もくじ
第1回心踊る祭りとの出会い 2017-04-18-Tue
第2回仲間を増やしていくことの大切さ、面白さ 2017-04-18-Tue
第3回好きなことから得る、希望や嬉しさ 2017-04-18-Tue
祭りがくれた宝物

祭りがくれた宝物

担当・萩原有美子

第2回 仲間を増やしていくことの大切さ、面白さ

大好きなまち、鎌倉ではかけがえのない出会いがありました。
友人たちと作る「フリーペーパーKAMAKURA」の中で、鎌倉市大町の
みこし会を取材した際のこと。
神輿の担ぎ手が減ってしまって困っていたそうですが様々な努力をした
結果、最終的には100人以上(!)を集める事に成功した大町八雲みこし会。
先方から「ぜひ取材してほしい」というオファーもあり、伝統文化に興味があった私は、縁あって記事の担当をすることになりました。

大町八雲みこし会取材当日。
真夏の太陽がじりじり照りつける中、集合場所の八雲神社へ向かいました。
神社へ足を踏み入れた時、すうっと心地いい風を感じました。
側には太くて立派な御神木があり、生い茂る木の枝と葉で木陰をつくっていました。本堂を囲むようにして見渡せる範囲の境内は、広すぎず気持ちの
いい空間です。「ここで祭りが行われるんだ」祭りの活気を思い出すと身が引き締まりました。絶対いい記事にしよう、と。

「1回担げばもう仲間だ」

取材では、興味深い話を聞くことができました。
担ぎ手を集める際、まずは住人に直接声をかけることから始めたそうです。
祭りの準備から参加してもらってその後一緒に飲む“飲みニケーション”での交流も大切にした、といいます。
WEBやSNSを使った募集も積極的に行うことで県外からの申し込みもあり、若い世代の担ぎ手が増えた大きなきっかけになりました。

仲間を増やすことで祭りに活気が戻り、住人や近隣の店も大町祭りに協力してくれるようになります。
打ち上げで食べるアツアツのコロッケは商店から。
冷えていて美味しい樽酒やビールや酒屋さんから。
近所のあたたかい協力が、祭りをより一層盛り上げている事も知りました。

祭りの楽しさを1番知っている自分たちが、特に努力をして若い世代へ祭りの伝統や習わしを伝えていくべきだ、と教えてくれたみこし会の方々は言います、「一回担げば、もう仲間だよ」。
すっかり感動した私は背筋が伸びる思いで聞き入りました。
同時に、とてもワクワクしていました。

「一緒に祭りに出よう」と声を掛けられた人が、
友人を誘って参加することで仲間が増えていき、翌年も担いでくれる。
ひょっとしたら、他の友人も連れて来てくれるかもしれない。
そんな”いい流れが”生まれた時はどんなに嬉しいだろう。面白いだろう。

鎌倉に恩返しがしたい

取材後、みこし会の方々とビールで乾杯をしました。
キンと冷えたビールが、乾いた喉に潤いを与えてくれます。
気持ちのいい真夏の昼間。
少し暑さが和ぎ、皆ほっと気が抜けたいい顔をしていました。
その場に居れることが、仲間に入れてもらったようで嬉しかったです。

私はこの後記事を書き、冊子が完成して喜んでいただけたら幸いですが、
「これで終わりにしたくない」ということを考えました。
大好きな祭りの良さ、奥深さを改めて教えてくれたみこし会や鎌倉に何か
恩返しがしたい。協力したい。
そのためには祭りに参加し良さを伝えていくことが、私にできることなんだろうな、そう思ったのです。

いまや大町祭りに参加して3年が経ちましたが、祭りへの愛は留まるところを知りません…!
むしろより、好きになりました。(笑)

ここまで心惹かれるのは、なぜなんだろう?
最終話では、そのなぜ?をとことん探ってみたいと思います。

(つづく)

第3回 好きなことから得る、希望や嬉しさ