毎年、夏になると「またこの季節がやってきた!」と嬉しくなります。
小さい頃のようにうずうずしてくるのです。
祭りがいよいよ始まる月、7月。
外せない用事が東京であったのですが、頭は祭りのことでいっぱいでした。
用事が済むと、一気に駅へ向かって駆け出していました。
東京駅までは、会場から走れば5分。横須賀線に飛び乗り、目指すは鎌倉。
今日は、待ちにまった大町祭りの初日です。
毎年参加している、大切で大好きな祭り。
みこし会のみんなに会いたい、神輿を担がないと私の夏は始まらないんだ。強い想いに背中を押され、夢中で走りました。
100人一体となって担ぐ神輿に心酔
会場に着いたのは、集合時間の15分前。
急いで法被に着替え、足袋を履いたら気持ちがピリっと引き締まります。
気分を切り替え集合場所の八雲神社へ向かうと、すでに多くの担ぎ手が
集まり始めていました。
知り合いや、みこし会に挨拶をしてハチマキを結び、帯をきゅっと締めたらだんだんと気持ちが落ち着いてきました。
今年も健康で祭りに参加できることは、ありがたいことです。

お神酒を飲み、いよいよ出発の時。
提灯に灯りが入りはじめます。
大町祭りの神輿は、全部で4社あります。背の高い人から順に1社、2社と
割り振られ、私は4社に入りました。
勇ましいかけ声と共に、1社目が担ぎ上げられました。
境内中央の御神木の周りをぐるっと回って、町内へ繰り出します。
神輿の通り道には、神輿を一目見よう、担ぎ手を応援しようと子どもから
大人までがたくさん集まり、まち全体が活気で賑わいます。
光輝く提灯が美しい神輿が練り歩くその様は、担ぎ手、住人の心に
ぽっと灯りをともすように神秘的で、力強く希望にあふれています。
大町祭りでは、4社の神輿が横一列に並び皆で「天王唄」を唄う伝統的な
慣わしがあります。「サアーヨイトセエー」と担ぎ手が唄いながら神輿が
ゆらめく姿はなんとも幻想的。

100人一体となり、まるで大きな神輿を担いでいるようです。
隣の人の汗や熱気が伝わり、歌声の響きが体に染み入ります。
ふと見上げた夜空には、ぽかんと丸いお月さまが見えました。
「生きている」
大げさかもしれませんが、そう思ったのを心が覚えています。
感動的な体験でした。
担いだ後は、打ち上げが待っています。
いい汗をかいた後は、一段とご飯とお酒が美味しいものです。
皆で乾杯をし、疲れをねぎらう宴もいい思い出。
やっぱり祭りが好きだなぁ。しみじみ思いました。
人と直接触れ合って、なにかを共にすることで得られることは
かけがえのないこと。
祭りからもらった、宝物を大切に。
今年の夏も、楽しみです。
(おわります。)
