もくじ
第1回小学生の私とえほんの郷 2017-04-18-Tue
第2回高校生の私とえほんの郷 2017-04-18-Tue
第3回大学生の私とえほんの郷 2017-04-18-Tue

南の国からやって来た大学生です。フリーペーパーを作るサークルと学生Webマガジンでライターとして活動しています。チョコとチキン南蛮をこよなく愛してます。

私のすきなもの 木城えほんの郷

担当・あやの

第2回 高校生の私とえほんの郷

「10才のひとり旅」は小学6年生までしか行けない。次は高校生から青年スタッフとして参加できる。
私は、高校生になったら、絶対に青年スタッフとして来よう!と決めた。
しかし、中高はバタバタして結局来れたのは大学に入った去年になってからだ。

中学・高校は部活や勉強が忙しくなった。学校のテスト、部活、大会…。毎日が忙しくてただ、ただ、無我夢中で毎日を過ごしてた。
忙しかった中高時代だが、その中でえほんの郷に2回だけ行った。1回目は高校のとき、勉強も部活も行き詰まったとき。2回目は、上京する前。
1回目の高校生のとき。私は中高の6年間陸上をしていた。しかし、タイムはいい方ではなく、いつも思い通りにいかなくて苦しかった。なかなかタイムが上がらず、スランプに陥っていた。そんなとき、母が言った。
「えほんの郷に行ってみる?」
私は気分がのらずにうじうじと行こうとしなかった。しかし、ふとあの小学生の頃の記憶が蘇った。あの楽しい5日間を。急に懐かしくなって、あの景色を見たいと思った。こうして、母の運転で私たちは出かけた。

到着すると、職員さんの1人が私を見つけるなり言った。
「あやのちゃん⁉わぁ〜、大きくなって!」。
来たのは小学生以来なのに、えほんの郷の職員さんは私のことを覚えてくれていた。もうずっと前のことなのに…。
あのえほんの郷の雰囲気、花の香り、山のにおい。そのとき、私の悩みなんてものすごくちっぽけなものに思えた。タイムが伸びないくらいなんだ。毎日練習をすれば、タイムは上がってくるだろう、と前向きな気持ちになれた。そのとき、心の中にあった重い気持ちが真っ白な清々しい気持ちへと変わっていった。すごく心が落ち着いたのだった。

(続きます)

第3回 大学生の私とえほんの郷