怪・その5

「うれしくて『ワン!』」

子供の頃、
叔母から聞いたお話です。

叔母の友人が誰かの家で
お茶飲み友達と集まっていた際、

飼っていた犬の思い出話をしていたら

「ワン!」

と卓袱台の端に前足を掛けて
その犬が現れたと。

一瞬の出来事だったけど、
全員見ているし、
そのお宅では犬は飼っていなかったし、
犬を連れて来ている人もいないし。

すぐに卓袱台の下を覗いたけど
もちろん、何もいなかったそうです。

きっと

自分の話をしてくれている嬉しさに

思わず参加したくなったんだと

私は思います。

(i)

こわいね!
2015-08-07-FRI