そもそも、わたしは3年前まで、怖いし、びっくりするし、
「お化け屋敷」って苦手でした。
それでも、遊園地や何かのイベントであれば、
怖いもの見たさで行っちゃう、でも行ってから後悔する、
そのくらいの距離感。
でも、あるとき、たまたテレビであるお化け屋敷プロデューサーの人を見て、
練りに練られたストーリーや登場人物の設定、
ひとつひとつの装飾、驚かし方のバリエーションを知りました。
その後、すぐにそのお化け屋敷プロデューサーが作ったお化け屋敷に行き、
ひとつひとつ細部まで見て、
「あっ、お化け屋敷って、アートだな」ということに気がついてからは、
その魅力にどっぷり。
3年前の自分が見たら信じられないくらい、
わざわざ時間とお金をかけて、
日本全国のお化け屋敷をまわるようになったのです。
わたしのお化け屋敷の楽しみ方は、
人から見ると(おそらく)変わっていて、
ひとつひとつの装飾を見てまわります。
大道具も、小物も、人形も、そのひとつひとつには、すべて理由があって、
それをストーリーと照らし合わせながら、
読み解いていくのがとても楽しいのです。
叫び声や驚いた声以外に、お化け屋敷で人が発する言葉のナンバーワンは、
「ごめんなさい」と言われています。
でも、わたしは「すごーい!」「きれいー!」「すてきー!」と、
ちょっとちがう反応。
驚かす側も、驚いてくれたり怖がってくれたりした方がやりがいを感じて、
テンションも上がってくるらしいのですが、
わたしは怖がらずに、むしろ近づいてお化けを細部まで見ようとするので、
少しやりにくいと思います。
ごめんなさい。
「お化け屋敷ってアートだ」と気づいてから、
苦手なものが大好きなものになる。世界が変わる。
好きのきっかけって、本当にささいなことなんだなと思います。
