- 古賀
- 最初のテーマに戻るのですが、
糸井さんは吉本さんや、
矢沢永吉さんのようなヒーローの、
出版の手伝いをされてきましたよね。 - 糸井
- そうですね。
- 古賀
- その時の糸井さんの気持ちは、
「俺が前に出る」というよりも、
僕のように、やっぱり、
「この人の言葉を聞いてくれ」でしたか? - 糸井
- ぼくは「とても驚いた」とか、
「とてもいいな」と思ったことが
間接話法で本になるんですよね。
だから自分を前に出す必要は
まったくないんです。 - 古賀
- うんうん。
- 糸井
- 古賀さんも、そうですよね。
-
- 古賀
- はい。
『ほぼ日』を見て思うのですが、
ここでは僕がやりたかったことが
毎日のようにできているんじゃないかと思います。
「こんな人がいるから、
対談して紹介したい」というような‥‥‥。 - 糸井
- いわゆる「場所作り」ですね。
- 古賀
- そう。
場所を作って紹介していく。
それが僕がやりたいことと、
重なっている部分があるんです。 -
『ほぼ日』には
『今日のダーリン』というコンテンツがありますが、
糸井さんが「俺が、俺が」っていう場所じゃない。
「こんなおもしろい人がいてね」
とみんなに伝える場所になっている。 -
その姿勢が『成りあがり』のころから
一貫していると思うんです。 -
- 糸井
- 浅いところでは目立ちたがりです。ぼく(笑)。
-
人間が一番目立ちたがりなのって、
高校生の頃じゃないですか?
性欲のかわりに、表現欲がでるような。
それは動物の毛皮のような、自然なことで。 -
それを残しながらも、
やがて、近くの人にモテることの方が
うれしいと思うようになるんですよ。 - 古賀
- でも一方で、アイドルのように
100万人にモテることを
よろこびに感じる場合もありますよね? -
- 糸井
- それは「ええー! 100万人!?」
っていう、うれしさなんですよ。 -
古賀さん、
ヒマラヤが見える場所に行ったことあります?
見上げると「ものすごく大きいな」って
思いますよね。 - 古賀
- 僕はナイアガラの滝を見たときに思いました。
- 糸井
- いいですよね。
「来てよかったなあ」って
思うじゃないですか。 - 古賀
- 思います。はい。
- 糸井
- 「もしナイアガラの近くに行くなら、
ぜったい滝を見た方がいい!」って
人にすすめるじゃないですか。
ああいう心境ですよ。 -
- 古賀
- はああ。なるほど。
- 糸井
- そのヒマラヤは、
仲間といっしょに見られるのがいいでよね。
隣の子に「すごいなあ」って言うと、
その子が「ほんとだあ」って言うような。
その「ほんとだあ」が、うれしいですよね。 - 古賀
- はい(笑)。
僕も自分の会社の子が出した本が
10万部いった時は、
自分のこと以上にうれしかったです。 - 糸井
- 「人がよろこんでくれることが、
自分がうれしいことです」
ってきれいな言葉では通じないけれど。 -
そういう経験をするほど、
人がよろこぶことを
考えつきやすくなりますよね。 - (つづきます)
糸井さん、「売れる」って何ですか?
