怪・その25

「うるさい夜」

15年前の話です。

実家の自分の部屋で寝ていた時のこと。
夜中に夢うつつで目を覚ますと、
部屋のドアを「ドン、ドン」と
たたく音がしていました。

「もう、うるさいな」と思いつつ、
ハッとしました。

家族はこんなたたき方をするわけがない。
せいぜい、
「コンコン」というノックをするだけです。

え、いったい何なの?!
とパニックになってガバリと飛び起きましたが、
音はそれきりやんでしまいました。

そこで私は

“ああ、夜遊びした兄ちゃんが帰ってきて、
 玄関の扉を乱暴に閉めたんだ”

と気づきました。

当時の実家は築25年。
玄関の扉を勢いよく閉めると
家全体の扉がしなるというか、
空気圧の関係で震えることがありました。

その音を「ドン、ドン」に聞き間違えたんだ、
なんだ。
と一安心して寝ました。

翌朝目が覚めてふと外のガレージを見ると、
帰ってきたはずの兄の車がありません。

再び混乱した私は
母に朝のあいさつもそこそこに

「兄ちゃんは??」

と聞くと、母は不機嫌そうに

「まだ帰ってないとよ。
 ほんと遊びすぎよ。

 それからね、あんた、
 昨日は部屋で何しよったとね?
 ドアに何か投げつけたやろ。
 ドンドン音がして寝れんがったが」

(R)

こわいね!
2014-08-29-FRI