怪・その29

「誰かが乗っている」

もう20年以上前のことになりますが、
当時私は20代前半で
休みとなると遊びほうけておりました。

その日も私は友達と夜遅くまで遊び、
車で自宅に帰る途中でした。

私の自宅に帰る為には、
あるトンネルを通らねばならないのですが、
そこは昔から
いわゆる出ると言われるトンネルでした。

毎日通っても
あんまり気持ちのいいものではないのですが、
トンネルに入った瞬間、
その日は確実に
後部座席に誰かが乗っている感じがありました。

でも、全然怖いとは感じなかったのです。

不思議だなと思いながら、
自宅に着くと、
母方の祖母が亡くなったと知らされました。

姉と妹は祖母の家に行ったので、
臨終に立ちあうことができたようでした。

当時は携帯など持っていないので、
私には連絡のつけようもありません。
私は遊びほうけていたので、
そこには居りません。

トンネルに入って
誰かが乗っていると感じたのは、
亡くなる前に
祖母が私に会いにきてくれたのかな、
と思いました。

ごめんね、最期に立ち会えなくて。
来てくれてありがと。
ばあちゃん。

と、お葬式の時に心の中で伝えました。

(y)

こわいね!
Fearbookのランキングを見る
2018-08-10-FRI