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「はたらく」ということに関しては
大きく、みっつくらい見方があると思うんです。
ひとつは、個人の問題。
自分が食べていかなければならないということ。
「わたくしから発して
わたくしに戻って来る話」ですね。
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はい。
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若いころ吉本隆明さんが言った
「ほんとうに生きていくのに困ったら
泥棒したっていいんだぞ」
という、
あの台詞は簡単には否定できないと思うんです。
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ええ、ええ。なるほど。
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ふたつめは、関係の問題。
他の人たちとの関係のなかで
どういうふうに生きていくか。
最後は「為政者」の話す「はたらく」で
「職のことでみんな困ってるけど、
これからの職業はどうあるべきだろう」
という、いわば制度論。
このみっつの問題が、
ごっちゃに語られているんじゃないかな。
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個人の問題と、関係の問題と、制度論と。
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とくに制度論のところが難しくて、
二十歳そこそこの若い子が
「この国のはたらき方はどうあるべきか」
とか
「未来はさらに格差が広がっていくけど
どうしたらいいのか」
みたいなことを
考え過ぎてるような気がするんですよね。
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たしかに、そういう子が来たら
面接でも、突っ込んでみたくなりますね。
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あ、そうですか。
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だって、
大切なのは「何がしたいの?」ですから。
でも、そこのところがないままに、
「世間のはたらきかたが
ちょっとおかしいと思うんです!」
とか言ってるのは
ただの評論家になっちゃうというか‥‥。
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評論家でめし食ってるんだったら、
いくらでも評論して
原稿料を稼げばいいと思うんだけど、
原稿料も出ないのに
「このままでは日本はダメになる!」
って言ってるのって‥‥
「で、君は何の仕事してんの?」と聞きたくなる。
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日本を憂うという‥‥趣味?
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会場:(笑)
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その幻想を一回‥‥。
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解きほぐして。
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では、役に立ちそうなことも
少し聞いておこうと思うんですけど、
「門の中に入れる人」には
どういう要素があると思ってますか。
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非常に逆説的なんですが‥‥
面接のあと、
5分か10分くらいで記録をつけていると
言いましたけど、
記録を取らないと忘れちゃうような人って
結局、残らないんです。
私が採用を決定しているわけじゃないので
「結果論」なんですけど、
覚えられているか、覚えられていないか。
たくさんの志望者の中で
私に「覚えられている人」というのが
ごくわずか、いるんです。
そういう人が入って来るんですよね、結局。
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記録には、なんて書いてあるのかな?
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うーん‥‥一概には言えないですね。
ともかく、
「もう一度、この人と会ってみたい」と
思ってもらえないと、
コンサルタントは「サービス業」なので。
コンサルタントとして
忙しい社長の記憶に残らないのでは
ダメですから。
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うーん、伊賀さんが次の人に見せる書類に
何が書いてあるかを知りたいなあ。
「リーダーシップ」
みたいなことが書いてあるはずがないんで‥‥。
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そのことについて
守秘義務の部分をクリアしながらお話するのは
ものすごく大変です(笑)。
でも、まさしく「核心」の部分ですので、
お話しすると、
まず、とっても大きな項目として
「エネルギーレベルの高さ」があります。
40分間、1対1で話をしていると
わかるんですけど
熱いなっていうエネルギーを持っている人は
やっぱり、いるんです。
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そう言えば、
僕の知っているマッキンゼー出身者は‥‥。
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すごいでしょ。
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うるさいくらいですよ(笑)。
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あはは(笑)。
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つまり、迷惑なくらいにうるさい方が
コンサルタントにはいい、と。
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そうですね。
まず「エネルギーレベルの高さ」です。
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<つづきます>
2013-09-04-WED