怪・その2

「私からの留守録」

これは私と家内が18年前に体験した
気味の悪いお話です。

私と家内(当時は彼女)は、結婚が決まり、
同居の日用雑貨を購入するために、
近くのスーパーに買い物に来ていました。

その日は平日の夕方だったこともあり、
勤め帰りのOLや主婦、
単身赴任らしきのサラリーマンなど
たくさんの人が買い物に来ていたと
記憶しています。

家内と店内を見てまわり、
細々としたものを買っている最中に、
家内の携帯電話の
「着信アリ」のお知らせランプが
点滅していることに気が付きました。

多くの人で店内が賑わっていたため、
着信があったことに気が付かなかったようです。

「誰からだろう?」ということで、
携帯のモニター画面を見ると、
ほんの3分前の着信で、
発信相手は、なぜか、私からとなっています。

「……!?」

当然、一緒に行動をしている私が
隣にいる家内にわざわざ
携帯電話をかけるなんてことはしません。

急いで私の携帯電話の
履歴を確認しましたが、
家内に発信した履歴はありませんでした。

「何これ!?」と不安になりつつ、
家内の携帯画面をよく見ると、
留守録があることが表示されています。

留守録を聞くか聞くまいか迷った挙句、
好奇心には勝てず、
怖いもの見たさに聞いてみると、

スーパーの喧騒の中、

子供か大人かよく分からない声で

「お母さ〜ん、お母さ〜ん」

と何度も叫ぶ声が録音されていました。

私達が店内にいた間、
迷子の子供は見かけていません。

この留守録を急いで消去したことは
言うまでもありません。

(犬又)

こわいね!
2017-08-19-SAT