怪・その1

「霊感の差?」

私の通っていた高校は
駅から徒歩30分かかりました。

長い距離なので、みな、
少しでも早く登校出来るように
近道を探して登校していました。
住宅地を通るコースは平坦だけど距離が長く、
山道を通るコースは険しいですが、
5分程短縮出来ます。

私は同じ中学校出身の子達と
集団で登校していましたが、
中でもA子とは
中学時代に同じクラスだったこともあり、
二人で喋りながら登校するのが常でした。

A子は中学時代から霊感が強く、
A子と仲良くするようになってから
しばしば金縛りにあうようになるなど、
私にも霊感が備わってきたのかなと
感じることがありました。

いつも通る山道コースには
放置されている軽トラックがありました。

普段は特に気にすることなく
通り過ぎていたのですが、

ある日、
A子と会話中に
ふとその軽トラックに目を向けると、
荷台部分で黒い塊のようなものが
うごめいていたのです。

その塊が私に向かってくるように感じて
思わず悲鳴を上げると、
A子も同時に悲鳴を上げたのです。

恐怖のあまり腰を抜かしそうになる私を
A子が抱えながらその場から離れました。

しばらくしてA子に

「ペコも見えた?」

と訊かれたので

「見えたよ! 黒い塊が! 荷台に!」

と興奮気味に答えるとA子は

「ペコにはそう見えたのか〜」

そうか、そうかと一人で納得した様子。

いったいA子には何が見えたのか
訊いたところ、

「血塗れの男性が
荷台から
はいつくばって
私達の方へ向かってきたのが
見えたよ」

と言われて、絶句‥‥。

「そんなにリアルに見えていたの?!」

と言うと、A子は、

「ふふっ霊感の差だよ」

と‥‥。

(ペコちゃん)

こわいね!
2017-08-19-SAT