怪・その1

「コン、コン」

私の住んでるアパートは
まだ出来て5年ほどの
ちょっとオシャレな雰囲気のアパートです。

1階に玄関があり、室内の階段を上がっていくと、
2階にリビングと寝室があります。


その寝室の扉を
週に2、3回なのですが、
夜中や明け方に

「コン、コン」

とノックされます。

とても丁寧で、しっかりとした音に、
寝ていても思わず起きて
「ハイ」と返事をしそうになります。

明け方ふと目を覚ましたときにも
したことがあります。

もちろん返事はしていません。

まるで面接のときにするような、
きちんとしたはっきりとしたノックの音です。


きっかけになったかわかりませんが、
今年のお正月に家族で旅館に泊まりました。

夜10時ころ、主人は寝ていて、
私は一人でテレビを見ていました。

すると、畳の上を摺り足で歩くような

「サッ」「サッ」

という音がします。

ちょうどテレビドラマ「相棒」を見ていました。
主人が寝ているので、音量を絞っていて、
その畳をこする音が邪魔で聞きにくく、
「あぁ、もう」と思い、
私の後ろの方で寝てる主人をみたら、
足はきちんと布団に入っています。

でも主人の足のあたりから
畳の上を歩いているような音はするのです。

「サッ」「サッ」と。

ただ私は昔から、霊を見たことはないのですが、
誰もいない台所の角から
泥沼を歩くような

「ベチャ」「ベチャ」

という足音が聞こえて
それがどんどん近づいてきたり、
音だけは聞こえるので、
あぁまたか、と思ってあまり気にしませんでした。


それから帰ってきてから、
ノックが始まったような気がします。


主人は眠りが深いので、聞いたことはないそうです。


いちばん最近は、5日前の午前2時半くらいに
トイレに起きて、布団にもどったとき、

「コン、コン」

と扉をノックされました。

(ゆき)

こわいね!
2014-08-01-FRI