
続けられないくらいの才能だと思ってるから。
それでもやり続けたいなら、
それくらいやらないと作れないなって思う。
- ――
-
でもそれが「恋」っていうのがなー。
恋ってなんだろな。不思議な存在だ。
- 大久保
-
僕、成長の糧は全部恋愛だからね。
すべてを恋愛から学んでる気はしてる。
失恋だって「恋を失った」って感覚より
「失恋を手に入れた」って感覚が強いかな。
- ――
-
「失恋を手に入れた」感覚!
今、ひとつ世界が開けた気がする。
今日はいろいろ聞かせてくれて
ありがとうございました。
(おわりです! ありがとうございました)